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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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閑話⑪ 2 フレネイアの作戦(※)

※(注)変態男が登場します。

苦手な方はご注意ください。

(フレネイアside)


 風紀委員メンバーだけでなく色々な人に不審者捜しを依頼しましたが足取りは相変わらず掴めませんわ。


 捜すのが無理ならばおびき出す作戦を考えるべきですわね。


「わたくしフレネイアが正義の仮面を名乗る男に〝決闘〟を申し込みますわ!」


 学園では双方が同意した場合の決闘が許されています。本来なら生徒同士が決闘するものなのですけどね。


 わたくしは正体不明の不審者の存在を認めません。認めて欲しいのならばわたくしとの決闘を受けるようにと学園中に告知しましたわ。

 明日の正午、修練場にて待つと。


 学園内に現れるならば必ずその男の耳にも入るはずですわ。


「フレネイアさん、あの方······いえ、あの男と決闘するのですか?」


 風紀委員メンバーの一人が問いかけてきました。


「これは不審者をおびき出すための方便ですわ。修練場内は風紀委員メンバーのみで固め、総がかりで例の男を捕えるのですわよ」


 不審者相手に真正面から決闘する気はありませんわよ。わたくしの目的は例の男を捕え、正体を明かすことなのですから。


「そ、それは少々卑怯なのでは······?」

「不審者相手に甘いこと言っているんじゃありませんわよ。どんな手を使っても捕えるのです! それに不審者を捕えるのは風紀委員の総意なのですから〝決闘〟は風紀委員全員が対象になりますわ。決して卑怯などではありませんわよ」


 まあ、わたくし自身もこれが詭弁だと思っていますが。そんなことはこの際いいのです。


 ············問題は例の男が修練場に現れるかどうかですけど。現れなければ別の手を考える必要が出てきますわね。

 それはその時に考えることにしましょう。










 そして次の日の正午。

 わたくしは風紀委員メンバーと共に修練場で例の男を待ち受けています。

 学園中に告知したことで結構な見学者が集まりましたけど修練場の中には風紀委員メンバーしか入れていません。

 わざわざ来て申し訳ないのですけど、これも例の男を確実に捕えるためですので。


 修練場の中には、わたくしと風紀委員メンバーが二十数名ほど。

 レイさんとアイラさんのおかげでわたくし達のレベルは30〜50まで上がっていますわ。

 不審な男一人捕えるには充分過ぎることでしょう。


 例の男が来るかが問題でしたけど、正午を少し過ぎた辺りで姿を現しました。



「決闘の告知を受け、参上致しました」


 黒いマスクを被り、下着一枚の姿をした男が修練場に現れました。

 ············話には聞いていましたけどなんてはしたない格好ですの。

 ほとんど裸ですわよ。

 男性の裸なんて見慣れていませんし、わたくしの方が恥ずかしくなりますわ。


 まあ、そんなことよりも狙い通りこの男を誘い出すことができましたわね。


「よくやってきましたわね。逃げなかったことは素直に誉めて差し上げますわ」


 わたくしは前に出て男に言い放ちました。


「貴女が私に決闘を申し込んだ方ですかな?」

「その通りですわ。わたくしはフレネイア=セントラール。もっとも、決闘の対象はこの場にいる全員になりますけど」


 決闘で相手をするのはわたくしだけではないと言っても男は特に動揺することも憤る様子もありませんわね。

 わたくし達を甘く見ているのかしら?


「ほう、貴女があの聖女アルケミア殿の妹君(いもうとぎみ)ですか。アルケミア殿とは以前に面識を持ちましたよ」


 そういえば前に会った時にミア姉様がそう言っていましたわね。

 普段のミア姉様からは考えられないくらいに興奮していたのを覚えていますわ。


「あなたがミア姉様と? 一体どんな関係ですの?」


 わたくしは何も知らないふりをして男に問いました。まあ、本当に詳しくは知らないのですけど。


「アルケミア殿は以前、もう一人の聖女セーラ殿を快く思っていなかったようでしてな。聖女の試練を邪魔をしようと目論んでいたのですよ」


 ミア姉様が?

 いえ、確かに聖女セーラ様は元は平民であり、ミア姉様が快く思っていなかった話は聞いた覚えがありますわね。

 ミア姉様がそう目論んでもおかしな話ではありませんわね。


「その時に私はセーラ殿の手助けを致しましてな。強引な手法に出たアルケミア殿に少々()()()()をしたのです。それによってアルケミア殿はすっかり改心しました」


 この男によってミア姉様が改心?

 あの芯の強いミア姉様がこんな男に何かされたからといって自分の考えを変えるとは思えませんけど。


 ですが確かに少し前に会ったミア姉様は色々と考えというか雰囲気が変わっていましたわね。

 この男のことも悪く言っていませんでしたし。

 ミア姉様がこのようなはしたない格好をしている男に気を許すとは思えないのですけど。



「······まあ、いいですわ。ならミア姉様を改心させたというお仕置きとやらであなたを認めないわたくしの考えを改めさせて見せなさい!」

「いいでしょう。貴女が望むのでしたら私の特別なお仕置きで改心させて見せましょう」


 自信満々に言ってくれますわね。

 面白いですわ。

 わたくしは聖女であるミア姉様ほどではないですが、魔法関連は得意なんですよ。

 フェニアさんからこんな時のために色々と魔道具をお借りしていますし。



 さらには対人戦闘が得意な風紀委員メンバーも集結していますのよ。

 負けるつもりはありませんから改心させることなんてできないでしょう!



 わたくしが勝ってあなたの正体、曝け出させてあげますわよ!






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