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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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閑話⑩ ミウネーレのお騒がせ事件再び? 〜後編〜(※)

※(注)引き続き変態男が登場しています。

お見苦しい表現もあります。

(ミウネーレside)


 夜中に温泉施設に来て、レイさんと会いました。

 あたしは二人きりになるチャンスと思い、男性用の温泉に突入しました。


 けど、男性用の方にいたのはレイさんではなく、黒いマスクで顔を隠した、正義の仮面と名乗る謎の人物でした!


 すぐ近くのクラントールの町に、何度か現れているという話は聞いていましたけど、ここは幻獣人族の里ですよ!?


 外敵を通さない結界が張ってあり、しかも最近強化の儀式も完了したと言っていましたよ!?

 どうやって入って来たんですか、この人!?

 それに、レイさんはどこに行っちゃったんですか!?


「男性用のフロアに、うら若き乙女が突入してくるのは関心しませんな」


 うー······確かにこれじゃあ、あたしの方が変質者ですよね。

 反論したいんですけど、緊張と混乱でうまく口が回りません。


 本当にどういうことですか?

 なんで、この人がここにいるんですか!?

 もしかして、この人の正体はレイさん············のわけないですよね?

 雰囲気とか全然違いますし。



 でも、だとするとレイさんはどこに行ったのでしょうか?

 なんだか訳が分からなくなってきました。

 混乱しているあたしに構わず、仮面の男性は振り向き、立ち上がりました。


 ここは温泉です。

 だから当然、仮面の男性は裸······。

 あ、でも()()ちゃんとタオルで隠しています。

 ホッとしたような残念なような······って何を考えているんですか、あたしは!?


「男の花園に侵入してきた貴女には、少々お仕置きが必要なようですね」


 仮面の男性はそんなことを言いました。

 え? ()()()()? この人のお仕置きって······。

 ミルさん(ミール)が言うには確か······()()()()············。



 え、えええーーーーっっっ!!!???

 じ、冗談ですよね!!?

 あたし男の人のは············見たことはありますけど()()()()()()()もちろんありませんよ!?


 混乱と驚きのあまり、頭が働かないですし、腰が抜けてうまく立てません!?

 仮面の男性はゆっくりこちらに近付いてきます!


「ちょ、ちょっとま、待ってくださいー!!? あ、あたしそういうのは······」


 うまく言葉が出ません!?

 な、なんでこんなことになったんでしたっけ!?

 レイさんは? レイさんはどこに行ったんですか!?

 それとも、もしかしてこの仮面の男性がレイさんなんですか!!?


 も、もしこの人がレイさんなら()()()()お仕置きも望むところかもですけど······。

 いえ、そうじゃなくて············。

 自分でも何考えてるんだかわかりません!!?


 仮面の人はもう目の前にいました!?

 正確には男性の下半身があたしのすぐそこに······。

 あ······仮面の人のタオルが(ほど)けて落ち············。


 けど仮面の人は止まることなくあたしに······。



――――――――――ピトッ




 ·······································



「きゃああああーーーーっっっ!!!???」

















◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「目が覚めたか? ミウネーレ」


 目を開けたら、アイラさんが声をかけてきました。

 あれ? あたし、どうしたんでしたっけ?

 ここは温泉施設の休憩室みたいですね。


「温泉でのぼせたみたいですね。気を失っていたミウネーレさんを、レイさんが介抱していましたよ。あ、服はワタシ達が着させたので安心して下さい」


 ミルさんの姿もありました。

 確かに、いつの間にか服を着ています。

 さっきのは夢······ですか?

 ど、どこからどこまでが夢だったんですか!?


「······大丈夫だった、ミウ?」


 レイさんも、あたしを心配そうに覗き込んできました。もちろん、レイさんもすでに服を着ています。


「屋敷の方まで聞こえるほどの尋常じゃない叫び声だったから、何事かと思ったぞ。幻覚でも見たのか? まあ、のぼせただけならばよかった」


 あたしの叫び声で駆けつけてくれたんですね。

 外には他の人達も集まっているみたいです。

 ご迷惑をおかけしました······。

 あれ? でもあたしが叫んだのって、あの仮面の人に······。


「レ、レイさんー? レイさんって温泉に入ってたんですよねー? 他に誰かいませんでした?」

「いや、オレ一人だけだよ。ミウがいきなり入ってきたと思ったら、そのまま倒れちゃったんだよ」


 あ、あれー? じゃあ全部夢だったんですか?

 緊張しすぎてたんですかね?

 あの仮面の人もただの夢······。

 そ、そうですよね。


 前にミルさん達にあんな話を聞いちゃったから夢に出てきたんですよね。

 あの仮面の人がここにいるはずないんですから。



 ············本当に夢ですよね?

 すごく現実味ある夢だったんですけど······。

 男の人のその、感触とか············。


 きゃあああーーっっ!!!???

 夢のはずなのに鮮明に思い出しちゃいました!?

 いえ、夢です! あれは夢です! 夢なんです!

 あたしは()()()()を頭から振り払います。

 忘れます! 忘れましょう!!



 ····································



 駄目です、無理です!!?

 夢の中の出来事だったはずなのに記憶が鮮明過ぎて忘れられそうにありません!!



「······本当に大丈夫、ミウ? まだ顔が赤いけど······」

「は、はいー!!? あたしはもう大丈夫ですよ、レイさんー!!」


 今、レイさんの顔を見ると男の人の裸を思い出しちゃいます!

 正確には男性の()()()()······。



「ところで、何故ミウネーレは男用の浴室に入ってしまったのだ?」

「あ、それはー······ね、寝ぼけちゃってたみたいですー。あはは······」


 アイラさんの質問に、あたしは笑って誤魔化しました。ミルさんは疑惑の目を向けていますけど······。




 それにしても緊張しすぎて倒れちゃうなんて、一生の不覚です。

 せっかくレイさんと二人きりになれるチャンスだったのに······。


 いえ、きっとチャンスはまた訪れます!

 次こそはチャンスをものにしましょう。




 ··················ところであの仮面の人、本当に夢だったんですかね?






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