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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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286 ルナシェアとの裸のスキンシップ

 神樹の迷宮150階層の魔物を倒した。

 迷宮は全300階層だから、これで半分クリアしたことになるな。



 オレは魔力の自然回復は、他の人に比べてかなり早い方らしいから平気だけど、ルナシェアは「聖」属性の最上級魔法を使ったことで、相当に消耗している。

 ここは迷宮攻略を中断すべきだろうな。


「ルナシェア、一度迷宮から脱出するよ」

「そうでありますな······。了解であります」


 さすがに結構疲労している様子で、これ以上進みたいとは言わなかった。

 オレは転移魔法を使い、迷宮から脱出した。








 転移魔法で幻獣人族の長の屋敷まで戻ってきた。

 ゲンライさんやフウゲツさんに迷宮の出来事を報告する。


「もう半分攻略したのね。さすがはレイ君だわ。ルナシェアさんは大丈夫? かなり疲れていない?」


 フウゲツさんが報告を聞いて言う。


「いえ、小生は大丈夫であります······」

「聖女様でも無理は禁物よ。ゆっくり休んだ方がいいわ」


 フウゲツさんの言葉にオレも同意だ。

 ゲンライさんも英気を養えと、ルナシェアに言葉をかけていた。


「あ、そうだ。レイ君、結界強化の儀式も、ついさっき終わったから、明日からは私達も迷宮攻略に参加するわよ」


 どうやらオレ達が迷宮に入っている内に、幻獣人族の里を覆う結界を強化する儀式が完了したようだ。

 準備にずいぶん時間がかかっていたが、終わってしまったら、あっという間だな。

 もっと大々的にやるものだと思ってた。



 明日からはフウゲツさんにゲンライさん、それに幻獣人族の戦士達も迷宮攻略に乗り出すことになるようだ。









 長の屋敷を後にして、オレ達は里の温泉施設に向かった。疲れを癒やすには、やっぱり温泉だよな。

 ルナシェアも興味を持っていたし、一緒に行くことにした。



 この時間帯は利用している人もいないので、貸し切り状態だ。

 アイラ姉達は、まだ迷宮から帰ってきてないようだ。


「レイ殿、い、一緒に入らないでありますか?」


 男女別々なので一人で男湯に向かおうとしたら、ルナシェアがそんなことを言い出した。


「いや、それはマズイんじゃないか?」

「ほ、他の方々とは一緒に入っていたと聞いたでありますよ。ミウ殿も、いつの間にか加護が正式なものになっていたでありますし······」


 あれは一緒に入ったというより、突然乱入してきたと言った方が正しいんだが······。


「後、数日ほどでしばらく会えなくなるでありますし、最後にレイ殿との思い出を作りたいのであります!」


 確かに、ルナシェアは数日後には聖女としての役割のために王都を発つんだったな······。

 そうなると今度いつ会えるかわからない。


 まあ······何かするわけでもないし、一緒に入るくらい、いいのかな?

 というわけで、ルナシェアと一緒に入ることにした。






 今、オレとルナシェアは一緒に温泉に背中合わせに浸かっている。

 男湯と女湯どっちにしようかと迷ったが、なんとなく男湯の方に入ることになった。

 どっちにしろ他に利用客はいないんだし、同じことのような気もしたが、やっぱり男のオレが女湯に入るのは抵抗がある。


「············」「············」


 お互いに言葉が出ずに、無言で浸かっている。

 ルナシェアは自分で言い出したのに、耳まで真っ赤になるくらい緊張していた。


「レ、レイ殿! お背中流すであります!」


 沈黙を破ったのは、ルナシェアの方からだった。

 肩まで浸かっていたところを勢いよく立ち上がり言う。驚いて振り向いてしまい、ルナシェアの身体が目に入ってしまった。

 バスタオルなどは巻いておらず、生まれたままの姿だ。ルナシェアは胸が結構なサイズなので、どうしても目が行ってしまう。

 オレは慌てて目線を戻した。


「そ、それはむしろオレの役目じゃないかな? ルナシェアは一応聖女なんだし······奉仕される側だろ?」

()()は余計でありますよ、レイ殿。まあ小生自身も聖女ではなく、リン殿のように聖女を守る盾、という方がしっくりくると思っているでありますが」


 まあルナシェアは確かに守られるより、守る側といった感じだが。


「そ、それよりも湯から出るであります、レイ殿! まだ小生は候補ではありますが、聖女に背中を流してもらえるのは大変名誉なことでありますよ!」


 名誉なことなのかな?

 聖女にそんなことをさせるなんて、むしろ打ち首ものの案件な気がするが。


 ルナシェアが強引に引っ張って、オレを湯船から出そうとしてきたので、素直に従うことにした。




 宣言通り、オレはルナシェアに背中を洗ってもらっている。当然ながら、ルナシェアはバスタオルを巻いて身体を隠している。

 もちろんオレも腰にタオルを巻いて隠している。


「レイ殿の身体······男らしく引き締まって、たくましいでありますな」


 改めて、そういうことを言われると照れる。

 元の世界でも、そして異世界に来てからも、アイラ姉の特訓に付き合わされていたからな。

 それなりに鍛え上がってはいると思う。


「迷宮内で言ったこと、深刻に捉えなくてもいいでありますが、真剣には考えてほしいであります······」


 迷宮内でのこと······あの告白か。

 オレと異性として付き合いたいか······。

 ルナシェアは、オレのどこを気に入ってくれたのだろうか?

 オレはそんなに想ってもらえるようなことをしたのかな?



 けど、ルナシェアにオレのどこを好きになったのかと面と向かって聞くのは、いくらなんでも恥ずかし過ぎるな。





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