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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第二章 始まりの町アルネージュでの出来事
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35 ミウネーレのお騒がせ事件

(ミウネーレside)


 シノブちゃん、あたしよりも年下なのに凄く強かったです。

 ユーリも決して弱くはないのにまるで相手になっていませんでした。

 ユーリはかなりの負けず嫌いですけどあそこまで完敗なら何も言えないでしょう。



 アイラさんの提案であたし達は第三地区に向かうことになりました。

 話には聞いてましたがまだ行ったことがなかったんですよね。

 楽園と呼ばれる今の第三地区。



 そして来てみたら本当に楽園でした。

 果実や野菜がたくさん植えられています。

 あのリンゴという果実、すっごく美味しかったんですよね。

 そのリンゴの木がいっぱいあります。

 リンゴだけじゃありません。

 他にも色々な果実、野菜がいっぱいです。



 これって盗まれたりはしないんでしょうか?

 今やここの果実は高級食材として売られています。

 しかもここでしか育たないんです。

 種を第一地区、第二地区、その他の場所で植えてもうまく育たなかったそうです。

 リンゴ一個に金貨を出す貴族だっていたそうです。

 ············食べちゃ駄目ですかね?



 孤児院に着くと聖女セーラ様とリンさんがいました。

 リンさんとは年が同じなので何度か顔を合わせている内に仲良くなりました。

 といっても会うのも久しぶりです。

 色々と話をしたいですね。



 そう考えていたらお兄様が気を利かせてくれました。というわけでシノブちゃんの案内で自宅に招待されました。

 えっと············レイさん達って本当は貴族なんじゃないですか?

 とても大きな立派な屋敷です。

 あたしも領主の娘なので大きな屋敷に住んでいますけど、ウチと大差ないですよ!?



 シノブちゃんに中へと案内されます。

 屋敷の中も豪華な作りです。

 そのまま広い部屋に来ました。

 書物がたくさん置いてある部屋です。

 何の書物でしょうか?



「これをどうぞでござる」


 シノブちゃんが飲み物と切り分けられた果実を持ってきてくれました。

 これはリンゴです!

 ああ美味しい、やっぱり最高ですー。

 飲み物も甘く冷たくて美味しいです。



 美味しい物を食べながらリンさん達と他愛ないおしゃべりを楽しみます。

 そういえばリンさん、男嫌いは治ったんでしょうか? レイさんとは普通に接していたように見えましたけど。


「レイさん達ってすごいですよねー。どこの国出身なんですかシノブちゃん?」

「ん~、拙者からは話せないでござるよ。アイラ殿から無闇に話さないようにと言われているでござるから」


 簡単には教えてくれませんか。気になりますー。

 聖女様やリンさんも知らないんですかね?

 まあ焦ることはないですよね。

 もっと仲良くなってから教えてもらいましょう。



 こっちもちょっと気になったので部屋にある書物のことを聞きました。

 これは()()()()()という書物で色々な物語が描かれているそうです。

 読んでもいいということなので試しに読んで見ましたがとっても面白いです。



 続きが気になってつい夢中になってしまいました。

 聖女様、リンさんも同じです。

 ついつい時間を忘れてしまいました。




「ただいま、今帰ったぞ」


 アイラさんが帰ってきました。


「おかえりでござる。師匠達は?」

「ああ、今汗を流している所だ」


 シノブちゃんが出迎えます。

 ずいぶん時間が経っていました。

 目が少し疲れています。

 ちょっと外に出て休みましょうか。


「すみません、ちょっと外の風に当たってきますー」

「ああ、しばらくしたらレイ達も戻るだろう」


 アイラさんに言ってあたしは外に出ました。

 ふう、目が疲れていたので外の景色を見るのがいいですね。

 そういえば気になっていたんですが、屋敷の外にあるこの建物はなんでしょうか?

 煙のようなものが上がってますけど火事ってわけでもなさそうです。



 ちょっと覗いて見ましょうか。

 扉にはカギは付いていなかったので普通に開きました。ここは何の部屋でしょうか?

 たくさんのカゴが置いてあります。


 ん? これ は服ですね。

 お兄様とユーリのもののような······?

 奥にはさらに扉があり、お兄様達の声が聞こえます。


 何をしているのでしょうか?

 奥に進むと少し蒸し暑くなってきたような······。



――――――――ガラッ


「「えっ?」」


 そう考えていたら突然扉が開きました。

 声が重なります。

 扉の先にはレイさんが立っていました。

 そういえばカゴの中にはお兄様とユーリのものだけでなく、レイさんの服もありました。


 ······つまり今レイさんは裸です。

 何も身に付けていません。当然下も······。


「きゃああああっ!!!???」


 思い切り見ちゃいました!?

 男の人の裸······きゃっ!?

 レイさんって結構たくましい身体です············。


「どうした!?」


 奥からお兄様も出てきました。

 お兄様も裸です。

 もしかしてここは天国ですか!?



 その後あたしの叫び声を聞いてアイラさん達が駆けつけて騒ぎがさらに大きくなりました。









◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「妹がお騒がせした」

「ご、ごめんなさいですー······」


 お兄様と一緒に謝りました。

 もうみんな服を着ていますよ。


「いや、風呂のことを説明しておくべきだったな······こちらこそすまない」


 アイラさんが気まずそうに言いました。


「レイさんも······大騒ぎしてごめんなさいですー」

「いや······うん、次からは気を付けてね······」


 レイさんも恥ずかしそうにしています。

 レイさんとお兄様の······バッチリ見ちゃいましたよ。

 お兄様の裸なんて子供の時以来です。

 レイさんのように同年代の男の人のなんて············初めてですー······。

 思い出しただけで恥ずかしくて爆発しちゃいそうです。


「まあついでだから私達も入るか。ミウネーレ殿も一度入ってみるといい」


 アイラさんがそう言ってくれたので、あたしとアイラさん、シノブちゃん、聖女様、リンさんの五人でお風呂に入ることになりました。

 それにしてもこんな大きな建物がお風呂のためのものなんて驚きです。


 中に入るともっと驚きでした。

 本当にここは天国ですか!?

 なんですかこのシャンプーとリンスって!?

 これで髪を洗うと信じられないくらいスベスベのツヤツヤになります。

 お湯を出すのもとめるのも自由自在。


 さらには20~30人は入れるくらい広い湯船。

 最高に気持ちいいです。

 このお風呂、ウチにも欲しいです!

 シャンプーとリンスくらいなら譲ってもらえないですかね?



 こんな凄いものを作り出すレイさん達は何者なんでしょうか?



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