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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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285 ルナシェアと迷宮攻略③

 休憩も終わりにして、オレ達は迷宮攻略を再開した。休憩前よりも、ルナシェアを意識するようになってしまったが。


 こんな状態で迷宮攻略はアレかと思い、戻ろうとしたが、ルナシェアが迷宮攻略続行を強く希望したので、先に進むことにした。



 141階層からも特に迷宮に変わり映えはない。

 現れる魔物の平均レベルは多少上がっているが、オレ達にとっては誤差のような物だ。


 それに(愛のペンダント)の効果で、オレとルナシェアの魔力と魔法耐性が上がっているため、今まで以上に楽に進めている。




 それほど時間をかけずに150階層までたどり着いた。140階層と同じような大部屋のフロアだが、宝箱は見当たらない。

 まるで森のように木々が生い茂っているフロアだ。


 その中で探知魔法に魔物の反応がある。


「グルオオアーーッ!!!」


 周囲と同じ木々と同化した、緑色の皮膚を持つ竜のような魔物が現れた。

 翼を持たない地竜タイプか?



[フォレストサウルス] レベル450

〈体力〉859000/859000

〈力〉85000〈敏捷〉21500〈魔力〉19200


〈スキル〉

(擬態)(雄叫び〈強〉)(力強化)

(物理耐性〈大〉)(硬質化)



 攻撃特化の魔物みたいだな。

 よく見たら恐竜······トリケラトプスみたいだ。

 〈力〉がスキルの効果を合わせたら10万を超えそうだ。

 それに(物理耐性〈大〉)と(硬質化)もあるから、物理攻撃はあまり通りそうにない。

 魔法攻撃なら通りそうだが。



 まるで、さっき手に入れた(愛のペンダント)の愛の力で魔力を高めて、コイツを倒せと言われているみたいだ。


「ルナシェア、気を付けろ! コイツ、かなり強いぞ」

「相手に取って不足はないであります!」


 オレ達はそれぞれ武器を構えた。


「グルルアアーーーーッ!!!」


 恐竜が(雄叫び〈強〉)と(力強化)を使って、自身のステータスをアップさせた。

 そして巨体に似合わず、凄いスピードで突進してきた。まともにくらえばルナシェアはもちろん、オレでもヤバいかもしれない攻撃力だ。


「フリーズ!!」


 オレは「氷」魔法を放ち、恐竜の足下を凍らした。

 床がツルツルになっているにも関わらず、恐竜の突進に影響は出ていない。

 オレとルナシェアは左右にそれぞれ跳び、突進をかわした。


 恐竜は素早く反転し、再びこちらに向かってくる。



「迎え撃つであります! 蒼牙閻彗翔っ!!」


 ルナシェアが(聖剣術)の奥義を放った。

 霊光剣に魔力を限界まで込め、向かってくる恐竜に斬りつけた。



――――――!!!



 ルナシェアの剣は恐竜の皮膚を斬り裂けず、弾かれた。おそらく(硬質化)で耐久力を上げているのだろう。

 (物理耐性〈大〉)もあるとはいえ、あの奥義でも恐竜を傷付けることは出来ない様だ。


「ルナシェア、あぶない!」


 剣を弾かれ、バランスを崩していたルナシェアに、恐竜は勢いを緩めず突進してきたので、オレは素早くルナシェアを抱えて避けた。


「あ、ありがとうであります、レイ殿······」


 ルナシェアが頬を赤らめながら言う。

 今、オレはルナシェアをお姫様だっこしている状態だ。この状況でそんな反応されたら、オレまでドキドキしてしまう。


 そんなことを考えていたら、お互いに着けている(愛のペンダント)が光り出した。

 オレとルナシェアの魔力の数値が、さっきよりも上がっている。


 ······もしかして今ので、お互いの愛の力が上がったというのか?



「グルアアーーッ!!!」


 おっと、そんなことを考えている場合じゃないんだった。

 恐竜は唸り声をあげると、身体の色が周囲の木々と同化して姿が見えなくなった。

 スキル(擬態)の効果か。


 目を凝らしても、どこにいるかまるでわからない。

 あの攻撃力で突然、奇襲をかけられたら相当に厄介だろうな。


 だが、オレの探知魔法の前では無意味だ。


「ルナシェア、気を付けろ。あの魔物は今、右側に移動している」

「レイ殿には魔物の姿が見えているでありますか?」


 ルナシェアを降ろし、現状を教える。

 ルナシェアは、あの恐竜を見失っている様だ。

 オレも見えているわけではないが、どう動いているのかは把握できる。


「俺が合図したら一緒に魔法を放つぞ。あの魔物は体力が高くて物理耐性もあるけど、魔法耐性はない。一気に決めよう」

「了解であります、レイ殿!」


 オレ達は、いつでも魔法を撃てるように魔力を集中した。あの恐竜はオレ達が自分を見失ったと思い込んでいるようで、攻撃の機会をうかがっているみたいだ。


 探知魔法の反応が止まったと思ったら、凄い勢いでこちらに向かってきた。


「今だ、ルナシェア!」

「魔力を最大まで込めたであります!」


「「ソウル·アセンション!!」」


 オレ達は向かってくる反応に向けて「聖」属性の最上級魔法を放った。

 単体で放っても強力な魔法だが、力を合わせて撃てば、威力はさらに跳ね上がる。


「グ······ア、アアアーーーーッ!!?」


 魔法が当たったことで、姿がはっきり見えるようになった。

 こちらに向かって突進してきていたので、避けることが出来ずに直撃した。


 「聖」なる光が恐竜を滅していく。

 相当に体力があったはずだが、オレとルナシェアの「聖」魔法には耐えられず、その巨体が完全に消滅した。



〈レベルが上がりました。各種ステータスが上がります〉



 お、レベルアップした。

 どうやら倒せたみたいだな。

 ボスを倒したことで、上に向かう道が拓いた。



 これで神樹の迷宮は半分走破したことになるのか。まだまだ先に進みたいが、ルナシェアはさすがに疲れている様子だし、一度迷宮から離脱して、休むかな。




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