表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
356/736

282 ルナシェアと迷宮攻略

 龍人族の国から幻獣人族の里に帰ってきて、数日が経った。

 セーラとリン、そしてエンジェは、しばらく龍人族の国に滞在することにしたようだ。


 シノブとスミレは、仲良くなったマティアと名残惜しそうにしながら、お別れをしていた。

 まあ、シノブも転移魔法を使えるのだから、会おうと思えば、いつでも会えるだろう。



 あれから新たに魔人族が攻めてくるようなこともなく、平穏無事に過ごせているようだ。

 リンがいるから龍人族の国で何かあったら、念話で連絡が来るだろう。


 どこまで念話が届くのか、それなりに試したが、少なくとも王都から幻獣人族の里、そして龍人族の国への念話は可能だった。

 本当に便利なスキルだ。








 オレ達は幻獣人族の里で、神樹の迷宮の攻略に力を入れている。

 現在130階層まで攻略済みだ。

 100階層のボスだったルナティック·プラントが異常に強かっただけで、101階層以降の魔物のレベルは80〜120くらいだった。

 いや、思ってたよりもたいしたことなかっただけで、レベル100前後というのは、かなり強い魔物なんだよな。

 その辺の感覚がマヒしているかもしれない。




 ちなみに今日は幻獣人族の里に新たな人物を招いている。


「それではレイ殿、張り切って行くであります!」


 やる気に満ちた元気いっぱいの声をあげたのは、聖女ルナシェアだ。

 王都での仕事もようやく一段落して、以前話して興味を持っていた、幻獣人族の里に招いたのだ。

 護衛がいないのは、いつものことなので気にしないでおこう。



 すでに長のゲンライさんやフウゲツさんには挨拶を済ませ、歓迎を受けている。

 特にゲンライさんとルナシェアは何やら意気投合したらしく、軽く手合わせをして、お互いを認め合っていた。

 拳と拳のぶつかり合いで分かり合うのは、男と男でのイメージだったのだが。



 まあそれはいいとして、今はルナシェアと二人で神樹の迷宮に挑んでいる。

 ルナシェアがオレと、二人だけで迷宮に挑戦したいと希望してきたからだ。



 神樹の迷宮はボスがいる階層はともかく、通常のフロアや通路はそれほど広くはないため、少人数での攻略の方が効率がいいのかもしれない。

 特に反対する理由もないので、オレは二つ返事で了承した。

 アイラ姉は少しばかし難色を示していたが、ルナシェアはレベル400を超えているし、よほど強い魔物が現れなければ問題ないだろう。


 ミールやミウが、二人だけで迷宮に潜るというと何か言いたげだったが、ルナシェアが説得していた。

 そういや、ルナシェアと二人きりになるというのは、初めてかもしれないな。


「この迷宮は全300階層あるけど、どの辺から攻略しようか? 今は130階層までは行けるけど」

「もちろん、上を目指すであります!」


 オレの問いに、ルナシェアは迷わず答えた。

 ショートカットしたために、まだ未攻略の下の方のフロアでも行こうかと思ってたんだけど、ルナシェアはさらに上を目指したいようだ。


 まあ、いいかな。

 まだそこまで危険な魔物とは遭遇していないし、ヤバいのが現れたら、転移魔法ですぐに逃げよう。





 オレ達は130階層まで転移した。

 このフロアにはボスはいなく、宝箱がいくつか置かれているだけだった。

 10階層ごとに必ずボスがいるわけではないらしい。ここまでもボスのいないフロアがいくつかあった。


 ちなみに宝箱の中身はそこそこの品だったが、目を引く物でもなかった。



「ここから先は未知の領域だ。油断しないようにね」

「もちろんであります、気を引き締めるでありますよ!」


 上に向かう道を進んでいく。

 いつ魔物が襲いかかってきても対応出来るように、武器をアイテムボックスから取り出して、構えておく。


 取り出した武器は、前にドワーフ工房のドルフさんに作ってもらった魔剣ヴィオランテだ。

 実は聖剣エルセヴィオは、オレの手元にない。


 やはり聖剣は本物の勇者が使った方がいいと思い、ユウに渡しておくように、エンジェに頼んでおいたからな。

 それに並の魔物などは問題ないが、バルフィーユのような強敵を相手にした場合、聖剣でも少々、力不足だ。


 新たに覚えた(神聖剣術)を使いこなすには、神剣クラスの武器が必要なのだが、そんなのが簡単に手に入るわけないしな。

 ドルフさんやガルナンさんに頼めば聖剣を超える武器を作れそうな気がするが、肝心の素材が足りない。


 オレの(素材召喚)スキルで出せる最高の物が、今のところはオリハルコンになる。

 オリハルコン以上の素材は存在しないのだろうか?

 それとも、まだオレのレベル不足なだけで、いずれは出せるようになるだろうか?


 まあ、無い物ねだりしても仕方無い。

 魔物から剥ぎ取るような素材はスキルでは出せないので、神樹の迷宮でオリハルコン以上の素材として使える奴が現れないか期待している。



 ちなみにルナシェアの持つ武器は、ガルナンさんにオリハルコン製の剣を強化してもらった物だ。



(霊光剣ムーンライト〈アイテムランク8〉)

攻撃力+4300〈霊獣の絆、「聖」属性増大付与〉



 今やルナシェアの相棒と言える、霊獣フェンリルの素材を使って強化した剣だ。

 もはや聖剣と呼んでも遜色ない性能だ。




――――――――!!!!!



 おっと、さっそく魔物が現れた。

 レベル80前後の小型の虫の大群だ。

 オレとルナシェアのレベルなら、たいした相手ではないが、数が多い。


「ルナシェアは虫とかは平気?」

「平気ではないでありますが、魔物相手に怖気付いたりしないでありますよ!」


 ミウなら、この虫の大群に大騒ぎしそうだけど、ルナシェアは大丈夫そうだな。

 まあ大丈夫といっても、正直オレも気持ち悪いと思うし、ささっと倒してしまおう。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ