表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
352/736

279 シャルルア達と変態仮面男との邂逅(※)

※(注)変態男が現れます。

苦手な方はご注意ください。

(シャルルアside)


 聖女セーラ殿達と、新たにやってきたアイラという人族が、龍王様と今後の話し合いをしている。

 魔人族が今までにない動きを見せる今、他種族と手を組み、不測の事態に備えるべきであろうからな。

 妾も今まで以上に精進しなくては。



 妾は龍神様に仕える神子という立場じゃが、まだ正式なものではない。

 龍神様からの6つの試練を見事制して、正式な神子となれる。


 妾はまだ、半分の3つしか試練を達成しておらぬ。

 4つ目の試練を受ける準備が整ったところに、神将率いる魔人族が攻め込んできたため、先延ばしになっておった。


 魔人族が不穏な動きを見せる今、早くすべての試練を達成し、正式な神子とならなければ······!


 そう意気込んだのじゃが······。




「な、ない······!? 試練の間の扉の鍵が······」


 大切な試練のためのアイテムを失くしてしまった。一体いつ、どこで落とした!?

 まったく心当たりが思い付かぬ。


「どうしたのよ、シャルルア?」

「何か探し物ですかぁ?」


 妾の様子がおかしいのを気にかけて、テリアとミリィが問いかけてきた。


「龍神様の試練の間の扉の鍵がなくなってしまったのじゃ······」


 城の地下には正式な神子になるための特別な部屋があり、そこで龍神様からの様々な試練を受ける。

 試練の間の扉は厳重に封印が施されているため、専用の鍵がないと開くことができない。


 鍵は神子となる資格の者に与えられ、試練が終わるまでは肌見離さずにしていたのじゃが······。

 今代の神子の資格を持つ者は妾しかおらぬため、代わりはない。

 そもそも試練の間の鍵を失くしてしまうなど、前代未聞じゃ······。


 なんとしても見つけ出さなくては······!!



「どこで落としたか、心当たりはないの?」


 二人に事情を話し、一緒に探してもらうことにした。テリアがそう言ってくるが心当たりはない。

 最後に確認したのは、神将ナークヴァイティニアが攻めてくる少し前じゃ。

 その後、色々な場所に赴いたため、どこで落としたかまるでわからぬ。

 龍神様より授かった大切な鍵をなくすなど、神子失格じゃ······。


「もしかして、海に落としちゃったとかぁ?」


 ミリィの言葉に妾の顔が青くなる。

 魔人族から逃れるために海を渡り、ユウ達のいた大陸に着いた。

 その過程で落としたのなら絶望的じゃ。


 いや、じゃが鍵はちゃんと収納魔法で仕舞っていたはず。

 何らかの別の魔法アイテムなどを使用して、集中が途切れん限り、落とすことなどないはずじゃ。

 収納魔法は万能じゃが、魔力を限界まで消耗したり、何らかの理由で気を抜いてしまった場合などで、中身が飛び出ることが稀にある。


「じゃあ、あのナークヴァイティニアとかいう魔人と戦った場所じゃないかしら?」


 テリアの言葉にハッとする。

 確かに、あの激しい戦いの中では集中力が途切れて、収納魔法の中身を落とすことも、あり得るかもしれぬ。







 妾はテリアとミリィと共に都を出て、神将と戦った場所までやってきた。

 リュガントや他の戦士達など、普段護衛を務めている者達には内緒で、こっそりと抜け出す形となったが。

 大切な鍵を失くしたなど、とても言えぬ。


 神将との決戦を行なった地は、未だに戦いの爪痕が残され、荒れ果てておる。

 まだ、この辺りは整備の手が回っておらぬからな。

 今でも、よくあの圧倒的な強さを持っていたナークヴァイティニアに勝てたと思う。


「鍵って、手の平くらいの小さい物なんでしょ? この荒れた中から探すのは大変そうね······」

「ここにあるとは限らないですしねぇ」


 テリアとミリィが言う。

 確かにこの荒れた広大な土地から、あるかどうかもわからぬ小さな鍵を探すなど、大変な労力じゃ。

 だが、その点は心配いらぬ。


「大丈夫じゃ、龍神様の鍵は特殊な魔力を発しておるからのう。ある程度近くにあれば、感じ取ることが出来る」


 妾は目を閉じ、精神を集中させた。

 テリアとミリィも同じように魔力の痕跡を探す。

 この周囲にあるのなら、必ず感じ取れるはずじゃ。



 ゆっくり足を進めながら、鍵の発する魔力を探す。

 しばらく進むと、それらしき魔力を感じた。

 やはりここにあったのか!?

 妾は魔力を感じる(みなもと)に手を伸ばした。



――――――――ムニョッ 



 ん? なんじゃ、この感触は?

 弾力のある柔らかい触り心地で、少々温かみを感じる。鍵のような、硬いものではない。


「失礼、()()()私の大切な部分です。手を放してもらえますか?」

「え? ······ひゃあああっ!!?」


 聞き覚えのない男の声で、妾は目を開けた。

 目の前には見た事のない、妙な男が立っていた。

 黒いマスクで素顔を隠し、身体はかろうじて()()隠しているだけの下着一枚の姿じゃ。

 お、思わず叫んでしもうたわ······。


 だ、誰じゃ? 一体何者じゃ!?

 なんちゅう格好をしとるのじゃ!?

 というか今、妾が触っていたモノはこの男の······。


 わ、妾はまだ乙女じゃぞ!!?

 そんな妾にな、なんてモノを触らせるのじゃ!!


「きゃっ······な、なに!? なんなの、この人!?」

「うわぁ······変態さんってやつですねぇ」


 テリアとミリィも驚きの声をあげている。

 本当に何者じゃ、この男?

 そもそも、何故こんな所におるのじゃ?



 ············まさか魔人族の手の者か?

 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 変態男さん 久しぶりー 待ってました(⌒▽⌒)アハハ! シャルルアもレイサイドにおいでー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ