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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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270 メリッサ視点

(メリッサside)


 今日はとっても楽しかった!

 スミレとマティアとお腹いっぱい食べて、アチシは大満足!

 でもシノブって子はあんまり食べなかったけど、少食なのかな?


 ちゃんと食べないと大きくなれないだろうし、少し心配かも。

 レイっていうおにーさんもあんまり食べなかったし、()()は少食なのかな?


「ずいぶん、ご機嫌じゃねえか。俺がどれだけお前を捜し回ったと思ってんだ」

「うん! もうお腹いっぱいで幸せいっぱい! また一緒に食べ回りたいな〜」


 アチシがそう言ったら、バル(にい)は深いため息を吐いた。結局、バル兄は何も食べなかったし、お腹すいてるのかな?



「それでバル兄、用事は済んだの?」

「おう、お前を捜しながら情報収集もしたからな。ナークの落とし物は龍王の城にあるみたいだから、さっさと回収しに行くぞ」


 バル兄が面倒くさそうに言った。

 ま、バル兄は戦いは大好きだけど、こういう雑用みたいなのは嫌いだからね。

 トゥーレの頼みじゃなけりゃ、絶対引き受けなかったと思うよ。



 バル兄に引っ張られながら、龍王のいるお城の前まで来た。

 うわ〜、立派なお城。

 ここにいる龍王って強いのかな?

 戦ってみたいな〜。


「さて、どうするかな······。神槍は城の宝物庫に封印されてるらしいが、仕方ねえ、ささっと忍び込んで回収す······」

「それじゃあ、正面突破だね! 早く行こ行こ!」

「あ、おいっ、バカ······」

「どーーーーんっ!!」


 アチシは愛用の巨大ハンマーを取り出して、お城の門に思いっ切り叩きつけた。

 結構重い門だったけど、派手に吹っ飛んだ。


 その音を聞きつけて、龍人族の兵士がいっぱい来た! 龍人族って強いんだよね?

 あのナークですらやられたみたいだし、戦ってもいいかな?


「はあ······もういいや。メリッサ、責任持ってアイツらの相手しておけよ」


 バル兄が戦っていいって許可くれた。

 やった〜! 久しぶりに思いっ切り戦える!


「言っとくが、なるべく殺すなよ? 俺達は戦争しに来たわけじゃないんだからな」

「わかってるよ〜。バル兄じゃないんだから、ちゃんと手加減出来るって!」

「本当かよ······」


 アチシは戦いは大好きだけど、殺しは嫌いだよ。

 むえきなせっしょーは駄目だって言われているからね。バル兄が戦ったら、手加減してもこの人達を殺しちゃうかもしれないしね。



 龍人族の兵士達が武器を突きつけてきた。

 アチシ達を見て戸惑ってるみたい。


「この気配、魔人族か!?」

「いや、男はともかく少女の方は······」


「いっぱい楽しませてね、龍人族の兵士さん!」


 アチシは龍人族の兵士達に突っ込んでいった。

 兵士達がアチシに気を取られているスキに、バル兄が奥の方に向かった。



 う〜ん、龍人族の兵士達は、思ってたより手応えがないかな。

 けど総隊長とかいう人は結構強い。

 アチシでも力負けしそうなくらい。


 けど、怪我をしてるみたいで、たまに動きが悪くなってる。

 万全だったらもっと楽しそうなのにな〜。

 そう思ってたら、総隊長の人は何かの薬を取り出して飲んだ。


 薬を飲んだら身体の傷が消えて、さっきまでより動きが良くなっていた。


 今飲んだのは傷を治すポーションかな?

 でも、なんで今まで飲まなかったんだろ?

 なんでもいいや!

 それよりも、この人との戦いを楽しもう!



 やっぱり戦いはこうじゃないとね!

 血湧き肉の躍り食いって言うんだっけ?

 なんか違う気がするけど、ま、いいか。

 ちなみに、アチシが戦いを好きになったのはバル兄の影響かな。



 しばらく総隊長の人と打ち合っていると、援軍がいっぱい来た。

 けど、城の兵士ってわけじゃなさそう。

 女の人ばっかりだし、龍人族じゃない種族も混ざってる。



「妾は龍神の神子シャルルアじゃ! 魔人族よ、お主の目的はなんじゃ!」


「アチシはメリッサ! アチシはバル兄の付き添いだからよくわかんないけどナークの落とし物を回収しに来たとか言ってたよ?」


 神子ってなんだっけ?

 バル兄から聞いた覚えがあるけど忘れちゃった。

 まあいいや。


 それよりも、この人達すごく強そう。

 これならアチシも本気でやれるよね!




 ······と思ったら、この人達強すぎ!

 いくらでも来ていいなんてウソウソ!

 やっぱり一人ずつにして〜!


 アチシはスキルの魔力吸収(マジックドレイン)で反撃したら、それまで防がれた!?

 も、もしかしてアチシ、結構ピンチ?



「み、みんな強すぎじゃない? ナークがやられるのも納得だね。一対一なら負けないけど、この人数はアチシじゃヤバいかな〜? バル兄なら大喜びしそうだけど······」


 お姉さん達に囲まれちゃった······。

 そんな怖い顔するのやめようよ?


「大人しく降伏するならば、命までは取りはせぬぞ」


 総隊長の人が武器を突きつけてきた。

 ど、どうしよう〜?

 やっぱりお城の門を壊しちゃったのは、まずかったかな?

 素直にごめんなさい、した方がいい?




 そう思ってたら、バル兄が戻ってきた!

 ナークの落とし物は見つかったみたい。

 お姉さん達は一斉にバル兄の方に振り返っていた。



「ずいぶん楽しそうじゃねえか、メリッサ。俺も混ぜろよ」


 バル兄が新しいオモチャを見つけたような、とびきりの笑みをうかべてる。

 見ただけでお姉さん達の強さを感じ取ったみたい。


 そしてお姉さん達も、バル兄の強さを感じ取ったみたい。皆、表情が引きつってる。

 お姉さん達は確かに強いけど、バル兄の相手が務まるかな?



「いいぜ、久々に楽しめそうだ。メリッサ、コイツを持って下がってろ! 失くすなよ」


 バル兄がナークの落とし物を投げ渡してきた。

 神槍とかいう武器だっけ?

 何かに使うとか言ってたような······。

 まあいいや、ちゃんと収納魔法で仕舞っておこう。



 それよりも、久しぶりにバル兄の戦いが見れる。

 でも······お姉さん達、死ななきゃいいけど。





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