表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
341/736

268 襲撃

(セーラside)


 龍人族の国を襲った魔人族達は撃退され、ユウ君とエレナさんは、すでに神託を達成していたようです。


 それにしても、魔王以上の力を持つ神将ですか······。

 魔王を上回る者が存在する話は聞いたことが、ありますが本当だったとは······。


 魔王の影に隠れて、表舞台にはまず出て来ないような存在が何故、今回はこのようなことを?

 龍人族の神子であるシャルルアさんの話では、神将は魔人族の神ディヴェードを現世に降臨させることを目論んでいたようです。



 ユウさん達の活躍によって、その目論みは阻止されましたが、もし実現していたら、どうなっていたことか。

 今後のことについて龍人族の王様と話したいのですが、龍王様は魔人族との戦いで消耗してしまっているため、療養中のようです。


 龍人族と人族は、今まであまり深い交流をしていませんでしたが、今後のことを考えると、協力関係を築いた方がいいと思います。



 エンジェさんがレイさん達から特級ポーションなどを譲ってもらい、龍王様を叩き起こそうとか、何やら過激なことを言っています。

 エンジェさんは龍王様と面識があるそうですけど、そんなに気安い関係なのでしょうか?



――――――――――!!!!!



 シャルルアさん達と今後の話しをしていた時に突然、大きな地響きが起きました。


 地震?

 この近くには巨大な山があるので、地震が起きても不思議ではないかもしれません。

 ですが、今の地響きは地震というよりも······。



 部屋の外では、龍人族の戦士達が慌ただしくしている音や声が聞こえます。

 やはり何やら非常事態のようです。



「一体何事じゃ!?」


 シャルルアさんが部屋を出て、龍人族の方達に問います。私達も外に出ました。


「侵入者です! 魔人族と思われる二人組が正面門を破り、侵入してきました!」


 戦士の言葉を聞き、シャルルアさんが驚きの表情をうかべました。

 魔人族······撃退したと言っていた魔人族の残党でしょうか?


「二人組じゃと? たった二人で攻めてきたというのか?」

「そのようですが、恐ろしく強いらしく······」


 龍人族は戦闘能力に優れた種族で、一般兵士でもレベル60を超えています。

 中にはレベル100を超える者も何人かいましたし、総隊長のリュガントさんはレベル400を超えていました。

 そんな龍人族の戦士が、恐ろしく強いという相手なのですか?


「セーラ殿、すまぬ。話は後じゃ、妾は戦士達の援護に向かう!」

「わたしも行くわよ、シャルルア!」

「もちろんミリィも行きますよぉ!」


 そう言ってシャルルアさんが出ていき、テリアさんとミリィさんがその後を追いました。


「す、すみません、セーラさん! 私も行ってきます」

「あっ、お待ちください、エレナさん! 相手は得体が知れません、危険ですよ!?」


 リンが止めようとしましたが、エレナさんもシャルルアさん達を追いかけて行ってしまいました。


「リン、私達も行きましょう。このまま放っておくわけにはいきません」

「セーラ様······わかりました。わたしが全力でお守りします!」

「やれやれ、ならばワシもお供するかの」


 私の言葉にリンが頷き、エンジェさんもそれに追従しました。


 しかし、たった二人で攻めて来るとは、魔人族の目的はなんでしょうか?

 神将を討ち倒した勇者、ユウ君の始末?

 それとも消耗しているという、龍王様を討つつもりでしょうか?


 目的がはっきりしませんが、放っておくわけにはいきません。







 城の正面ホールでは激しい戦闘音が響いてきました。何人もの龍人族の戦士達が倒れ伏しています。

 負傷していますが、息はありますね。

 エレナさんが負傷者を癒やしていたので、私も手伝います。


「にししっ! おっちゃん、なかなか強いね!」

「女子供といえど、侵入者は容赦はせぬぞっ!」


 総隊長のリュガントさんが、小さな女の子と激しく打ち合っています。

 リュガントさんはかなりの業物と思われる剛槍、女の子は自身の身体よりも大きなハンマーのような武器です。


 あの女の子が攻めてきた魔人族ですか?

 見た目はシノブさんやスミレさんくらいの年齢に思え、人族にも見えます。

 それに二人組という話でしたが、もう一人の姿が見えません。



 いえ、今は目の前の女の子からなんとかするべきでしょう。

 小さな女の子に見えても、総隊長のリュガントさんと互角に打ち合っています。


 鑑定魔法を使ったら妨害魔法によって弾かれました。私は妨害魔法を遮断して、もう一度鑑定を実行します。



[メリッサ] レベル459

〈体力〉506900/512000

〈力〉41000〈敏捷〉49500〈魔力〉◆●◇◆◇


〈スキル〉

(魔神の加護〈小〉)(身体強化〈極〉)

(◆●◇●●◆)(擬人化)(◇●◆●◆◇)

(防御貫通)(●◆◇◆◇●)



 いくつか読めない部分がありますが、鑑定に成功しました。

 かなり高いステータスを持っています。

 スキルに(魔神の加護)を持っているので、魔人族に間違いなさそうですね。



 魔人族の女の子は無邪気な笑顔をうかべながら、私達に目を向けました。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ