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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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252 呪い

 エンジェの転移魔法で、龍人族の国があるという、新たな大陸にたどり着いたのだが、さっそく異変に巻き込まれたようだ。



 巨大な鳥の魔物と、さらにヤバい気配の存在を見つけた。

 先に鳥の魔物から倒してしまおう。


「待つのじゃ、マスターよ! コヤツは魔物ではない、冥界の霊獣じゃ! 悪しき存在ではないはずじゃ」


 鳥の魔物に攻撃を仕掛けようとしたら、エンジェの待ったがかかった。

 冥界の霊獣?

 確かに、この魔物のスキルに(冥界の神の加護)というのがある。


「クウウルルルッ······」


 鳥の魔物、いや霊獣はオレ達に襲いかかってくる様子はない。

 後ろにいる存在を守ろうとしているように見える。


「霊獣······ですか? 確かに魔物の気配とは違う気がしますが」

「セーラ様、まだ安全とは限りません! お下がりください」


 セーラとリンが警戒しながら霊獣に目を向ける。

 確かに、この鳥の霊獣からは敵意を感じないが、後ろにいる奴は雰囲気がヤバい。

 そもそも冥界の霊獣がなんでここにいるんだ?


「コヤツは人の言葉を理解できるはずじゃ。ワシらに害意がないと判断すれば、襲いかかって来ないじゃろ」


 エンジェの言う通りみたいだな。

 こちらから攻撃しなければ、向こうも攻撃して来ないようだ。



「ウウウッ······アア······」


 だが、後ろにいる奴はなんなんだ?

 邪気に似た黒いモヤに包まれて全容がわからない。

 鳥の霊獣に比べたら小柄で、オレ達と同じくらいの人型のシルエットだが。


「アアアーーッ······!!!」


 黒いモヤから無数の蛇が飛び出してきた。

 蛇はオレ達だけでなく、鳥の霊獣にも襲いかかっていた。敵味方の区別がつかないのか?


 オレは聖剣エルセヴィオで蛇を撃退した。

 セーラやリン、エンジェもそれぞれ蛇を撃退していた。


「クゥアアーーッ!!」


 鳥の霊獣が謎の存在を止めようと動いた。

 だが謎の存在から、とてつもない魔力を秘めた魔法が放たれ、鳥の霊獣を吹き飛ばしてしまう。

 鳥の霊獣は半身が吹き飛び、倒れた。


「大丈夫じゃ。カオスレイヴンは〝闇の不死鳥(ダークフェニックス)〟という異名を持つほどの再生力がある。バラバラに引き裂かれようが死にはしないぞ」


 鳥の霊獣は心配する必要はないということか。

 しかしこの謎の存在、かなりヤバいぞ。

 レベル500を超える鳥の霊獣を、いとも簡単に吹き飛ばした。

 コイツはさらに高レベルだということだ。


「悪しき〝邪〟を祓え······ホーリーブレス!」


 セーラが「聖」魔法を放った。

 謎の存在の周りの黒いモヤが祓われて、姿がハッキリ見えるようになった。


 髪の毛が蛇の形をした小柄な少女だった。

 ······ん? この少女、見覚えがあるぞ。



[ジャネン] レベル873(状態:呪)

〈体力〉25500/143000

〈力〉105000〈敏捷〉82250〈魔力〉94900


〈スキル〉

(冥界の神の祝福)(魔眼)(邪眼)

(千里眼)(身体強化〈極〉)(―――――)

(―――――)(―――――)(邪気吸収)

(龍王の加護〈大〉)



 ジャネン······以前、王都で会った冥界の神の使いを名乗っていた少女だ。

 スキルはいくつか見えないが、以前は見えなかったステータスが見えるようになっている。


 とんでもないステータスだな。

 弱体化していた冥王ならば軽く上回っている。

 そして(状態:呪)と表示されているな······。

 そのせいで、こんな暴走状態になっているのか?


「お、お前······は、以前会った······め、冥王を打ち倒した人間······か······?」


 少女、ジャネンが言葉を発した。

 セーラの「聖」魔法を浴びて正気に戻ったのか?


「······()()()を······殺してくれ。もう······抑えるのが······限界だ。このままだと······」


 再び黒いモヤがジャネンを包んでいく。

 正気に戻ったのは一時的だったようで、また暴走状態になってしまった。


 事情はわからないが、何らかの理由で呪いを受けて、こんなことになっているようだ。

 殺してくれと言われてもな······。


 「聖」属性を受けて正気に戻っていたし、もっと強力な魔法なら完全に呪いを打ち消せないかな?


「ウウッ······ガアアアーーッ!!!」


 また無数の蛇が飛び出てきた。

 この蛇はジャネンの髪の毛だったのか。


「厄介な呪いを受けているようじゃの、これは並の力では打ち消せぬぞ」


 蛇を払いながら、エンジェが言う。

 だが、ここには聖女のセーラがいるし、オレも「聖」魔法を使える。

 悪い子ではないようだし、みすみす死なせたくはない。



「セーラ、あの呪いを祓えるくらいの魔法を使える?」

「ええ、任せてください、レイさん!」

「わたしもサポートしますよ、レイさん、セーラ様!」


 オレ達はジャネンを助けるために動いた。





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