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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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251 新たな大陸の異変

 エンジェの転移魔法の準備が終わり、龍人族の国に向かうことにした。



「ゲンライソウさん、フウゲツさん。それでは、これで失礼します」

「今回の件が無事に片付きましたら、わたし達も迷宮攻略に来ます。その時は、またよろしくお願いします」


 セーラとリンが別れの挨拶をする。


「ええ、あなた達ならいつでも歓迎するわよ」

「今度ゆっくり昔の聖女殿の話を語ろう。リンもその調子で精進するがよい」


 フウゲツさんとゲンライさんが笑顔で応えた。

 ほんの1時間ほどだったが、お互いに良い印象を持てる時間だったようだ。




「くかかっ、それでは出発するかの?」


 転移魔法発動のため、オレ達はエンジェの近くに集まる。

 エンジェを中心に魔法陣が拡がり、そこから放たれた光が、オレ達を包んでいく。


 相変わらずゴージャスなエフェクトだ。

 やはりオレの転移魔法と、エンジェの転移魔法は種類が違うのだろうか?


 光が完全にオレ達を包むと、周囲の景色が変わっていた。










 周囲を見回し状況を確認する。

 見た感じ、どこかの山の中だが。


「ここはトライヒートマウンテンという、山の中腹じゃな。龍人族の国はこの山を降りた、すぐ近くにあるはずじゃ」


 例によって、転移した瞬間を誰かに見られないように人気(ひとけ)のない場所に出たようだ。

 正直、あっという間過ぎて、ここが別大陸だという実感が沸かないが。


 エンジェの話だと、この山は標高20,000mという超巨大山らしい。

 元の世界の一番高い山の倍以上の高さだ。

 さすがは異世界だな。


「ずいぶん暑いですね······」

「大丈夫ですか、セーラ様?」


 セーラが言う。

 リンも少し汗をかいているように見える。

 オレはあまり気にならないが、この辺りは気温が高いようだ。


「この大陸は基本、気温が高めじゃからのう。これでも今日は涼しい方ではないかの」


 エンジェも暑さは気にならないらしい。

 スライムは暑さにも寒さにも強いようだ。



 とりあえずは、龍人族の国を目指すために山を下っていく。

 魔物に何度か襲われたが、レベル20〜30くらいだったので、問題なく蹴散らしていった。


 ファイアバードという炎を纏った鳥や、フレアモンキーという猿の魔物など「炎」系が得意な奴らばかりだ。

 この地域特有の魔物かな?


 まあ、セーラとリンはレベル400を超えているし、エンジェは500を超えている。

 オレはもうすぐレベル1000に届きそうなくらいだし、並の魔物では相手にならない。


 それでも油断は禁物だがな。

 とんでもなく強い魔物が現れることも、ありえなくはない。


 そう思ったのは()()()だったのだろうか?



――――――――――ッッッ!!!



 突然、不自然な地響きが起きた。

 一瞬、この山が噴火でもする前兆かと不安が過ぎったが、そんな感じではない。


「今の地響きは······?」

「セーラ様、お気を付けください」


 セーラとリンが周囲を警戒する。

 オレが先頭になり警戒しながら先を進むと、周囲が禍々しい気配に包まれた。


 邪気? いや、なんとなく違うような······。

 周りの木々や植物が変色して、枯れ果てている。

 明らかに普通じゃない様子だ。


「これは見るからに異常じゃのう······。やはりこの大陸で何か起きているということじゃな」


 エンジェの言う通りだな······。

 女神の神託と無関係とは思えないな。



「クゥアアアーーッ!!!」


 そう警戒していた時、上空より黒い影が舞い降りてきた。全身が黒く光る、巨大な鳥の魔物だ。



[カオスレイヴン] レベル535

〈体力〉555000/555000

〈力〉39400〈敏捷〉69800〈魔力〉36000


〈スキル〉

(冥界の神の加護〈中〉)(全属性耐性〈大〉)

(無限再生)(身体強化〈極〉)(呪詛)

(邪気吸収)



 強い······レベル500を超えている。

 いくらなんでも、場違いすぎるだろう?

 この辺りの魔物はレベル20〜30くらいの奴らしかいなかったのに、文字通り桁違いだ。


 この周囲の異常はコイツの仕業か?



(呪詛)

通常攻撃に呪詛を付与する。

呪詛を受けた対象はあらゆる状態異常に襲われる。



 それっぽいスキルを持っているな。

 この禍々しい雰囲気はこれの効果か?


「セーラ様、お下がりください! この魔物は危険です!」


 リンが大剣を構えて臨戦態勢に入る。

 確かに、リンとセーラのステータスでは危険な相手だ。ほぼ同レベルのエンジェと互角くらいかな。


「む、この魔物······いや、魔物ではない。コヤツは·······」


 エンジェが魔物を見て何かつぶやいているが、それどころではない。

 手加減なしで、さっさと倒した方がよさそうだ。




「······ウ······アアア······ッ!!!」


 なんだ?

 よく見たら鳥の魔物の後ろに、さらにヤバい気配の奴がいる。



 そいつが邪気に似た、禍々しい力を撒き散らしている。鳥の魔物ではなく、こっちが元凶なのか?






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