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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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248 騒動終わって

 ミウに正式な加護がついた。

 あの後、スミレとミールだけでなく、シノブ達も乱入してきて、結局全員が男湯に集合してしまった。


 かなりカオスな空間になっていたが、なんとかその場を収めて、脱出することができた。

 今は全員服を着て、温泉施設内の休憩室で休んでいる。


「レ、レレ······レイさんー······さ、さっきはその、失礼しましたー······!」


 ミウが顔を真っ赤にして頭を下げた。

 オレも少し気まずい······。

 今、顔を見るとミウの()()()()を思い出してしまう。


「ミウネーレさんなら、ワタシからは文句はないですよ。それにしても()()()()()正式な加護を得られるんですね」


 ミールが横からそう言った。

 ミールはもともと、ミウに加護を与えることは賛成していたっけ。


「て、手だけでって······ミルさんは一体何をしたんですかー······?」

「ワタシの場合は口を使って······――――――」


 ミウの問いにミールが淡々と答えた。

 ミールの言葉を聞くたびに、ミウの顔が爆発しそうなくらいに真っ赤になっていった。

 ミウの横では、エイミも同じような表情で聞いていた。


 ············オレも聞いていて恥ずかしすぎるので、そっとこの場を離れた。




 向こうではシノブ、スミレ、ユーリ、そしてキリシェさんが仲良く談笑している。


「しかし······よかったのでござるか? 男性用の方に大勢で押し掛けてしまって。里のルールに反しているのでは?」

「······大丈夫、里の代表としてボクが許可した」

「い、いいんですか······それで?」


 確かにこの場にいる幻獣人族はスミレだけだけど、そんな勝手に許可していいのかな?

 ユーリも呆れたような反応だ。


「うふふ、ユーリ君だってシノブちゃんが来たら、結構嬉しそうな反応だったじゃない〜?」

「そ、それはその······驚いたというか······」

「二人はどこまで進んでいるのかな〜? お姉さんに教えてくれないかしら〜」


 マイペースなキリシェさんに、ユーリはたじたじだな。オレもシノブとユーリがどこまで進んでいるのか気になるが、今はそれを聞いているような、精神的な余裕はない。


 温泉に入って疲れを取るつもりだったのに、疲れが上乗せされた気がする。



 その後、クラントールから戻ってきたアイラ姉とグレンダさんに、露天風呂での騒動を知られてしまい、状況説明をして、納得してもらうのに苦労したと追記しておく。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 クラントールの復旧作業は順調のようで特に心配はいらないとのことだ。

 ディリーとアトリ達もうまくやっているようだ。


 ただ、幻獣人族の里の騒動で結界が弱まった影響でクラントールからも神樹の姿が目撃されたという話が広まっていたらしい。

 オレが神樹に魔力を送って、神樹の生命力を復活させた辺りでクラントールからは見えなくなったそうだが。


 魔物騒動の後始末で忙しいようなので、あまり重要視している様子ではなかったようだからまあそこまで心配はいらないだろうとのこと。


 それを聞いてフウゲツさん達も結界強化の儀式の準備を急いでいた。



 グレンダさんは王都での仕事があるため、アイラ姉が転移魔法で送っていった。

 ミウ、ユーリ、キリシェさんは、しばらくはオレ達のように幻獣人族の長の屋敷に泊まることになった。


 学園再開ももう少しかかるみたいだし神樹の迷宮攻略はじっくり進めることにした。

 100階層までは行けるようになったし、迷宮ショートカットもまだあるかもしれない。

 思ってたよりも早く完全攻略できるかもしれないな。



 温泉ではあんなことがあったため、ミウとはしばらく顔を合わせづらいかと思っていたけど夕食の頃には普通に話せるくらいになっていた。

 むしろ色々吹っ切れたのかミウの行動が少し大胆になっていた気がするけど。


 ミール達と何か色々話していたようだけど詳しくはわからない。

 まあ気まずくなるよりはいいと納得しておこう。




 今日は本当に濃い一日だった。

 長のゲンライさんの屋敷で割り当てられた自室で寝る準備をしている。

 ちなみにオレは一人部屋だが、シノブとスミレ、エイミとミール、ミウとユーリ、アイラ姉とキリシェさんは同室になっている。

 アイラ姉も昨日までは一人部屋だったのだが今日からはキリシェさんと一緒だ。

 ············大丈夫なのかな?



 まあ余計な心配してないで早く寝ることにしよう。

 そう思っていた所で目の前に突然メニュー画面が勝手に開いた。


 新たに〈神託〉という項目が増えていて、文字が点滅している。

 (女神の導き)の効果だろうか?

 神託というと夢の中で女神が降臨したり、頭の中で念話のように声が聞こえたりするのを想像していたのだが、まさかこんな新着メールみたいな感じだとは······。


 聖女の神託もこんなんなのだろうか?

 まあそんなことはいいか。

 それよりもクリックして内容を確認してみよう。


 そうして表示された内容は······。



〈魂の消滅の危機にある小さき勇者の卵を救ってほしい〉



 という内容だった。

 魂の消滅の危機······なんだか穏やかじゃないな。





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