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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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244 迷宮調査一時終了

 神樹の迷宮100階層のボスである、3体の大樹の魔物ルナティック·プラントに囲まれてしまった。

 それぞれがレベル400前後の強敵だ。

 ボス級の魔物が3体同時に出てくるなんて反則だろ。


 いや、3体だけとは限らない。

 4体目、5体目が現れる可能性もある。


 転移魔法で脱出することも考えたが、この場を逃げられたとしても、次にここに来た時に、コイツらがどうなっているかわからない。

 成長し続けて、手に負えないくらいに強くなってしまう可能性がある。


 今ならまだ、対処は充分可能なレベルだ。




「「「ガアアアッ!!!」」」


 3体の魔物が、一斉に枝や根を伸ばしてきた。

 防御魔法を全開で張り、なんとか防ぐ。

 ミウとキリシェさんが魔法で反撃するが、やはり半端な攻撃では効果は薄い。


 ん? 魔物同士の枝や根が絡まり、なんだかモタついているみたいだ。


 どうやらコイツらは、それぞれが好き勝手に動いてるだけで、仲間との連携とかはしないみたいだな。

 むしろ、足を引っ張り合っている気がする。


 まあ、こちらとしては好都合だ。

 一気に決めてしまおう。


「アブソルティ·サンクチュアリ!!!」


 オレは「聖」属性の最上級魔法を使った。

 この大部屋全体に「聖」なる力が拡がっていく。


 これは(女神の祝福〈仮〉)のスキルを手に入れてから使えるようになった魔法だ。

 目に見える範囲すべてが「聖」なる聖域(フィールド)と化す大魔法だ。


 弱い魔物ならそのまま消滅してしまうし、ある程度強い魔物も大幅に弱体化し、スキルも封じられる。

 効果は10分程で切れてしまうが、充分すぎるくらいだ。

 消費魔力が大きいのが欠点だが、オレの魔力は20万を超えているので、大した問題ではない。


「「「ガ······アアア······」」」


 ルナティック·プラント達の動きが、目に見えて鈍くなっていた。

 月の光を浴びて成長することもなく、体力が徐々に低下している。



 オレは聖剣エルセヴィオで、一番レベルの高いヤツを斬り裂いた。

 再生することもなく、悲鳴のような叫びをあげている。


「アルティメット·スコ〜ル!!!」

「バーニングテンペストー!!!」


 キリシェさんとミウも別の2体を攻撃した。

 キリシェさんは弓矢による間髪入れない連続攻撃、ミウは「炎」と「風」の複合魔法でそれぞれ攻撃した。


 スキルを封じてしまえば、もはや脅威じゃないな。



――――――――!!!!!



「「「ギュオオアアーーッ!!?」」」


 「聖」なる場の効果によって3体の魔物達が叫び声をあげて消滅していく。

 ルナティック·プラント達は、光の粒子となって消えていった。



〈レベルが上がりました。各種ステータスが上がります〉



 お、レベルアップしたな。

 ミウとキリシェさんもレベルアップしていた。

 アイラ姉とシノブがいないので、オレの(獲得経験値10倍)の効果しかないのが少し惜しかったかな。


 まあ、それよりも周囲の確認だ。

 どうやら、あの大樹の魔物は3体で打ち止めみたいだな。魔物の反応はもうないし、上へ続く道が拓けていた。



「ボスを倒せたみたいだし、一度戻ろうか?」

「はいー、さすがに少し疲れましたよー」

「うふふ〜、手応えのある魔物だったわね〜」


 オレの言葉に頷く二人。

 ミウは確かに疲れていそうだけど、キリシェさんはまだまだ余裕に見える。

 


 オレ達は転移魔法を使って迷宮から脱出した。









 迷宮から出たオレ達は、長の屋敷まで戻って、100階層まで進んだことをゲンライさんとフウゲツさんに報告した。


 あのルナティック·プラントとかいう魔物は、フウゲツさん達も知っているようなヤツだったらしく、迷宮にそんな魔物が現れたことに驚いていた。

 それなりに有名な魔物だったのかな?



 簡単に報告を済ませたオレ達は、そのまま解散の流れになった。

 結構疲れた感じがするし、里の露天風呂に入りに行こうかな。


「アイラとレイ君が学園に作ったお風呂とはまた違うのよね〜? 私も入ってみたいわ〜」

「あたしも行きたいですー!」


 里の露天風呂のことを話したら、二人がそう言った。自由に入っていいということだし、二人を案内することにした。





 露天風呂の建物まで行くとエイミとミール、シノブにスミレ、ユーリの姿があった。

 ちょうど里の中を見て回って、最後に入りに来たらしい。

 ちなみにユヅキもさっきまでは一緒にいたらしいが、案内を終えて帰ったとのこと。


「レイさん達も迷宮調査は終わったのですか?」

「ああ、少し疲れたから汗を流そうと思ってきたんだけど」


 ミールの言葉に簡単に答えた。


「アイラ姉とグレンダさんは?」


 二人の姿が見えない。

 まだ里を回っているのだろうか。


「兄さんとアイラさんなら、クラントールという町の様子を見るといって出て行きましたよ」


 ユーリがそう答えた。

 どうやらグレンダさんは幻獣人族の里だけでなく、近くの町の様子も気になったようだ。

 それにアイラ姉が付き合ったってことか。


 クラントールも幻獣人の里同様に魔物に襲われていたが、人的被害はなく、ディリーとアトリ達に復興を手伝わせているので、特に問題はないはずだ。



 けど転移魔法で移動しているからあまり実感がないが、ここはグレンダさん達が住む王都とは別の国なんだよな。

 別の国の情勢とかが気になっても仕方無いか。



 まあ、それよりも今は汗を流そう。

 ミウ達の案内はミール達に任せて、オレはユーリと二人で男湯に向かった。




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