表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
315/736

242 階層ショートカット再び

 オレとミウとキリシェさんの三人で、神樹の迷宮の攻略を始めた。

 まずは転移魔法で40階層までやってきた。

 ちなみに、このフロアにはレベル120のでかい蟷螂(かまきり)の魔物がいたが、特に大した敵ではなかった。




 41階層から現れる魔物も、蟲系のヤツらばかりだった。レベルは40〜60くらいで、そこまで脅威ではないが、ミウがそいつらを見て悲鳴をあげていた。


 まあ、人間サイズの虫はオレでも気持ち悪いと思うし、当然の反応かな。

 よほど怖かったようで、思わずオレに抱きついてきたくらいだ。

 思わぬ役得だった。


 キリシェさんは、いつも通りの表情で全然動じていなかったが。

 まあ、慌てふためくキリシェさんを想像出来ないが······。



 それにしても、学園地下迷宮なら40階層辺りはレベル100超えの魔物ばかりだったが、神樹の迷宮はそれほどでもないな。

 まあ、強いのがウヨウヨ出て来ても困るからいいんだけど。





 そうして何事もなく、45階層まで進んできた。


「うー、ゾンビも気味悪かったんですけど、蟲系も同じくらい気持ち悪いですー」


 ミウがそんなことをボヤいていた。

 虫ばかりの迷宮は、女の子には精神的にキツそうだし、一度引き返した方がいいかな?


「いえいえ、大丈夫ですよー。そろそろ慣れてきましたからー! 足を引っ張るようなことはしませんよー」


 そう思ったのだが、ミウは首を横に振った。

 無理してないかな?


「キリシェさんは大丈夫なの?」

「ふふ、私は虫には慣れてるから大丈夫よ〜」


 キリシェさんは虫などは平気らしい。

 キリシェさんって苦手なものはあるのだろうか?


 まあ、二人とも大丈夫と言っているし先に進むとしよう。



 学園地下迷宮に比べればフロアはそこまで広くないので、あまり時間をかけずに先に進める。

 ただ、目ぼしい宝とかはあまりないな。

 一応、いくつか宝箱を見つけたが、大した物は入ってなかった。


 貴重なものは、隠し部屋とかにあるかな?

 そう思っていたところで、隠し通路っぽいのを見つけた。

 MAPを確認すると、この先に大部屋があるのだが、木の枝が複雑に絡まり合い、道を閉ざしていた。

 パッと見では気付けないようになっている。


「この先に隠し部屋があるみたいだけど、どうしようか?」


 二人に隠し通路のことを話して、どうするべきか聞いてみた。隠し部屋となると、何があるかわからない。

 MAPと探知魔法では、部屋の詳しい様子はわからないんだよな。


「行ってみましょう、レイさんー! 隠し部屋なら、きっと何かありますよー」

「うふふ、私も賛成よ〜」


 ミウもキリシェさんも行ってみたいようだ。

 二人ともレベル400を超えているし、よほどのことがない限りは大丈夫だと思うが。

 まあ、危険なようだったら転移魔法で脱出すればいいか。



 というわけで、進んでみることにした。

 道を閉ざしている枝は、聖剣エルセヴィオを使って斬り裂いた。




 オレが先頭になって隠し通路を慎重に進んでいく。魔物の気配はないな。

 何事もなく、大部屋までたどり着いた。


 ボスが出て来そうな大部屋だが、ここにも魔物の気配はない。部屋の中央に大きな岩があるだけだ。

 岩には何か文字が刻まれている。

 石碑というやつかな?



《汝の力を示せ。力ある者ならば道が拓かれるだろう》



 こんな文字が刻まれていた。

 力を示せって、どうすればいいんだ?


「魔力を流せばいいみたいですねー。魔道具に似たような作りの物がありますよー」


 ミウが言う。

 力を示せって、つまり魔力を注いで、この石碑を満たせってことか?


「じゃあ、さっそくやってみましょう〜」

「待ってキリシェさん、オレがやってみるよ」


 石碑に手を当てようとしたキリシェさんを止める。何が起きるかわからないから、ここは慎重に行こう。

 罠の可能性だってあるからな。

 

 二人を少し下がらせて、オレは石碑に魔力を流した。前に神樹に魔力を送ったみたいにやればいいかな?


 ある程度魔力を流したら、石碑が光り出した。

 どうやら満たせたらしい。

 今のオレの魔力量なら、まったく問題なかった。

 ミウやキリシェさんの魔力量でも余裕で満たせただろう。



 石碑が光り出すと、床から木の芽が飛び出し、みるみる成長していった。

 天井が木の成長を妨げないように開き、見上げてもてっぺんが見えないくらいになった。

 木の幹には枝が螺旋状に出て、足場になっている。


 もしかしてこれは、上に登って行ける······つまりは階層ショートカットか?

 力ある者は道が拓かれるって、近道ができるってことかよ。


「これを登って行けばいいんですねー。ひょっとして、迷宮の最奥まで続いてるんですかー?」

「いや、MAPを見る限りだと100階層までみたいだよ」


 それでも充分なショートカットだけど。

 しかし45階層から一気に100階層か······。

 このまま進んで大丈夫かな?


「せっかくだから行ってみましょう〜。今の私達なら、きっと大丈夫よ〜」


 キリシェさんが言う。

 ちょっと楽観的すぎる気がするが······。

 まあ、最終的にはこの迷宮を完全攻略することになるだろうし、様子を見るくらいならいいかな。

 ミウも先に進みたがっているし、登ってみることにした。



 足場になっている枝はかなり頑丈で、乗ってもビクともしない。

 オレ達は上を目指して進んでいった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ