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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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239 神級鍛冶師ガルナン

 鉱山の町ラズスをある程度見て回ったので目的のドルフさんのお師匠さんに会いに行くことにしよう。

 どこに住んでいるとかは聞いてなかったな。

 この町にも武具工房があるみたいだしそこにいるのかな?


「工房なら向こうの通りでありますよ」


 以前来たことがあるらしいのでルナシェアに案内を頼んだ。

 しばらく歩くと鍛冶屋が建ち並ぶ地区に着いた。

 一軒だけじゃなく何軒もの鍛冶屋の建物がある。

 思ってたよりも大規模だな。

 鉱山があり、採れたての鉱石が手に入るから鍛冶屋も集まるのかな。


 ドルフさんのお師匠さんはどこだろうか。


「そちらがドワーフ工房の建物でありますね。小生も以前に利用したことがあるであります」


 鍛冶職人はドワーフだけでなく他の種族もいるようだ。まあそりゃあそうか。

 とはいえドワーフの鍛冶の腕は他種族よりも抜きん出ているので高レベルの騎士や冒険者向けらしい。

 他が一般向けって感じかな。


 ドルフさんのお師匠さんはドワーフ工房にいるかな? ちょっと建物の中を覗いてみた。


「テメエらぁ! もっと気合いを入れて叩きやがれっ!!」

「「「うっす!!」」」


 中はまるで戦場のように武具を打つ音とドワーフ職人達の声が響いていた。

 まあドルフさんの所も似たような感じだったかな。


「うわあ〜、気合い入ってるっすね」


 ノギナも鍛冶をしている時は結構熱くなっているけどな。


「おい、あいつドルフんとこのノギナじゃねえか?」

「お、本当だ。でかくなったな」


 入口のオレ達に気付いてドワーフの職人達がこちらに目を向ける。

 ノギナを知っている人が何人かいるみたいだ。


「どうもお久しぶりっす。何年ぶりっすかね〜。

親方······ドルフ親方のお師匠さんを訪ねに来たんすけど」


 顔見知りらしい人達に挨拶するノギナ。

 ドワーフの人達は豪快に笑いながらノギナの頭を撫でている。


「あん? 俺にか? 何の用だ?」


 さっきドワーフ職人達に大声で指示を出していた人が前に出てきた。

 ドルフさんよりも少し年上くらいのドワーフだ。


「どうもっす。ドルフの娘のノギナっす」

「あの青二才のドルフの娘か? 親父に似ずに可愛らしい娘じゃねえか。俺はガルナン。ドルフの奴には一通りの知識を叩き込んでやった仲だ。それで俺に何の用だ?」

「とりあえず親方の紹介状を持ってきたので読んでほしいっす」


 ノギナがドルフさんに書いてもらった紹介状を渡した。多分オレ達のことが色々書いてあるはずだ。


 しかしドルフさんを青二才か······。

 確かにこの人のスキルに(神級鍛冶〈レベル7〉)というのがある。

 (神級鍛冶)のスキルは(鍛冶)スキルがカンストして進化するものだと聞いた覚えがある。

 ドルフさんでもまだ(鍛冶)スキルはカンストしていない。


「ほう······お前さんらがねえ。ドルフの奴がずいぶん推してやがるな」


 紹介状を読み終えたらしいガルナンさんがオレ達を見定めるように視線を向けてきた。


「で、打ち直してほしい武器ってのはどれだ?」

「············これ」


 スミレが大地の精霊剣を差し出した。

 ガルナンさんはそれを手に取りジックリと観察する。


「かなりの業物だな。これをおめえみたいな子供が使ってるのか?」


 ガルナンさんの言葉にスミレは無言で頷いた。

 まあスミレは見た目はただの子供だしな。

 不思議に思うのも無理はないかな。


「まあ確かにただの子供じゃないみたいだな。それで、必要な素材はお前が持ってると書いてあったが?」


 おっと、ガルナンさんの目がこっちに向いた。

 ドルフさんは紹介状に何て書いたのかな?

 とりあえずは必要になりそうな素材を出しておくか。


 (リメラの宝玉)に(オリハルコン)についでに(ヒヒイロカネ)なども少々。

 あと霊獣の素材にルナシェアから受け取ったフェルの牙も追加した。



「霊獣の素材にオリハルコンだと!? 他にも希少な素材ばかりじゃねえか!」


 ガルナンさんが目を見開いて驚いている。

 他のドワーフ職人達も集まって騒ぎ出した。

 忘れかけていたけどオリハルコンとかって普通はそう簡単には手に入らない素材だったっけ。

 オレの魔力は有り余ってるから今ではほぼ無制限に出せるんだが。


「こんな希少な素材を一体どこで······」

「それよりもスミレの剣を直してほしいんだけど引き受けてもらえるんですか?」


 さすがにスキルのことを話す気はない。

 オレは話を戻してガルナンさんに問う。

 結構忙しそうにしていたし引き受けてもらえないかな?


「ふっ、うわはははっ! いいぜ、こんな希少な素材を大量に用意されちゃあ受けないわけにはいかねえ。久方ぶりに腕が鳴るぜ! 俺が打てる最高の剣を作ってやらあ!」


 その心配は杞憂だったようだ。

 ガルナンさんは豪快に笑いながら引き受けてくれた。



 (神級鍛冶)のスキルで大地の精霊剣がどれだけ強化されるか楽しみだ。

 ルナシェアも可能ならば自分にも剣を打ってほしいとガルナンさんに頼んでいた。



 それならオレもお願いしたいが············さすがに図々しすぎるかな?





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