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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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237 王都観光

 ドルフさんのお師匠がいるという鉱山の町ラズスに向かうためにまずは王都まで転移してきた。

 オレとスミレ、そしてノギナの三人でだ。


「うわあ〜、ここが王都っすか? アルネージュよりも賑やかっすね」

「ノギナってアルネージュから出たことないの?」

「そういうわけじゃないっすけど王都は初めてっす」


 まあ王都は本来ならアルネージュから馬車で数日はかかる距離だ。

 気軽に来れる所じゃないか。

 本当に転移魔法って便利だな。



 ノギナが王都を観光したがったので適当に見て回ることにした。

 目的は王都じゃないんだが別に急ぎでもないしいいか。

 オレもまだ王都を全部見て回ったわけじゃないし。スミレも特に不満はなさそうだ。



――――――ぐう〜〜〜っ


 王都の町並みを見て回っていたら低い唸りが聞こえてきた。


「············お腹空いた」


 どうやらスミレのお腹の音だったみたいだ。

 確かにそろそろ昼近い時間帯だな。

 オレは少し遅めの朝食だったからあまりお腹は減っていないのだが。


 近くの定食屋に入り、それぞれ昼食を注文する。

 オレは軽い物で済ませたがノギナとスミレはガッツリ注文していた。

 ノギナもスミレ程じゃないけど結構大食いみたいだな。


「ノギナもお腹空いてたの?」

「それもあるっすけどいつも食べれる時にガッツリ食べるっす。鍛冶をやってると食べる時間が取れないことも多いっすから」


 ああ、そういうこともあるのか。

 まあ職業柄仕方無いのかな?

 スミレはそういうの関係なくいつもお腹を空かせているが。






「ガウウッ!!」


 昼食を終え、王都観光を再開しようとしたら巨大な狼の魔物がオレに襲いかかってきた。

 なんで町中(まちなか)に魔物が!?


 咄嗟に反撃しようとしたが、何かこの魔物見覚えがあるような······?


「クゥーン、クゥーン······」


 オレに噛み付いてくるかと思ったら甘い声を出して顔を舐めてきた。

 もしかしてコイツ······。


「フェル! 突然走り出してどうしたでありま············あれ、レイ殿?」


 魔物の後ろから現れたのは聖女ルナシェアだった。学生服でも神殿騎士の鎧姿でもなく私服姿だ。

 ということはやはりこの狼は霊獣の子供か?

 少し見ない間にずいぶん大きくなったな。

 大人数人は背中に乗せられるサイズだ。


 霊獣の子供は普段はエンジェが面倒を見ていたのだが今は幻獣人族の里にいるからな。

 代わりにルナシェアが世話をしているようだ。



 ちなみにフェルと名付けたのはルナシェアだ。

 霊獣フェンリルだからフェル······まあネーミングセンスに関してはオレも人のことを言えないので突っ込むつもりはない。

 学園の同じクラスにフェルケンというエルフの生徒がいて名前が被ってる気はするが。


「ルナシェアは本殿での仕事はいいの?」

「今一段落ついて息抜き中なのであります。セーラ殿とアルケミア殿はまだ忙しくしているでありますが」


 まだ本殿は冥王の後始末などやることが多いらしい。王城のロディンやリイネさんもまだ忙しいのかな?


「可愛い犬っすね。飼い主の方はレイさんの知り合いっすか?」


 ノギナとスミレが霊獣の子供を撫でていた。

 犬ってサイズじゃないと思うが。


「ああ、ノギナは初めてだったな。彼女はルナシェアだよ。聖女様って言った方がわかりやすいかな」


 ノギナにルナシェアを紹介する。


「レイ殿、小生(しょうせい)はルナと紹介してほしいであります。聖女ということも内緒でありますよ」


 そういえばそんな設定があったっけ。

 もう遅いけど。

 そもそもルナシェアが聖女だということは他の人にも内緒に出来てないが。


「え······聖女ルナシェア様っすか······?」


 ルナシェアの素性を知ってノギナが驚いている。

 ルナシェアにもノギナを紹介した。


「ほほう、スミレ殿の武器を強化するためにラズスを目指しているわけでありますか。スミレ殿のレベルがずいぶん上がっているでありますがそれと関係あるでありますな?」

「ああ、スミレの故郷まで行っていたんだよ」


 ルナシェアに幻獣人族の里でのことを簡単に説明した。ついでに迷宮も出現したことも。


「確かに小生も一緒に迷宮攻略をしたいであります! ······ただ今は忙しくまだ本殿を離れられないでありますが」


 まあ忙しいんじゃしょうがないよな。

 別に急ぎでもないし手が空いた時に誘えばいいか。神樹の迷宮は300階層もあるし攻略に時間がかかるだろうからな。


「けど今日は先程言ったように一段落ついたので付き合えるであります! 鉱山の町ラズスに向かうのなら送るでありますよ。以前行ったことあるので道はわかるであります」


 付き合ってくれるのはいいけど聖女のルナシェアが護衛無しで行動していいのかな?

 まあルナシェアなら今更な気はするけど。

 それに送るってどうするつもりかな。

 馬車でも用意してくれるのだろうか?


「フェルに乗って行けばあっという間でありますよ。散歩に丁度良いでありますし一石二鳥であります」


 ルナシェアが言うにはフェルは馬よりも速く走れるらしい。

 モフモフの狼に乗って風を切って走る、か。

 気持ちよさそうだな。



 というわけで鉱山の町までルナシェアと霊獣の子供が同行することになった。





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