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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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231 神樹の実の副作用?

(ミールside)


 今日はワタシ達は結界強化の儀式を行うための準備の手伝いをしています。

 神樹に出現した迷宮はレイさんとアイラさん、そしてユヅキさんの三人だけで様子を見に行くそうです。


 本当はワタシも行きたかったのですが、迷宮では何が起こるかわからないのでまずは少人数での調査を行うとのことです。


 レイさんとアイラさんなら転移魔法を使えるので迷宮からはいつでも脱出できます。

 様子を見に行くのならうってつけでしょう。

 幻獣人族の里の問題なので部外者だけに任せるのは心苦しいということでユヅキさんも一緒に行きました。



 転移魔法······レイさんの話だと魔力が1万を超えたら使えるようになったそうです。

 ワタシのレベルはすでに500を超え、魔力もとっくに1万を超えています。

 ですが転移魔法を使うことはできません。

 何か他にも条件があるのでしょうか?



 まあ、それよりも居残りのワタシ達は今フウゲツさんの手伝いで神樹の前まで来ています。

 エンジェさんは長達と一緒に他の準備をしているため別行動です。

 この場にいるのはワタシと姉さん、シノブさんにスミレさん、そしてフウゲツさんです。


 迷宮に入るわけじゃありませんよ。

 儀式に使う神樹の実を取りに来たんです。

 レイさんが魔力を与えたことで神樹は生命力に溢れ、たくさんの実が(みの)りましたから。


 神樹の周囲は幻獣人族でも限られた人しか来てはいけないらしいのですが、ワタシ達が来てもいいのでしょうか?



「私が許可するから大丈夫よ。あなた達は里を守るために戦ってくれたんだし今更よ。獣神様からも特に指摘はないしね」


 そう思って聞いたらフウゲツさんが笑いながら言いました。

 長に次ぐ発言力のあるフウゲツさんがそう言うならワタシが気にする必要はないでしょう。


 それにしても獣神様ですか······。

 ワタシは詳しくは知りませんがこの世界には五柱の神が存在するそうです。

 ワタシが知っているのは女神リヴィア様くらいですが、その女神様と同等の存在みたいです。


 そんな獣神から最大限の加護を受けているということはフウゲツさんって思った以上にすごい人なんじゃないですか?





「見える範囲の実は回収できたでござるよ」


 シノブさんが言ったように大体の神樹の実を回収しました。

 もっと上の方にもありそうですけどさすがに高い所にあり回収が困難です。


 すでに籠5つ分の実を回収できているので充分でしょう。

 神樹の実は1つ1つが大きく籠に大体10個くらい入っています。


 前にスミレさんが籠3つ分を一人で全部食べたとか言っていましたがワタシなら実を1つ食べ切るのも無理そうです。

 スミレさんのお腹の中はどうなっているのでしょうか?


「··················」

「スミレちゃん、また全部食べちゃ駄目よ?」

「············わかってる」


 フウゲツさんに釘を刺されていますがスミレさんは神樹の実に目が行っています。

 あの様子だとつまみ食いしそうですね。

 フウゲツさんもそう思ったのか、ため息をついて妥協しました。


「わかったわ、少しくらいなら食べていいわよ。

シノブちゃん達も食べてみる?」

「いいのでござるか?」

「スミレちゃんだけだと不公平だからね」


 フウゲツさんはワタシ達も食べていいと許可をくれました。

 正直興味があったんですよね。

 食べていいのなら食べてみたいです。






 神樹の実を回収したワタシ達は長の屋敷まで戻って来ました。

 さっそくフウゲツさんが切り分けた神樹の実を出してくれました。

 神樹の実は赤や青などカラフルな色をしていましたが中身は白っぽい共通の色ですね。


「おおっ、濃厚な味わいで美味しいでござるな」

「······ん、なかなか」


 シノブさんとスミレさんが食べた感想をそれぞれ言います。ワタシも一口いただきましょう。


 美味しいですね。

 シノブさんの言う通り濃厚な味わいが口の中に広まります。

 レイさん達が作った果実に引けを取らない美味しさです。


 それに魔力も含んでいるようで食べたら身体全体に力が溢れるようです。

 結界強化の儀式には多くの魔力が必要らしいので神樹の実はその魔力を補充するためでしょうか?

 身体中に魔力が溢れてきてなんだがポカポカしてきました。



 ······そういえば神樹の実を食べてから姉さんがやけに静かですね。


「姉さん、どうかしたんですか? 言葉を失うほど美味しかっ······」

「にゅ〜······ミールぅ······なんだか気持ち良くなってきたよ〜」


 顔を赤らめた姉さんがいきなり抱きついてきました。どう見ても様子がおかしいです。


「ミール〜、ミール······きゃははははっ」


 ワタシの名を呼んだかと思うと突然笑い出しました。こんな姉さんを見るのは初めてです。


「もしかしてエイミ殿、酔っているでござるか?」


 多分シノブさんの言う通りだと思います。

 ですかどうして······もしかして神樹の実を食べたからですか?


「お、おかしいわね······神樹の実にそんな効果はなかったはずだけど」


 フウゲツさんが首を傾げています。

 姉さん以外は特に問題なさそうです。

 ワタシも少し頭がボーッとしていますが酔ったりはしていません。



 ですが姉さんはかなりキテますね。

 これは······どうすればいいんでしょうか?






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