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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第四章 スミレの故郷 幻獣人族の里
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225 封印獣討伐

 さて、さっさとコイツを倒してしまおう。

 残る魔物はコイツだけみたいだしな。


 魔獣リュベネイタル。

 レベル700超えのかなり高いステータスを持った魔物だ。

 だが冥王との戦いでレベルアップしたオレ達の方が上回っている。



 問題は奴のスキルの(物理無効)と(魔法無効)をどうやって突破するかだな。

 シノブの(スキルスティール)は妨害スキルで効果を打ち消されて失敗したらしい。


「――――――ッ!!!」


 魔獣リュベネイタルが巨大な腕を振り下ろしてきた。オレ達はそれぞれ回避した。


「まずは小手調べだ。百花繚乱············

桜花無双撃!!!」


 アイラ姉が奥義でリュベネイタルを斬り刻む。

 だがリュベネイタルには傷一つついていない。

 攻撃が当たってないわけではないようだが霧を斬っているみたいに手応えがないといった感じのようだ。


「ホーリーリュオーラ!!」


 オレは「聖」属性の最上級魔法を放った。

 冥王以外のゾンビはこれに耐えられなかったのだがやはり効果はないようだ。


 「聖」属性は駄目か······ならいっそ「闇」属性も試してみるか。

 案外効きそうにない「闇」属性が弱点ということも有り得る。


「ダークフォース!!」


 オレは「闇」属性の最上級魔法を放った。

 冥王も使ってきた高威力の魔法だ。

 だがそれすらもリュベネイタルに届くことなく無効化された。

 やはりそんな単純ではないか。


「さすがは先代勇者も手を焼いた魔物じゃ。一筋縄ではいかぬのう」


 エンジェも様々な属性魔法を撃つがやはりすべて無効化されている。

 本当に何も効かないのか?


 いや、そういえば何かのゲームにこんな魔物がいたな。攻略不能の無敵の魔物と言われていたヤツが。

 確かそいつの攻略法は············。


「――――――ッ!!!」


 リュベネイタルが唸り声をあげて巨大な腕で攻撃してきた。

 コイツの声は耳に響くな······。

 オレは聖剣で奴の腕を弾いた。


「フム、本当にこちらの攻撃は通用しないようだな」

「アイラ姉、ちょっと考えがあるんだ。オレの攻撃に合わせてほしい」


 ゲームの魔物のような攻略法が通じればいいが。

 まあ駄目なら他の方法を見つければいい。


「エンジェは奴の注意を惹き付けてくれ」

「くかかっ、さすがはマスターじゃの。もうヤツを倒す術を見つけたとは」


 まだ通用するかはわからないけどな。

 試してみる価値はあるだろう。

 オレの言葉を受けてエンジェが囮になってリュベネイタルの前に出る。


 オレとアイラ姉は左右に分かれてリュベネイタルの背後に回った。


「―――――――ッ!!!」

「くかかっ、ほれっ、こっちじゃこっちじゃ」


 上手い感じに注意を惹き付けてくれている。

 その隙にオレが合図を出してアイラ姉と同時に動いた。


「ホーリーブレス!!」

「閃空追真斬っ!!」


 オレが「聖」魔法、アイラ姉が剣技を同時に放った。

 オレとアイラ姉の攻撃が()()()命中した。


「―――――――ッッ!!?」


 リュベネイタルの身体が僅かに砕けダメージが入った。やはり思った通りか。

 オレの魔法攻撃は無効化されたがアイラ姉の斬撃はそのまま通ったようだ。


 コイツの(物理無効)と(魔法無効)は()()()()()()()()()

 物理攻撃と魔法攻撃を同時にぶつければ、片方はダメージが通るということだ。

 昔やったゲームにそんな魔物がいたが同じ攻略法でいけるみたいだな。


「―――――ッ!? ―――――ッッ!?」


 与えたダメージはそれほど大きくはないが明らかに動揺しているな。

 無効スキルを持っていたために今まで傷つけられたことはないから打たれ弱いのかもしれない。


「なるほど、そういうことか」


 アイラ姉もヤツの攻略法に気付いたようだ。

 オレ達は無言で頷き合いリュベネイタルに追撃をかけた。


「サンダーブレード!!」

「光破連鳴撃っ!!」


「――――――――ッッ!!?」


 今度はオレの「雷」魔法のダメージが通ったようだ。ヤツの全身に電撃が走っているのがわかる。

 この調子でどんどん攻めよう。

 オレとアイラ姉の(連携)でヤツにダメージを蓄積していく。


 再生スキルは持っていないため、ゾンビのような回復力を持っていない。

 攻撃が通るなら学園地下迷宮で戦った冥王の眷属よりも遥かに楽だな。


「―――――――ッッ!!!」


 このままではまずいと判断したのかリュベネイタルの形態が変化していく。

 (形状変化)のスキルは持っていなかったはずだが、スキルを使わないコイツ自身の能力ということか?



 上半身部分が肥大化して両腕が倍くらいの大きさになった。

 ステータスも力が大幅に上がっている。

 パワー重視の形態か?

 ならこっちも出し惜しみ無しで全力で迎え撃とう。


 オレは(限界突破)を使い全ステータスを大幅に上げた。

 (全状態異常無効)スキルのおかげでリスク無しでパワーアップできるのは我ながら反則だと思う。

 アイラ姉もオレと同じように(限界突破)スキルを使った。


「レイ、一気に決めるぞ」

「ああ、わかったアイラ姉!」


 アイラ姉が奥義を放つ構えを見せた。

 オレも両手に魔力を集中させる。


「――――――――ッッ!!!!!」


 リュベネイタルがなりふり構わない様子でこちらに向かってきた。

 これで終わりにしてやろう。


「ソウル·アセンション!!」

「終の太刀······幻想無限桜っ!!」


 オレは「聖」属性魔法。

 アイラ姉は剣術の奥義を放った。

 オレ達の出せる最強クラスの攻撃だ。



―――――――――!!!!!


 オレ達の攻撃がリュベネイタルに同時に命中した。


「――――――――ッッッ!!??」


 リュベネイタルは声にならない悲鳴をあげた。

 ヤツの身体がボロボロに崩れ消滅していっている。

 オレとアイラ姉のどちらの攻撃が無効化できなかったのか最早わからない。


 どちらにせよ言えるのは、オレ達の攻撃によってリュベネイタルは完全に消滅したということだ。



(レベルが上がりました。各種ステータスが上がります)


 お、レベルアップしたな。

 ヤツの反応も消えたし完全に倒せたようだ。


 今のでオレのレベルは900を超えた。

 アイラ姉も990まで上がっていた。

 レベル1000までもう少しだな。

 今更だがレベルはいくつまで上がるのだろうか?

 999がカンストの可能性もあるかもしれない。


 他のメンバーもそれぞれかなりのレベルアップをしていた。

 この場にいる全員にヤツの経験値が入ったようだ。



 こうして神樹に封印されていた魔物も倒し、今回の騒動は終わりを告げた。






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