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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第四章 スミレの故郷 幻獣人族の里
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212 温泉での騒動

(シノブside)


 ユヅキ殿とスミレ殿の案内で幻獣人族の里を回り、帰り際に温泉施設を見つけたので入ってみることにしたでござる。

 男女別々になっているので拙者とスミレ殿。

 師匠とユヅキ殿と別れて入ったでござる。



 中は広く立派な作りでござった。

 やはり天然温泉は格別でござるな。


「······ご主人様と一緒がよかった」


 さっきスミレ殿は師匠と一緒に男湯の方に入ろうとしたので止めたでござる。

 不満そうな様子でござるがさすがに混浴はまずいと思うでござる。


「シノブ······髪、長くてキレイ······」

「スミレ殿の髪もツヤツヤで気持ち良いでござるよ」


 スミレ殿とお互いに身体を洗い合ったでござる。

 拙者の髪は長くて正直洗うのが面倒なので短くツヤツヤなスミレ殿が少し羨ましく思うでござる。


 スミレ殿と温泉を満喫していると別のお客が入ってきたでござる。


「服があったからもしやと思ったが、シノブとスミレも来ていたのか」


 アイラ殿でござった。

 エイミ殿にミール殿、そしてフウゲツ殿の姿もあるでござる。


「シノブちゃんにスミレちゃんも来ていたのね。ということは向こうにはレイ君とユヅキも?」

「はいでござる。里を回っていたらここを見つけたので入らせてもらったでござる」


 フウゲツ殿に言われ、師匠達も来ていることを教えたでござる。

 それにしてもフウゲツ殿、アイラ殿に負けない身体つきでござる。

 拙者まだ胸は小さいでござるから羨ましいでござる。


「レイさん達は男性用の方ですか」

「ミ、ミール······行っちゃダメだよ?」


 ミール殿なら先ほどのスミレ殿のように向こうに行きそうでござる。

 エイミ殿が止めているでござるが。


「わかっていますよ姉さん。それよりもユヅキさんも向こうにいるということは······あの方、男性だったのですか?」


 どうやらミール殿はユヅキ殿は女性だと思っていたようでござる。

 拙者や師匠も最初はそう思っていたので気持ちはわかるでござる。


「ふふっ、そうよ。ユヅキは可愛らしいから勘違いする人が多いのよね」


 やはりフウゲツ殿からしてもユヅキ殿は女性に見えるようでござる。


「レイ君とユヅキさん、じゃなくてユヅキ君が向こうで一緒に······」


 エイミ殿は何を想像したのか目をぐるぐる回しているでござる。


「男湯にはゲンライソウ殿が向かったが、大丈夫だろうか?」


 ゲンライソウ殿というと長殿のことでござるな。

 確かに先ほど師匠がスミレ殿を奴隷のように扱っていると誤解してしまって大層なお怒りの様子でござった。

 誤解は解けたでござるが、師匠と顔を合わせて大丈夫でござるかな?

 アイラ殿が心配するのもわかるでござる。


「心配いらないわよ。ゲンライも頭は冷えたみたいだし温泉で暴れるほど短絡的じゃ············」



――――――――!!!



 フウゲツ殿の言葉の途中で男湯の方から大きな音が聞こえたでござる。

 かなり派手な衝撃で温泉の湯が波打ったでござる。


「············ないと思ってたんだけどね」


 フウゲツ殿が呆れたようにため息を吐いたでござる。やはり今の衝撃は長殿が何かやらかしたのでござろうか?

 衝撃は一度ではなく、何度も聞こえてくるでござるな。



―――――――!!!


 さらに衝撃が響き、男湯と女湯を隔てていた仕切りが崩れたでござる。


「ぬはははっ! なかなかやりよるのレイよ!」


 仕切りが崩れたことで男湯が丸見えになったでござる。先ほどのスミレ殿とのように今度は長殿と師匠が闘っているみたいでござるな。

 お二人の姿と少しはなれてユヅキ殿の姿が見えたでござる。


 三人ともタオルで()()()()()は隠してるでござるよ。


「ちょっ、ゲンライさん!? 壁が崩れて女湯が······」

「まだまだ()くぞ! 風炎(ふうえん)爆砕掌(ばくさいしょう)!!」


 師匠はこちらに気付いたでござるが長殿は構わずに攻撃を仕掛けたでござる。

 熱を帯びた衝撃波が長殿の両手から放たれたでござる。


 師匠はそれを受け流すように防いだでござる。

 長殿はさらに攻撃を仕掛けていってるでござる。

 師匠は防戦一方で長殿の攻撃を受けているようでござるな。

 師匠ならやられはしないと思うでござるが······。


 ってこっちに来たでござる!?


「ぬおりゃああーーっ!!」

「······くっ!?」


 長殿の攻撃で師匠が女湯の方まで飛ばされて来たでござる。

 正確には拙者の目の前まで······。


「わ、悪いシノブ······大丈夫か?」

「拙者はその、大丈夫でござるが······し、師匠······タオルが取れてるでござるよ」


 ギリギリぶつかりはしなかったものの結構危なかったでござる。

 ······それは良いのでござるが今の攻防で師匠の腰に巻いていたタオルが取れてしまっていたでござる。


 それを指摘したら師匠は慌ててタオルを巻き直したでござる。

 思い切り()()()を見てしまったでござるが。


 見るのは初めてではないでござるが······。

 ()()()のことを思い出してしまい顔が熱くなってきたでござる。


「あなた、いい加減にしてくださいな!」


 フウゲツ殿が長殿の前に仁王立ちして言ったでござる。かなりのお怒りの様子でござる。


「む、フウゲツ······これはだな······」

「少しお灸が必要みたいですね?」


 フウゲツ殿の怒りを感じ取ったようで長殿がたじたじでござる。

 フウゲツ殿がニッコリ笑うと身体が変化し出したでござる。

 これは(幻獣化)スキルでござるか?


「ま、待てフウゲツ!? ここでそれは······」

「問答無用です。少しは頭を冷やしなさい!」


 フウゲツ殿まで頭に血が上っているように見えるでござるが······。



 結論から言うと(幻獣化)したフウゲツ殿は凄まじく、長殿は一方的にボコボコにされていたでござる。

 フウゲツ殿を怒らせては駄目だとよく理解できたでござる。








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