202 正義の裁き?(※)
※(注)引き続き変態男が現れているため下ネタ気味の内容となっています。
(エイミside)
貴族の令嬢さんが男の人達を引き連れて、わたしとミールを襲わせようとした所に仮面の人が突然現れた。
············なんでこの人がこの国にいるの?
相変わらずの恥ずかしい格好でとてもまともに見れない。
ミールは一瞬意外そうな表情をしてたけど、そんなに驚いていないように見える。
「やっちまえっ!」
男の人達が一斉に仮面の人に襲いかかった。
男の人達はそれぞれ武器を手にしているのに対して仮面の人は丸腰。
普通なら仮面の人が一方的にやられそうだけど······。
「ふん! はあっ!」
男の人達の武器を素手で受け止め、反撃で次々と返り討ちにしていった。
そりゃそうだよね······。
この仮面の人、レイ君やアイラさんでも苦戦してた冥王すらも倒しちゃったんだし、並みの男の人じゃ敵わないのも当然だよ。
一分もかからずに男の人達は全員当て身で気絶させられていた。
「な、なな······ほ、本当に何者ですの、貴方は!?」
あっという間に男の人達が無力化されて令嬢さんが混乱していた。
「さあ残るは貴女だけですな」
「ひぃっ······!?」
仮面の人が令嬢さんに言う。
令嬢さんはひどく怯えた悲鳴をあげた。
まあ、裸の男の人が迫ってきたらそういう反応をするよね。
「ま、待ちなさい!? わたくしを誰だと思っていますの! 誇り高き名家であるライランクス家を敵に回すつもりですの!?」
どうにか声をふりしぼって令嬢さんがそう言った。
「誇り高いにしてはやっていることは三下みたいですけどね」
わたしの横でミールが小声で言った。
わたしもそう思ったけど。
仮面の人も令嬢さんの言葉を気にしてないみたい。
「自分の家の名に誇りを持っているのならそれに見合った振る舞いをするべきですな。貴女のしていることは傲慢なだけです」
仮面の人もミールと同じようなことを言った。
「ず、ずいぶん好き勝手言ってくれますわね! わたくしを甘く見たこと、後悔させてあげますわ!」
令嬢さんがそう言うと両腕に魔力を集中させた。
ちなみに令嬢さんのレベルは16。
レベルに対して令嬢さんの魔力は少し高めだけど、仮面の人相手に通用するとは思えないよ。
「インパクトフラッシュ!!」
令嬢さんが魔法を放った。
「光」属性の魔法だ。
令嬢さんの両手からまばゆい光が放たれた。
ああは言っていたけど令嬢さん、仮面の人には敵わないのはわかっていたみたい。
「光」魔法で目眩ましをして、その隙にこの場から逃げるつもりだ。
確かに今の光をまともに見たら、目が眩んでしばらくはまともに開けられないと思う。
でもわたしとミールはレベルが高く、耐性も持っているから今の光を見てもたいして眩しくなかった。
当然仮面の人も············。
「そのような光では私の目は眩ませられませんよ」
「え、なんですのこの感触············きゃああああっ!!?」
反転して仮面の人から距離を取ろうとした令嬢さんだけど、目眩ましは仮面の人にはまったく効いていなくて逃げ道を塞がれていた。
その拍子に令嬢さんが仮面の人にぶつかったんだけど、令嬢さんの手が丁度仮面の人の······。
「いやああーーっ!? わ、わたくしになんてモノを触らせるのですか!?」
令嬢さんが慌てて手を引っ込めた。
仮面の人の······を思い切り触っていたから手をブンブン振っている。
······わ、わたしも経験あるから気持ちはわかるかも。いきなりアレは驚くよ。
というかわたしもあの感触を思い出しちゃったよ············。
「さあ、覚悟はよろしいですかな?」
「ひぃっ!? ち、ちょっとお待ちなさい! わたくしに何をするつもりですの!? それ以上近付いて来ないでくださるっ!?」
令嬢さんは腰を抜かしたのか、尻餅をついて後ずさる。仮面の人はゆっくりと令嬢さんに近付いていく。
「いやああああーーーっ!!!???」
令嬢さんの悲鳴が響いた。
とても見ていられなくて目を逸らしたけど尋常じゃない叫び声だったよ······。
「さあ、お嬢さん方、大丈夫でしたか?」
仮面の人がこっちに来た!?
うううっ、やっぱり恥ずかしくてまともに見れないよ。
「えーと、ありがとうございます、正義の仮面さん」
ミールが仮面の人の言葉に答えた。
よくそんな冷静に答えられるねミール······。
「令嬢殿はあの通り私が懲らしめておきましたのでもう安心です。私はこれで失礼しますので彼女の介抱はお願いします」
仮面の人はそう言うと令嬢さんをミールに引き渡してそのまま走り去っていった。
色々疑問があったけど結局何も聞けなかった。
「······う、ふっ······ふふふっ······」
令嬢さんは全身をピクピク痙攣させながら気を失っていた。
目を逸らしてたから何をされたのかわからないけど一瞬、令嬢さんは仮面の人の下半身に収まっていたのが見え······ひぃやあ~!!
か、考えないようにしよう!
「とりあえずこのまま放置は可哀想ですからアイラさんの建てた家まで連れて行きましょうか」
「うん、そうだねミール。けど、あっちの男の人達は?」
「男性は放置でいいんじゃないですか? その内目を覚ますでしょう」
い、いいのかな?
ま、まあわたしとミールの二人じゃ男の人全員を運ぶなんて厳しいから仕方ないかな?