表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第四章 スミレの故郷 幻獣人族の里
239/735

193 クラントールの冒険者ギルドにて

 エンジェの転移魔法でオレ達はクラントールという別の国の町にたどり着いた。


「ああ、冒険者か? まあいいや、さっさと入れや」


 町の入り口には見張りの門番がいたけど、どう見てもやる気なさそうにしている。

 たいしたチェックもせずにオレ達を通してくれた。

 ············大丈夫なのか、この町?



 入って町の中を見回したが、あまり活気のある町じゃないな。

 アルネージュや王都とは大違いだ


「おれは一度里に戻って長に知らせてくる。すぐに戻るからそれまではこの町にいてくれ」


 ユヅキがそう言って抜け出して行った。

 まあいきなりこの人数で里に押し掛けるわけにはいかないか。

 さて、それまでどうしようかな?


「とりあえずは冒険者ギルドに行ってみるとしよう。情報を得るにはそこがいいだろう」


 アイラ姉の言葉にみんなが頷いた。

 国が違ってもギルドカードは共通で使えるはずだ。初めての町だがMAPで確認すれば、どこに何があるのかは大体わかる。


 町の入り口からそう遠くない場所に冒険者ギルドの建物があった。

 う~ん、王都やアルネージュの建物に比べたら見劣りする気がする。




 中に入ると意外と活気づいている。

 結構多くの冒険者の姿があった。

 30~40代くらいの年配の人が多い印象かな?


 若い人が少ないせいかオレ達が入ると注目された。

 なんとなく居心地が悪いが構うことなく貼り出されている依頼などを確認した。



 討伐系の依頼が多いな。

 魔物だけでなく盗賊や犯罪者とかの物が目立つ。

 王都やアルネージュのギルドにもそういった依頼がないわけではないが数が多い気がする。

 ······やはりこの辺りは治安が悪いようだな。


「ここは子供(ガキ)の来る所じゃないぜ? それとも依頼者か?」


 冒険者の一人がオレ達に声をかけてきた。

 王都やアルネージュと違い、ここではオレ達を知る人はいない。


「私達はれっきとした冒険者だ。この町は初めてなのでな、依頼を確認していたのだ」


 アイラ姉が言う。

 その言葉を聞いて周りの冒険者達が笑いだした。


子供(ガキ)だけのお遊戯パーティーか? ここは子供がこなせるような雑用みたいな依頼はほとんど来ないぜ」


 まあ確かにこの人達から見ればオレ達は子供だな。

 特にシノブやスミレ、エンジェは本当に子供にしか見えないしな。


 しかし雑用みたいな依頼はほとんど来ない?

 王都やアルネージュでは結構な数があったんだが。

 若い人が少ないからそう依頼は来ても誰も受けないからかな?


「確かに討伐依頼ばかりですね。かなりの数が残ってますけど皆さんは受けないんですか?」


 ミールが依頼書を見ながら言う。

 年配の冒険者相手にまったく怯んでいない。

 エイミは少し腰が引けているが。


「くかかっ、確かに昼間から酒をあおって依頼を受ける雰囲気じゃないのう。ここは冒険者ギルドではなく酒場の酔っぱらいの集まりだったか?」


 エンジェが周りの冒険者を挑発するように言う。

 確かにエンジェの言うように酒場にしか見えないな。······建物は間違えてないはずだ。


「なんだと!? 子供(ガキ)のくせに生意気な口をきいてくれるじゃねえか!」


 冒険者の何人かがエンジェの言葉に激昂している。

 エンジェは多分あんたらより遥かに年上だと思うよ。


「やめろエンジェ、ミールもだ。私達は問題を起こしに来たのではない」


 アイラ姉がそう言うが遅かったようだ。

 何人かの冒険者が下品な笑いをうかべながら近付いてきた。


「ちょっとばかし教育が必要みたいだな? 新人は俺らベテランを敬わないとな」


 ベテランねえ······。

 この場にいる冒険者のレベルは10~30くらいだ。

 弱いわけではないが別に強くもない。


「私達は新人ではない。ランクはBだ」


 アイラ姉がギルドカードを見せた。

 オレ達はすでに全員冒険者ランクBまで上がっている。それを見て冒険者達は驚きの表情をうかべた。


「て、てめえらみたいなガキがランクBだと!? ウソついてんじゃねえよ!」


 冒険者の一人がアイラ姉に掴みかかろうとした。

 アイラ姉は慣れた手付きで冒険者をねじ伏せた。



[アイラ] レベル920

〈体力〉229000/229000

〈力〉116000〈敏捷〉127500〈魔力〉76390


〈スキル〉

(全状態異常無効)(アイテム錬成)(暴食)

(獲得経験値20倍)(同時詠唱)(強化再生)

(連携)(分身)(限界突破)

(聖剣術〈レベル9〉)(各種言語習得)

(異世界の絆〈2/5〉)



 これが今のアイラ姉のステータスだ。

 とてもレベル10~30では相手にもならない。

 ちなみに(異世界の絆)スキルのカウントが増えているのはリイネさんとの絆だ。

 何をしたのかは知らないがリイネさんの加護がいつの間にか正式なものになっていたからな。


「暴力にはこちらも相応の対応をさせてもらうぞ?」


 アイラ姉が冒険者を押さえつけながら言う。

 他の冒険者は少し怯んだ様子を見せたが、すぐに怒りの表情に変わった。


「ガキに舐められてたまるか! 全員でやっちまえ!」


 周囲の冒険者がアイラ姉を取り囲む。

 アイラ姉なら一人で大丈夫だと思うがさすがに黙ってはいられないな。


「血の気の多い方ばかりですね」

「······雑魚ばっか。叩きのめす」


 ミールとスミレもオレと一緒に前に出てきた。

 シノブやエンジェも冒険者を止めようと動いた。

 エイミはあわあわしながらも一緒に動いていた。




 結局全員でギルド内の冒険者を叩きのめすことになってしまった。

 まさか今頃になってこんなテンプレな展開があるとは思わなかったな。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ