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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第四章 スミレの故郷 幻獣人族の里
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186 久しぶりのアルネージュの町

 聖女エレナのレベル上げは毎日じゃなく、数日おきくらいにすることになった。

 さすがに初日は飛ばしすぎたようだ。




 話は変わって、今日は転移魔法を使ってアルネージュの町に来ている。

 なんだかんだでこの町には知り合いが多いからな。挨拶に回るだけでも結構大変だ。


 まずはドワーフ工房のドルフさんの所に行くつもりだ。先日オリハルコンの武器を打ってほしいと依頼した。

 そろそろ完成している頃だろう。



 ドルフさんは鍛冶師として一流だ。

 一流の鍛冶師が作ったオリハルコン製の武器はどのくらいの性能なのか楽しみだ。


「······ボクは先にエアリィの所に行ってる」


 ちなみにオレ一人じゃなくシノブとスミレも連れてきていた。

 アイラ姉は王城でリイネさん達と話があるとかで後から来るそうだ。


 スミレは武具工房には興味ないようで先にエアリィのいる自宅に向かった。

 おそらく果樹園の果物を食べたいんだろう。

 オレとシノブの二人でドワーフ工房に向かった。




「おう、頼まれてた品は出来てるぞ」


 工房に着くと工房長のドルフさん自ら出迎えてくれた。以前来た時はかなり忙しそうだったが今はそれなりに落ち着いているようだな。


 ドルフさんが依頼した3つの武器を出してきた。

 オレとアイラ姉とシノブの分だ。



(魔剣ヴィオランテ〈アイテムランク7〉)

攻撃力+3500〈身体強化、魔力増加付与〉



 オレの分の剣を手にして見た。使った素材は同じだがアイラ姉の(アイテム錬成)で作った物よりも性能は上だ。

 やはり一流の鍛冶師が作ると性能が上がるようだ。



 ちなみに魔剣とは人の手で作り出した最高ランクの武器に付けられる称号みたいなものらしい。

 名前はドルフさんが付けたようだが聖剣エルセヴィオを参考に作ったので名前が似ている。


 アイラ姉用の刀とシノブ用の小太刀も同じくらいの性能だった。


「かっこいいでござるな! とても手に馴染むでござる」


 シノブが興奮したように言う。

 (アイテム錬成)で作った物は武骨な見た目だが、ドルフさんが作った武器は細かい装飾が施されていて芸術品としても価値がありそうだ。


 ただ残念ながら聖剣エルセヴィオを上回ることは出来なかったか。

 聖剣は女神がもたらした特別な剣らしいので、人の手でそれを上回る武器を作るのは難しいようだ。


「それ以上の性能になると今の俺じゃ無理だな。(神級鍛冶)のスキルを手に入れねえと」

「神級鍛冶?」

「鍛冶のスキルレベルが10を超えると授かれるらしいが、ドワーフの中でも神級鍛冶のスキルを持ってるのは一握りだ」


 つまりは(鍛冶)スキルレベルがカンストすると(神級鍛冶)に進化するのかな?

 (神級鍛冶)のスキルがあれば聖剣クラスの武具を作れるらしい。


 ドルフさんのスキルレベルは(鍛冶〈レベル9〉)だ。工房長のドルフさんでも最高レベルにはなっていない。




 もし、ドワーフの町に行く予定があるのなら紹介状をくれると約束してもらい、ドワーフ工房を後にした。

 次はドルフさんの娘のノギナの所を訪ねるか。


 ノギナにもオリハルコンやその他の素材を渡して依頼している。

 ノギナの鍛冶スキルはレベル7まで上がっていたのでそれなりの武器が出来てるかもしれない。

 ······余計な能力が付与されていないか少し心配だけど。




「もちろん出来てるっすよ! 自信作っす!」


 第三地区の工房を訪ねるなり、ノギナが自信満々にそう言った。

 ほとんどは失敗したようだが、一つだけ成功したオリハルコン製の武器があるらしい。



(迷剣ノギナスター〈アイテムランク???〉)

攻撃力???

運が良ければどんな物でも斬ることができる

ある意味最強の剣。



 見た目は結構かっこいい剣だ。

 魔剣ではなく迷剣になっているが。

 ただ効果が······運が良ければって、じゃあ運が悪ければどうなるんだ?

 ある意味最強の剣って、この鑑定魔法に表示される文は誰が書いてるんだろうか?



「確かに使える、かもしれないな」

「そうっすよね! もっともっと腕を上げてどんどん作るっすよ!」


 まあマイナス効果というわけではないし、ノギナも上機嫌だから余計なことは言わないでおくか。

 オレが依頼するまでは日用品ばかり作っていたようなので久しぶりに武器を打てて嬉しいようだ。


 ノギナの工房では他にも数人の子供達が働いている。それぞれが鍛冶スキルのレベルが2~3まで上がっていた。

 ドルフさんのいるドワーフ工房にはまだ及ばないが充分すごい実力になってきたな。



 さて、次はエアリィのいる自宅に戻るかな。







(スミレside)


 久しぶりのアルネージュの町。

 ここにはご主人様やアイラ達が作った食物がいっぱいある。王都の食べ物もおいしかったけど、ここのは別格。

 早く食べたい。


「およ? スミレなノヨ、帰ってきてたノヨ?」


 自宅に戻ったらエアリィが出迎えてくれた。

 ご主人様やシノブも後から来ると言っておいた。


「レイとシノブも来るノヨ? なら丁度良いノヨ。頼みたいことがあるノヨ」

「············頼みたいこと?」


 エアリィがそう言ったから何を頼みたいのか聞いてみた。


 エアリィの話だと最近、果樹園や畑から作物を盗む奴が現れているらしい。

 つまりは作物泥棒?


「······でも、作物は簡単には盗めないようになってたはず······」

「そうなノヨ! それでも盗んでいく奴がいるノヨ! なかなか尻尾を掴ませないから困ってたノヨ」


 確かシノブが盗難防止用の効果のある魔法を付与していたから作物は簡単には盗めないはず。

 それでも盗まれたということはそれなりの実力者が盗んでいるのかも。


 数日おきくらいに現れて盗んでいくらしい。

 盗まれる量は大したことないため、おそらく単独犯。自分が食べる分だけ盗んでいるみたい。


「············いい度胸」


 ご主人様達が作る食物を盗るなんて許せない。

 作物泥棒死すべし。慈悲は無い。







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