表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第四章 スミレの故郷 幻獣人族の里
231/735

185 新たな聖女エレナのレベル上げ

 次の日。ルナシェアから依頼された新たな聖女候補のエレナという少女のレベル上げをすることになった。

 オレ達は今、学園のグラウンドにいる。



「よ、よろしくお願いします······」


 緊張した様子で少女エレナが頭を下げた。

 確か15才でルナシェアよりも年下の聖女候補だったな。見た目通りの年齢かな。

 前髪はおでこが見えるくらい短いが、後ろ髪は背中が隠れるくらいの長さだ。


「ウム、私はアイラだ。こちらこそよろしく頼む」


 アイラ姉がエレナに手を差し伸べ握手する。

 オレ達もそれぞれ自己紹介をした。

 この場にいるのはオレとアイラ姉にシノブ、そしてリンだ。


 エレナにはまだ専属の護衛がいないため、

 今日はリンが護衛役として一緒に来たらしい。



[エレナ] レベル26

〈体力〉280/280

〈力〉85〈敏捷〉210〈魔力〉660


〈スキル〉

(聖女の資格〈1/9〉)(聖なる守り)

(浄化の息吹)(限界突破)(詠唱短縮)

(魔力増加〈小〉)



 これがエレナのステータスか。

 思っていたよりも強いな。

 ルナシェア達がレベル400を超えているから弱く見えるが、エレナくらいの年齢でレベル20を超えているのは強い方だ。


 優秀な特別クラスの生徒であるミール達も初めて会った時はレベル20前後だったし。




 話を聞くとエレナは最近まではレベル10もなかったらしい。

 しかし勇者候補のユウ達と出会い、伝説の魔物と戦ったことで聖女のスキルに目覚め、レベルアップしたと。


 ············なんだ伝説の魔物って?

 王都とアルネージュの間にあるレーデの森とやらで現れたらしい。

 冥王以外にもこの近くでそんな危険な魔物が現れていたのか。


「ほう、あの少年か。なかなか感心なことをしているようだな」


 アイラ姉が言う。

 エイダスティアという町で会った時は悪魔に精神を支配されて正気を失いかけた状態だったが、どうやらその後は問題ないみたいだな。


「そういえばミリィという女性の姿の悪魔が王都にいたでござるな」


 ミリィというと確か悪魔のコスプレをしているような少女だったな。

 コスプレじゃなく本物だけど。

 シノブが最近、王都で見かけたらしい。



 実体のない精神世界から召喚したとか聞いていたが、自分の世界に帰らずにユウ達と一緒にいるようだ。

 見た目は可愛らしいコスプレ少女だったが、結構過激な発言をする人物でもあった。

 悪さとかはしていないのかな?


「お姉さん達、ユウ達のことを知ってるんですか?」


 エレナがそう聞いてきたのでエイダスティアであった出来事を簡単に話した。


「ユウを助けてくれた外から来た人達ってお姉さん達のことだったんだ······」


 どうやらユウからエイダスティアでの出来事を聞いていたらしい。


「今日はユウって子は来ないの?」


 ルナシェアからは勇者候補の方も都合が良ければ一緒にレベルアップさせてほしいと言われていたが。


「ユウは冒険者の依頼を受けているとかで今日は来ていません。多分堅苦しいのは嫌だとかで来なかっただけだと思いますけど。女神様の洗礼を受けるのも私が無理に連れて行ってだったし······」


 ああ、ユウはそういうタイプの子か。

 気持ちはわかるな。

 オレも堅苦しいのは苦手だし。


 ユウは確かレベル200を超えていたはずだ。

 会ったことのない冒険者に鍛えてもらう必要はないと考えても不思議ではないな。



 まあいいや。とりあえずは予定通りエレナのレベル上げから始めるとしよう。


「くかかっ、新たな聖女候補か。これは鍛え甲斐がありそうじゃのう」


 丁度良いところにエンジェが姿を現した。

 エレナのレベル上げのやり方は以前にミール達を鍛えたように実戦だ。

 オレの持つダンジョンコアからスライム系とゴーレム系の魔物を召喚して倒してもらう。


 もちろんメイド姿ではなく普通の魔物形態で戦ってもらう。

 さすがにメイド姿だと色々と戦いにくいだろうからな。


「くかかっ、さあ見事我が眷属達を討ち倒してみよ!」


 召喚したスライムやゴーレムをエンジェが統率する。正確にはゴーレムはエンジェの眷属ではないが、ちゃんと従っている。

 ちなみにグラムは学園長リプシースさんの手伝いのため不在だ。


 エレナは突然現れた魔物の群れに驚いている。

 初めてレベル上げをしたエイミとミールと同じ反応だ。


「ではエレナ様、わたしが一緒にサポートします」


 エレナ一人では厳しいのでリンがサポート役として一緒に戦うことにした。

 オレとアイラ姉、シノブは審判役として見学だ。



[リン] レベル411

〈体力〉59800/59800

〈力〉31200〈敏捷〉28890〈魔力〉22900


〈スキル〉

(雄叫び)(獣化)(覚醒)(聖なる守り)

(身体強化〈極〉)(同時詠唱)

(魔力回復速度上昇〈大〉)

(異世界人の加護〈中〉)



 ちなみにこれが今のリンのステータスだ。

 リンが本気を出したら無双してしまうのであくまでもサポート役だと釘を刺す。


「あの、リンさん? 〝様〟付けは恥ずかしいからやめてほしいんだけど······」

「しかし護衛騎士としてですので······」


 エレナの言葉にリンが困り顔で言う。

 妥協の末に〝さん〟付けで呼ぶことになった。



「では改めましてエレナさん、いきますよ!」

「は、はいっ!」


 エンジェの指示でスライムとゴーレム達が二人に襲いかかっていく。

 もちろん怪我させないように手加減するように指示させている。



 伝説の魔物と戦ったと言っていただけあってエレナは魔物が向かってきても怯むことなく戦えている。

 それに強力な「聖」属性の攻撃魔法も使えるようだ。レベル26とは思えないくらい異常な強さだな。

 エレナ自身はその自覚はなさそうだが。




 何度か休憩を挟みながら戦闘を繰り返し、今日のレベル上げは終わりにした。

 今日だけでエレナのレベルは70まで上がっていた。少し張り切り過ぎたかな?


「た、たった一日で私のレベルがこんなに······」


 疲労困憊の中、エレナは自分のステータスを確認して驚きの声を洩らしている。


「くかかっ、次の機会には勇者候補の少年も連れて来るがよい。ワシ自ら鍛えてやろうぞ」


 そういえばエンジェはもともとは勇者の試練のために遺跡の迷宮にいたんだったな。

 オレの持ってる聖剣エルセヴィオも本来の勇者候補であるユウに渡した方がいいのだろうか?



 ま、今度会った時に考えればいいか。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ