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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第二章 始まりの町アルネージュでの出来事
23/735

22 VSオークキング

 オーク達を次々と倒していく内に、遂にオークキングが現れた。

 グレートオーク3体を連れて。

 オークキングの見た目は凄まじい迫力だ。

 グレートオークよりもさらに一回りでかい。


 一緒に現れたグレートオークのレベルは平均75だ。3体とも今までの奴よりレベルが高く、サイクロプスをも上回っている。

 おそらくこの3体は王を守る直属の護衛なのだろう。



 しかし驚いたのはこのオークキング、なんとしゃべった。

 しかもなんか魔王とか言ってるぞ。

 やはりいるのか魔王。

 ファンタジー世界の定番の存在。


「下等種ガ············邪魔スルナッ!!!」


 オークキングの攻撃で巨大なクレーターができた。さすがはオークキングってところだな。

 凄い力だ。


「言葉が通じるならば話し合いは可能か?」


 アイラ姉が前に出る。


「人間ガ、何ヲ語ル······?」

「話し合いの出来る者を無闇に斬りたくはない。町への侵攻をやめ、退いてはくれぬか?」


 確かに言葉が通じる奴を斬るのは少し抵抗があるな。どう見ても怪物でも。


「グガガ、バカナコトヲ······聖女、ソシテ大量ノ餌ガアルノニ退クダト······? アリエヌ、スベテ喰ラッテヤルワッ!!」


 あ、駄目だコイツ。

 完全に人をエサとしか見ていない。

 言葉は通じるけど話し合いは無理だなコレ。


「そうか······」


 アイラ姉もそう判断したようだ。

 刀を構えた。

 ちなみにアイラ姉の武器はオリハルコンの刀だ。



(オリハルコンの刀)攻撃力+1400



「ならばここで返り討ちに合い、倒されても文句はないな?」

「下等種ガ、我ニ敵ウモノカァッ!!」


 オークキングが巨大な斧でアイラ姉を攻撃する。

 アイラ姉は素早くかわした。

 オークキングは次々と攻撃を加える。

 見た目は巨体で鈍そうなのにかなり速いな。

 しかしアイラ姉のスピードはそれ以上だ。


「フム、確かに凄まじい威力の攻撃だ。だが······」


 アイラ姉はすべて紙一重でかわしている。

 オークキングの動きを完璧に見切っていた。


「当たらなければどうということはない!!」


 ······どっかで聞いたことのあるセリフなんだが。アイラ姉、絶対今のセリフ言いたかっただけだろ。

 多分避けなくても受け止めることも出来るはず。

 何故なら······。



[オークキング] レベル98

〈体力〉7350/7500

〈力〉1450〈敏捷〉990〈魔力〉0


〈スキル〉

(王の波動)(強制進化)(統率)



 オークキングのステータスはこんな感じだった。確かに強い。

 今までの魔物で一番だ。

 体力だけなら初めて異世界に来た時のオレとシノブを上回っている。

 だが、正直拍子抜けだな。

 もっと強いのかと思ってたんだがこれならアイラ姉一人で楽勝だろう。

 しかし気になるスキルもあるな。



(王の波動)

自身含む、全ての配下のステータスを50%アップさせる。



(強制進化)

対象となる生物を強制的に上位種に進化させる。

成功する確率はおよそ30%。

進化に失敗した対象は命を落とす。



(統率)

全ての配下が自身の命令に忠実になる。




 なるほど、こんな効果か。

 おそらくこの(強制進化)のスキルでハイオークやグレートオークを増やしたんだろうな。


 そして(王の波動)か。

 自分だけでなく配下全てを強くするスキルか。

 なかなか厄介なスキルだ。

 だが残念ながらステータスがアップしたところで······。


「はあっ!!」

「グガアァァッ!?」


 オークキングはアイラ姉には及ばない。

 アイラ姉の刀がオークキングを深く斬り裂いた。


「バ、バカナ······何故下等種ガコレ程ノ(ちから)ヲ······!?」

「人間を甘く見ないことだな」


 一方的な戦いだ。

 3体のグレートオークもオレとシノブで充分だ。

 セーラとリンを怪我させないように気を付けないとな。


「セーラ殿、リン殿! 拙者と師匠の後ろに!」

「はいっ」

「すみません、シノブさん、レイさん!」


 自分たちは足手まといだと判断したらしい。

 セーラとリンが後ろに下がる。


「オノレェェーーッ!!」


 オークキングが力の限り斧をアイラ姉に向けて振り下ろした。


「弱いな。下等種と見下しているが、上等種とやらはこの程度なのか?」


 アイラ姉はそれを刀で受け止めた。

 普通に見てありえない光景だな。

 アイラ姉の小さな刀がオークキングの巨大な斧を止めている。


「グギギ······コ、コンナコトガ、······ナラバ! 貴様ラッ、我ニソノ身ヲ捧ゲロッ!!」


 オークキングがそう言うと3体のグレートオークはオレ達と戦うのをやめ、オークキングの前にひざまづいた。

 オークキングは3体のグレートオークを迷うことなく斧で斬り殺した。

 そしてグレートオークの肉体をグチャグチャと喰らい出した。


 うげ、気持ち悪い。グロいのは苦手なんだが······。

 セーラとリン、シノブも顔をしかめている。

 というか何をする気だ?

 部下をいきなり喰い出すなんて。



「ヌグオオオーーッ!!」


 オークキングの身体が光り出した。


〈対象、オークキングが(強制進化)を使用。オークキングが進化します〉



 メニュー画面にそう表示が出た。

 オークキングが進化?

 グレートオークを喰ったのは力を取り込み、進化の成功確率を上げるためか。

 オークキングの身体が不気味に脈打ち、変化していく。失敗してくれるかもと期待したんだが、どうやら成功してしまったようだ。


「グフフ、ハハハッ! 我ハ〝オークガイア〟!! オーク種ノ神ナリ!!」


 進化に成功したオークキングは高らかにそう言った。









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