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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第四章 スミレの故郷 幻獣人族の里
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183 ルナシェアの疑問

(ルナシェアside)


 レイ殿との手合わせを終えて、小生達は汗を流すために学園内の入浴施設を利用しているであります。

 小生との手合わせをした後、レイ殿はエイミ殿とミール殿とも手合わせしていたであります。


 いくらレベルが高いといっても疲れ知らず過ぎであります············。



 それにしても、やはり妙であります。

 レイ殿は小生の秘伝の奥義を使いこなしていたであります。

 一体どうやって覚えたのでありますか?

 あれは特殊な剣技ゆえに、そう簡単には使いこなせないはずでありますが。



「ち、ちょっとミール!? そっちは男の人用だよ!」


 そんなことを考えていたらエイミ殿の慌てた声が耳に入ってきたであります。

 ミール殿が服を脱ぎ、バスタオルを巻いただけの姿で男湯の方に入ろうとしているであります。


「いいじゃないですか姉さん。本来なら学園内は立ち入り禁止のため、今はワタシ達しかいないんですから。レイさんも一人では寂しいでしょう?」


 良くないと思うでありますが······。


「ルナシェアさんもどうですか? 今なら何の邪魔も入らずにレイさんと裸の付き合いができますよ」


 裸の付き合い············。

 レイ殿との、ちょっと興味があるであります。

 ()()()()()は見たことあるどころかもっとすごいことをしたでありますが、一糸纏わぬ姿というのはまだであります。


 前にミウ殿と着替えを目撃したことはあるでありますが············レイ殿、たくましい身体付きだったであります。


「行かないのならワタシ一人で行きますよ?」


 ミール殿は止めても聞かなそうであります。

 それに小生も確かめたいことがあるであります。

 レイ殿とあの仮面の男が同一人物か否か。


 ここ最近で小生の奥義を見せたのはあの仮面の男に対してだけのはずであります。

 レイ殿と仮面の男が同一人物なら説明がつくでありますが············あの男がレイ殿?

 ちょっと想像つかないであります。







(ミールside)


 せっかくの広い入浴施設です。

 ワタシ達以外誰も来ないでしょうし、レイさんと共に汗を流しましょう。


 ワタシがそう言うとルナシェアさんは迷いながらも一緒についてきました。

 姉さんは恥ずかしそうにまだ迷っていますね。


 ······それにしても改めてルナシェアさんの身体を見ると胸がなかなかに大きいです。

 姉さんもそこそこに大きい方です。



 ······ワタシは············大丈夫です。

 まだ成長の余地があります。


 レイさんは胸の大きな女性に目がいくようです。

 まあ、レイさんに限らず大抵の男性はそうみたいですが。

 リンさんやスミレさんはワタシと同じくらいでした。ルナシェアさんはかなりの強敵かもしれませんね。


「失礼します、レイさん」


 ワタシとルナシェアさんの二人で男湯に入りました。姉さんは決心がつかずにいたので置いてきました。

 レイさんはワタシ達の乱入に驚いているようです。


「ミール、ルナシェア!? こっちは男湯だよ」

「わかっています。今日はメイドさんに代わってワタシ達が背中を流してあげますよ。レイさん」


 グラムさん率いるメイドさん達もこうやって乱入することがあるみたいですし、誰もいないのですから問題ないです。

 レイさん以外の男性が入っていたらさすがに躊躇しますが。



 レイさんは湯船に浸かりのんびりしていたところだったみたいですね。

 ルナシェアさんは顔を赤くしながらレイさんを凝視しています。


「では失礼しますね、レイさん」


 ワタシは身体を洗ってから湯船に入りレイさんの隣に浸かりました。

 ルナシェアさんも緊張した様子でワタシと同じように反対側に浸かりました。


「いや二人とも、さすがにまずいんじゃ······。それにエイミは?」

「向こうに置いてきました。なかなか決心しなかったもので」

「······ルナシェアは、こういうことしていいの?」

「も、もも、問題ないでありますよ!」


 ルナシェアさんが緊張した姉さんのように噛みながら言いました。


「そ、それに······レイ殿に確かめたいことがあるであります!」

「確かめたいこと?」


 ルナシェアさんの言葉にレイさんが首を傾げました。何を聞きたいんでしょうか?


「レイ殿、まずは浴槽から上がってほしいであります」

「え、でも······」

「出てほしいであります」


 ルナシェアさんが二度言うとレイさんはためらいながらも浴槽から出ました。

 ちゃんと腰にタオルを巻き、大事な部分は隠していますよ。


「ふ~む······」


 ルナシェアさんはレイさんの身体を上から下へと真剣に見ています。


「あの、ルナシェア?」

「改めて見るとレイ殿の身体は引き締まって立派でありますな」


 ルナシェアさんの言葉に、レイさんは何と答えていいかわからず照れた表情になっています。


「先ほどの手合わせでレイ殿は小生と同じ奥義を使っていたでありますが、どこで覚えたでありますか? あの奥義は小生の家に伝わるオリジナルのはずでありますが」


 聞きたいこととはそのことだったのですか。

 ワタシは剣術には詳しくないのでよくわかりませんが、ルナシェアさんの奥義は普通は他の人は使えないもののようです。


「冥王との戦いでも使っていたでありますよね? 見て覚えたにしても小生はレイ殿に見せたことはないはずでありますが」


 ルナシェアさんがレイさんに問います。

 見て覚えたというと、そういえばルナシェアさんはあの奥義を以前に()()()に対して使っていましたね。



 もしかしてレイさんの身体をじっくり観察していたのは、レイさんと仮面男が同一人物だと疑っているからだったのですか?

 レイさんはどう答えるべきか困っています。



 ルナシェアさんにならバラしてしまってもいい気はしますが······。

 ここはワタシがフォローすることにしましょう。








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