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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第四章 スミレの故郷 幻獣人族の里
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182 ルナシェアのお願い

 冥界の神の使いを名乗ったジャネンと言葉を交わしてから数日が経った。

 学園敷地内も特に異変はなさそうなのでアイラ姉の(アイテム錬成)とオレの(素材召喚)スキルの力で学園校舎を元通りに建て直した。

 もうしばらく様子を見たら授業再開とするようだ。




 いつもの朝の鍛練が終わり寮の部屋で暇を持て余していた時、ルナシェアが訪ねてきた。

 本殿の仕事も大分落ち着いてきたらしい。

 それはいいんだけど護衛無しで来ていいのかな?

 リンは本来の護衛対象であるセーラの護衛をしているみたいだが。


 ちなみにエイミとミールは出掛けていて今はオレ一人だ。


「レイ殿達に2つお願いがあるであります。1つはリヴィア教会からの聖女としての正式な依頼、もう1つは小生からの個人的な頼みであります」


 ルナシェアがそう話を切り出した。

 2つのお願いか。なんだろうか?


「つい先日、()()()の聖女候補が女神様の洗礼を受けたのであります。1つ目のお願いはレイ殿達にその子のレベル上げを依頼したいであります」


 ルナシェアの話によると新たな聖女候補と勇者候補が誕生したらしい。

 どちらもルナシェアよりも年下の少年少女だとか。



 勇者候補の少年はある程度実力があるようだが、新たな聖女候補はまだレベルが低いので、オレ達にレベルアップを頼みたいそうだ。


 聖女候補はエレナ。

 勇者候補はユウという名らしい。

 ······ユウ?

 もしかしなくても以前会った少年のことかな?



 同じ名前だし勇者のスキルを持っていたので間違いないだろう。

 エレナという名前の子は知らないな。

 幼なじみの子は確かテリアという名だったはずだし。



 まあレベル上げをするのは別に構わないな。

 アイラ姉も反対しないだろう。

 シノブにも後で確認しておこう。

 新たな聖女エレナのレベル上げは明日以降ならと受けることにした。


「もう1つの方は······レイ殿、小生と模擬剣を使い手合わせしてほしいであります!」


 個人的な頼みというのはオレとの手合わせらしい。

 何故に突然そんなことを?

 冥王を倒しルナシェアのレベルは400を超えている。力試しでもしたいんだろうか?


「まあ別に手合わせくらいならいいけど」


 特にこの後やる予定もなかったし問題ない。

 王国騎士団の鍛練場だと目立ちそうなので学園のグラウンドでルナシェアと手合わせすることにした。

 まだ立ち入り禁止は解除されてないけど邪気の気配もないし大丈夫だろう。


「ただいま······あれ? ルナシェアさん」

「二人でどこかに出掛けるのですか?」


 外に出ようとしたら丁度エイミとミールが帰ってきたようだ。

 オレは二人にこれからルナシェアと手合わせすることになったと説明する。


「ワタシもそれに付き合ってもいいですか?」


 どうやらミールはオレとルナシェアの手合わせに興味があるようだ。

 まあオレは構わないけど。

 ルナシェアも問題ないと頷いた。


「じゃ、じゃあわたしも行くよっ!」


 エイミも手を挙げ、四人で学園のグラウンドに向かった。

 見張りの騎士がいたので中に入る許可をもらう。

 ルナシェアが話したらすんなり許可が下りた。

 さすがは聖女様だな。



 学園の校舎は昨日アイラ姉が復元したのですっかり元通りだ。

 グラウンドの方も邪気の気配もなく問題ない。


 さっそくルナシェアと手合わせを始めることにした。お互いに刃を潰してある模擬剣を構える。

 エイミとミールは少し離れて見学だ。



[ルナシェア] レベル420

〈体力〉55500/55500

〈力〉31000〈敏捷〉28900〈魔力〉39700


〈スキル〉

(聖女の資格〈5/9〉)(聖なる守り)

(浄化の息吹)(聖剣術〈レベル9〉)

(身体強化〈極〉)(詠唱破棄)

(異世界人の加護〈小〉)




 これが今のルナシェアのステータスだ。

 冥王を倒した経験値の影響で凄まじいレベルアップをしたものだ。

 それに(聖女の資格)も冥王を倒したことで試練達成となったようでカウントが1つ増えている。


 同じ聖女であるセーラとアルケミアも同様のレベルアップをしていたが、ルナシェアは正式な加護を受けているからステータスが飛び抜けている。


「では······いくであります! レイ殿!」


 まずはルナシェアから仕掛けてきた。

 オレは正面からルナシェアの剣を受ける。

 もともとは騎士を目指していたと言っていただけに動きに無駄がない。


 何度か打ち合うとお互いの模擬剣が折れてしまった。やはりオレ達のステータスでは並の武器は耐えられないようだ。

 少し素材の良い武器を取り出しルナシェアにも渡して仕切り直す。


「どうもであります、レイ殿」

「じゃあ今度はこっちからいくよ」


 今度はオレから仕掛けていく。

 ルナシェアがそれを受け、負けじと反撃してきた。

 激しい攻防を繰り返す。

 ············結構楽しくなってきた。


「奥義······蒼牙閻彗翔っ!!!」


 ルナシェアが(聖剣術)の奥義を放ってきた。

 軽い手合わせで使う剣技じゃないだろ、それ!?

 オレも冥王との戦いで使ったがかなり強力な奥義だ。


 まともに受ければちょっとヤバいかもしれない。


「はあっ!!」


 オレもルナシェアと同じ奥義を放ち威力を相殺した。オレの方が威力が強く、ルナシェアを後ろに弾いた。

 体勢を立て直そうとしたルナシェアだが、それよりも早くオレはルナシェアの首筋に剣を突きつけた。


「ま、まいったであります······」


 ルナシェアが負けを認めたため手合わせ終了となった。

 初めて会った時と比べてずいぶん強くなったものだ。もう冥王クラスの敵が現れない限り負けることはないだろう。


「レ、レイ殿は息があがってないでありますな······」


 ルナシェアは立つのもキツそうなくらい息があがっている。

 結構激しく動いたからな。

 オレはレベルが高いのとアイラ姉の地獄の特訓のおかげでこの程度では息切れしない。



 この後エイミとミールも今の自分の力を試したがっていたので手合わせに付き合った。





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