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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第四章 スミレの故郷 幻獣人族の里
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180 戦いの後始末

本編再開です。

 冥王を倒し、学園地下迷宮が消滅してから三週間が経った。


 元凶の冥王を倒し、今回の件は解決となったが色々と後始末に大忙しとなっていた。



 まず学園は一時休校となっている。

 まあ校舎が跡形も無く消滅してしまっているからな。授業再開と行きたくてもこれはしょうがない。


 それに冥王を倒し、邪気を浄化したといってもまだ本当に安全なのかは様子を見る必要がある。



 それにしてもあの圧倒的強さの冥王によく勝てたものだ。

 どうやらオレはこの黒いマスクを使えば冥王をも上回る力を引き出せるらしい。

 冥王はこれを〝神具〟とか言って驚いていたがそんなにすごい物なのか?


 もしまた冥王が復活したり、別の冥王が攻めてきてもコレがあればなんとかなりそうだ。

 ············でも、出来ればこの力には頼りたくない。


 あのマスク姿で冥王を倒したことで正義の仮面は英雄扱いになってしまっている。

 国王も正体を知りたがっていた。

 正体を見極め恩賞を与えたいらしいが······。

 もうあの姿にはなりたくない。





 冥王を倒したことで色々と劇的な変化があった。

 まずはオレ達のレベルだ。



[レイ] レベル855

〈体力〉145500/145500

〈力〉92300〈敏捷〉85400〈魔力〉122000


〈スキル〉

(全状態異常無効)(素材召喚)(神眼)

(獲得経験値10倍)(同時詠唱)(暴食)

(強化再生)(連携)(聖剣術〈レベル9〉)

(限界突破)(分身)(各種言語習得)

(異世界の絆〈4/5〉)




 オレのレベルは一気に300以上上がっていた。

 冥王を倒したことで、その莫大な経験値が入ってきたらしい。

 しかもアイラ姉とシノブのスキルを合わせた獲得経験値2000倍状態で。

 もはや弱体化していた冥王なら軽く上回っている。


 ちなみにアイラ姉はレベル912。

 シノブはレベル769。

 セーラ、アルケミア、グレンダさん含む迷宮攻略組、そしてエンジェとグラムのレベルは全員400を超えていた。


 避難していた騎士や一般生徒達には残念ながらその経験値は入らなかったようだが。



 しかし、冥王にトドメを刺したオレがレベル300以上上がるのはわかるがアイラ姉とシノブも同じくらい上がっていた。

 他のみんなはレベル200前後上がったくらいか。

 経験値の振り分けられ方がいまいちわからないな。


 相手が冥王だから普通の魔物とは経験が違うのだろうか?

 まあそんな細かいことはいいか。



 そういえば冥王との戦いで聖剣エルセヴィオが神剣に変わっていたが、気がついたら元の聖剣に戻っていた。

 あれは一時的なパワーアップだったのか?

 そもそもオレ自身どうやって神剣に進化させたのかわからないんだよな。


 それともう一つ、冥王の大鎌がオレのアイテムボックスに入ってるんだよな······。

 これどうしようか?



「レイ、起きろ! 朝の鍛練の時間だぞ」


 アイラ姉が寮のオレの部屋にわざわざ起こしにやってきた。

 冥王との戦い以降、朝の鍛練が日課になっている。再び冥王が現れてもいいように自分を含めて徹底的に鍛え直すそうだ。

 オレもそれには賛成だ。


 エイミとミールもアイラ姉の声で目覚めた。

 二人も自主的にオレ達の鍛練に参加していた。


「目標はあの仮面の男を上回る力を身に付けることだ!」


 アイラ姉はそう意気込んでいた。

 どうやら正体がオレだと気付いてはいないようなのでそのことにはホッとした。


 そういえばアイラ姉との決闘は中断してしまったが再戦とかあるのだろうか?

 ······いや、考えないようにしておこう。



 学園は臨時休校だから里帰りしてる人もいるが、寮には多くの生徒が残っている。

 アイラ姉の朝の鍛練に参加したいという人も多くいる。


 キリシェさんも参加していた。

 もちろんシノブとスミレ、エンジェもだ。

 リイネさんは王族としての仕事が忙しいらしく王城に戻ってしまっているので今は寮にいない。



 朝の鍛練は学園のグラウンドは立ち入り禁止で使えないので王国騎士団の鍛練場を特別に使わせてもらっている。


 みんなアイラ姉の特訓についていけるくらい高レベルになっていた。

 オレ達がいなくても迷宮で現れたゾンビ軍団くらいならなんとかなりそうな気がする。


 1~2時間ほど身体を動かしたら鍛練は終了となり解散した。

 この後は汗を流したらアイラ姉と今後について話し合う予定だ。



 学園地下迷宮は消滅し、国王からの依頼も達成した。まだ報酬は受け取っていないが忙しそうだし後になるだろう。

 国王からの最初の約束だった先代勇者の資料をいくつか見たが元の世界に帰る有力な手がかりはなかった。


 依頼を達成したからといって学園をいきなりやめるつもりはないが今は休校中だ。

 その間に元の世界に帰る手がかりを探したいと思っている。



 以前エンジェが言っていた異世界からの召喚術と送還術という技術があるという話が気になる。

 魔法に長けた種族なら何か知っているかもしれない。


 オレ達が知っている魔法に長けた種族といえばエルフと妖精族くらいだが。

 エルフといえば同じクラスのフェルケンとフェニアだが二人はオレ達が異世界人だということは知らないんだよな。

 学園長のリプシースさんはまだ忙しそうだし。



 もう一方の妖精族はアルネージュの町のオレ達の家にいるエアリィくらいしか知り合いはいない。

 エアリィははぐれ妖精で故郷の場所がわからなくなり帰れないんだったよな。

 妖精族の里に一度行ってみたい気もするのだが。




「レイ、アイラ」


 鍛練の帰り道、そんなことを考えながら歩いていたら突然声をかけられた。

 他のみんなは先に帰ったため、この場にいるのはオレとアイラ姉だけだ。


 声の主はリイネさんだった。

 後ろには護衛のための王国騎士が数人いる。

 基本自由人で忘れがちになるがリイネさんは王女だからな。


「リイネか、今日は王族としての仕事はないのか?」


 アイラ姉がリイネさんに言う。


「これからその仕事だ。学園のグラウンドまで行くのだがお前達も一緒に来てくれないか?」


 リイネさんの話によると学園跡地に異変が起きていないかの調査をするらしい。

 まあそれくらいなら付き合ってもいいかな。

 アイラ姉も了承してオレ達は学園に向かう。



 冥王によって学園校舎は跡形もなく消滅してしまった。

 問題が無ければオレとアイラ姉のスキルの力で学園校舎を復元するつもりだ。


「ロディンは今日は王城で仕事してるの?」

「ああ、忙しすぎて文句ばかり言っているぞ」


 オレの問いにリイネさんは他人事のように笑って言った。

 そういえばグレンダさんも忙しそうにしていたし、ミウとユーリも貴族として色々動いていたな。


 雑談しながら学園跡地に向かった。

 そんなに遠くないのですぐにたどり着いた。

 ん? グラウンドに誰かいるみたいだ。


「妙だな。学園敷地内は立ち入り禁止にしているはずだが」


 リイネさんも気付き怪訝な顔をする。

 誰だろうか?

 フード付きのローブを身に纏って顔が見えない。

 怪しい人物だな。

 ローブの人物はグラウンドの土を調べていた。



「結局回収できたのはこれだけか。

まさかアジュカンダスがしくじるとはな」


 ローブの人物は何かを拾ったような仕草でそんなことをつぶやいている。

 アジュカンダス? ······冥王の名だ。

 しかも呼び捨てで言っている。

 こいつ冥王の関係者なのか?



 まさか新たな冥王とかじゃないだろうな。






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