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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第二章 始まりの町アルネージュでの出来事
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21 決戦!オークキング現る

 セーラ達との話し合いを終え、数日が過ぎた。

 オークの群れが大きく動き始めたようだ。

 オークキング率いるオークの軍勢が町に向けて攻めてきたと。

 絶対に町に入れるわけにはいかない。



「町の平和は我々が守る! オーク共に遅れをとるな!」

「我らには女神様の加護がある、恐れることはない!!」



 王国騎士と神殿騎士のそれぞれの隊長が声をあげ、士気を高める。

 騎士達もそれに応え、皆オーク達を恐れている様子はない。冒険者側も同じように士気を高める。


「しかし、すごいな······」


 探知魔法で調べたのだが、MAPがほぼオークで埋まっている。

 数万という話は聞いていたが凄まじい数だな。

 今までどこにいたんだコイツら?




 騎士と冒険者が次々とオークを倒しているようだ。探知からオークの反応がどんどん消えていく。

 数が多くても普通のオークは雑魚だからな。

 ()()()()()()()()守りの石もあるし油断さえしなければやられはしないだろう。



 問題はハイオーク、そしてグレートオークだな。ハイオークはレベルの高い奴は30くらいある。

 数人がかりで倒せばいいが一対一だとキツそうだ。



「アイラ姉ちゃん、おれ達も行くよっ」


 声をあげたのはリュウ達年長組の子供達だ。

 アイラ姉の特訓により子供達のレベルは30近くになっている。リュウに至っては39だ。

 騎士やベテラン冒険者に匹敵する。

 その上、アイラ姉の教育もありその力に溺れることもない。しかしアイラ姉は首を横に振った。


「いや、お前達は連れて行けない」

「でもアイラ姉ちゃんっ············」

「お前達は町に残り、万が一に備えて町を守るのだ」


 アイラ姉が子供達をそう言って宥める。

 まあ子供達を心配しての言葉だろうな。

 オークやハイオークはなんとかなるかもしれないがグレートオークになると子供達では厳しい。


「皆、町のことを頼んだでござるよ」


 シノブもアイラ姉の言葉に乗り、説得する。

 シノブと子供達年長組は同じくらいの年ということもあり仲が良い。

 そしてシノブの実力を皆知っている。


「シノブさん、アイラ姉ちゃん············うん、わかった! 町のことはおれ達に任せてくれ! レイ兄ちゃんも気を付けて!」


 なんとか納得したようだ。

 さて、他人の心配もここまでだ。

 オレ達も気を引き締めよう。








(セーラside)


 遂にオークの軍勢が攻めてきました。

 数はおよそ数万。グレートオーク13、そしてオークキング。オークキングさえ倒せばオーク達の統率はとれなくなり脅威ではなくなるはずです。


「皆さん、絶対に命をなくさないように。生きて皆で勝利を祝うのです!」

「「「おおーーーっ!!」」」


 私の言葉で騎士の皆さんが奮い起ちます。

 アイラさんからいただいた守りの石で命の危険は少なくなっている。

 それでもやはり心配です。



 王国騎士、神殿騎士、そして冒険者。

 あらかじめ決められた配置で四方からオーク達を迎え撃ちます。

 皆戦闘能力は高くオークを次々と打ち倒していきます。


「グレートオーク出現! 作戦通り攻めろ!」


 的確な連携でオーク軍を攻めていきます。

 皆さん頼もしいです。


「わたし達もそろそろ行きましょう! セーラ様、わたし達から離れないでください!」


 リンの言葉に頷きます。

 私の護衛であるリン、そしてレイさん、シノブさん、アイラさんと供にオークキングのもとを目指します。


 凄まじいまでの戦場です。

 私は足の震えを懸命に堪えます。


「ブモオーーッ!!」


 オーク達が次々と襲いかかってきます。


「させるかぁーーっ!!」


 リンの大剣がオークを斬り裂きます。


「シノブ、アイラ姉、オレ達もやるよっ!」

「ウム、存分に行こう!」

「承知でござる!」


 レイさん、シノブさん、アイラさんも戦います。

 三人ともやはり強いです。

 彼らは冒険者ギルドでも有名人でした。

 本人達は目立たないようにしたいと言っていましたがすでに手遅れのような気がします。



 アルネージュの町の食料問題を解決し強力な魔物を狩っていく。

 彼らの活躍はすでに町中に知れ渡っています。領主様や大司教様も彼らと接触する機会をうかがっているとか。

 彼らは自分達が町でなんと言われているかご存知なんでしょうか?



「不浄なる者を払えっ、セイクリッド·レイ!!」


 私も魔法で彼らを援護します。

 ここは戦場です。

 余計なことを考えるのはやめにしましょう。


〈レベルが上がりました。各種ステータスが上がります〉


「············え?」


 私のレベルが一気に5も上がりました。

 早すぎるレベルアップです。

 リンもレイさん達と特訓するとレベルアップが異常に早いと言っていましたが本当でした。


 普通はレベルを1つ上げるのにも何ヵ月もかかるものなんですが。アイラさんが鍛えていた孤児院の子供達も高いレベルでした。

 彼らにはやはり秘密があるようです。


「ブグルアアーーッ!!」


 グレートオークが現れました。

 レベル63。レベルが高く私の鑑定魔法ではステータスが見えません。


「ここは拙者に任せるでござるっ!」


 そんな高レベルのグレートオークもシノブさんの小太刀であっさり倒されました。



 リンの言っていた通り あれはオリハルコンの小太刀です。

 レイさんとアイラさんの武器もオリハルコン製です。一体そんな伝説級の武器をどこで手に入れたのでしょうか?



〈レベルが上がりました。各種ステータスが上がります。新たな魔法を覚えました〉



 またレベルアップですか!?

 確かに異常です。

 まるでグレートオークを何百体も倒しているみたいです。


「みんな、オレの後ろに! エアスラッシュ!!」


 レイさんが魔法を放ち、周囲のオークが倒れます。見渡せる限りのオークが全滅しました。

 エアスラッシュは「風」属性の下級魔法のはずですがまるで上級魔法のような威力です。

 それだけレイさんの魔力が高いということです。


 私の鑑定魔法では彼らのステータスはおろかレベルすら見えません。

 一体どれ程のレベルなのでしょうか。



―――――ブモオーーッ!!!!!



 凄まじい唸り声が響きました。

 グレートオークが3体。

 そしてそのグレートオークよりもさらに巨体のオークが現れました。



[オークキング] 鑑定不能



 遂に現れました。オークキング。

 レベルもステータスも見えません。

 しかしその姿を見ただけで体の震えが止まりません。


「ブグ······貴様ガ、聖女ダナ············」


 オークキングが言葉を発しました。


「しゃべった!?」


 レイさん達が驚きの声をあげます。

 人の言葉を理解できる魔物の存在は知っていましたが、まさかオークキングが言葉を発するとは思いませんでした。


「聖女、魔王サマノ······生贄······」


 魔王······!? 魔物達の頂点に立つ王。

 何百年も前に勇者様に討たれたという話ですが復活したのですか!?

 それとも新たに生まれたのでしょうか。

 どちらにしろ最近の魔物の異常発生は魔王の仕業なのでしょう。


「セーラ様下がってください! 危険ですっ!」


 リンが私の前に立ちます。

 オークキングはそれを不快そうに見ます。


「下等種ガ············邪魔スルナッ!!!」


 オークキングが自身の持つ巨大な斧を振り落としました。

 リンの大剣が小さく見えてしまいます。



―――――ズウゥウウーーンッ



 リンが庇ってくれたおかげでオークキングの攻撃を避けられました。

 オークキングが斧を振り落とした場所に巨大な穴が開きました。

 ······なんという威力。

 グレートオークの力は凄かったですがオークキングはそれ以上です。

 


 ·········これ程の怪物、私達に倒すことが出来るのでしょうか?






もうオークキングが現れました。

あまりダラダラやってもつまらないだろうと思い、展開を早くしています。

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