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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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178 激戦

 シノブに付与してもらった(限界突破)のスキルの効果でオレのステータスが大幅に上昇した。


 体力と生命力を犠牲にしてステータスを上げるはずだったがどうやら(全状態異常無効)スキルのおかげでマイナス効果が相殺されているようだ。

 時間制限はあるがノーリスクでステータスが上昇していた。



 オレは聖剣を構えて冥王に斬りかかった。

 (限界突破)を使用してもまだ冥王の方がステータスは上のようだ。

 オレの攻撃はすべて防がれてしまう。


「レイ、無茶をするな!」


 アイラ姉が加わり二人がかりで冥王を攻撃する。

 エンジェとグラムは深い傷を負わされていたから一旦下がってシノブのポーションで回復していた。



「「「ソウル·アセンション!!!」」」


 セーラ、アルケミア、ルナシェアが冥王に向けて「聖」魔法を放った。

 空から「聖」なる光が降りそそぐ。

 三人が協力して放った魔法の威力は凄まじく、さすがの冥王にも効いているようだ。


 逆にオレとアイラ姉は光を浴びたらなんだか力が沸いてくる感覚がした。


「ぬうっ······女神の力か? 小賢しい真似を」


 冥王が魔力を解放し、光をかき消した。

 さらに武器の大鎌をセーラ達に向けて投げつけた。


 (覚醒)スキルを使ったリンがセーラ達を守るが、冥王の大鎌がリンの身体を深く切り裂いた。

 重傷を負いながらもリンは大鎌を弾き飛ばす。


闇の流星群(ダークメテオ)


 冥王がオレとアイラ姉の攻撃を受けながら魔法を放った。

 空から岩のような塊が次々に降ってくる。


 ミール達が全力で学園全体に結界を張り、なんとか防いでくれた。

 だがギリギリだったようだ。

 魔力をほとんど使い切ったようで今にも倒れそうなくらい顔色が悪い。

 もう一回同じのがきたらヤバいな············。


「聖魔退斬剣っ!!」


 オレは(聖剣術)を冥王に向けて放った。

 冥王は手元に戻ってきた大鎌で受け止めた。


「レイ、どくのだ! 光破連鳴撃っ!!」


 アイラ姉も続け様に剣技を放つ。

 いつの間にかアイラ姉も(限界突破)を付与してもらい使っていた。

 ステータスが大幅に上がっている。


「その程度の力では我を倒すことなど出来ぬ!」


 アイラ姉の剣技すら受け止め反撃してきた。

 冥王の連続攻撃がアイラ姉を襲う。



―――――――!!


 冥王の攻撃に耐え切れずアイラ姉のオリハルコンの武器の刀身が折れてしまった。

 冥王の大鎌はオリハルコン以上の強度なのか!?


「私とてその程度では引かぬぞ!」


 アイラ姉が折れた刀を捨ててアイテムボックスから別のオリハルコンの刀を取り出した。


「なに、予備の武器だと? 何故貴重なオリハルコンの武器を複数持っている?」


 冥王にとってもオリハルコンは貴重なのか。


「だが、満足に力を引き出せていないのではオリハルコンといえど我の脅威にはならぬ!」


 満足に力を引き出せていない······か。

 前にドワーフ工房のドルフさんもそんなことを言っていたな。

 やはりちゃんとした職人に武器を打ってもらうべきだったか?


 いや、今そんなことを言っても仕方無い。

 無い物ねだりしてる時じゃないからな。


「隙ありでござる!」


 冥王の背後からシノブが攻撃を仕掛けた。

 シノブの持つオリハルコンの小太刀には「聖」属性の力が溢れていた。

 セーラ達がシノブに「聖」の力を送っているようだ。


「無駄だ」


 冥王が振り向き様にシノブを両断した。

 シノブの上半身と下半身が泣き別れる。

 しかし血は流れず、シノブの身体は霧のように消えてしまった。


「今度こそ隙ありでござる!」


 別の方向から()()()シノブが現れ冥王の身体に斬りつけた。

 今消えたのは(分身)スキルで生み出したものだったようだ。


「············シノブ、ボクも力を貸す」


 さらにシノブの影に隠れてスミレが追い打ちをかけた。

 スミレの(奈落の剣(アビスブレード))が冥王の身体を貫いた。

 冥王の身体から大量の紫色の液体が流れる。


「我の肉体をここまで傷つけるとは······だが好都合だ」


 冥王から流れた紫色の液体が地面に溶け込み、じわじわと大地を侵食している。

 何をするつもりかはわからないが放っておいたらヤバそうだ。


「ハーケン·スラッシュ」


 冥王が円状に大鎌を振るいシノブとスミレを弾き飛ばした。

 二人とも武器でうまく大鎌を防いだが、冥王はスミレに向けて追い打ちをかけてきた。


「スミレ!」


 オレは反射的にスミレの前に出て聖剣で冥王の大鎌を受け止めた。

 くっ、(限界突破)でステータスを上昇させて尚、冥王の方が力は上だ。

 それにそろそろ(限界突破)の効果が切れそうだ。


「············ご主人様······」

「スミレ、早く下がれ! これ以上持ちそうにない」


 一瞬スミレは躊躇したがオレが強く言うとその場を離れた。


「ハーケン·デス·クラッシュ」


 冥王が次々と攻撃を加えてくる。

 とても防ぎ切れそうにない············。



――――――――――!!


 しまった!?

 冥王の連続攻撃に耐え切れず聖剣を弾き飛ばされた。聖剣が宙を舞い、遠く離れた場所に突き刺さる。

 ヤバい·······! とても拾いに行く余裕はない。


「これで終わりだ」


 冥王の腕から凄まじい魔力の波動が放たれた。

 聖剣を失ったオレは防ぐ手立てがない。

 冥王の放った攻撃をまともに浴び、はるか後方まで吹き飛ばされた。


「レイっ!?」


 アイラ姉や他のみんなが心配する声をあげたのが聞こえた。

 オレはそのまま学園敷地外まで吹き飛ばされた。


「······()っ······」


 全身ボロボロだがなんとか生きてるようだ。

 ずいぶん学園から離れた場所まで飛ばされたものだ。

 一般人は安全な場所に避難しているようで周囲に人の気配はない。



 しかし冥王の力を甘く見過ぎていたな······。

 このままじゃとても勝ち目はない。



 どうするべきか考えていた時、オレは無意識に()()()()手に掴んでいた。










次回、変態男が登場しますがシリアスです。

シリアスになる······と思います。

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