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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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172 冥王の目的

 冥王アジュカンダスは想像以上にやばい奴だったみたいだ。

 弱体化しているらしいが、それでもステータスはオレ達を上回っている。


 というかこんなやばい奴が力の大半を割いて何の儀式を行ってるんだよ。

 冥王の後ろには巨大な容器のようなものがあり、その中に禍々しい邪気が集められている。



(陰魔の杯〈アイテムランク10〉)

邪気を別のモノに変換する特殊な魔道具。



 邪気を別のモノに変換?

 よくわからないけど邪気を集めて何かを作ろうとしているのか?


「人族の領域で何をしているのだ?」


 アイラ姉がオリハルコンの刀を抜いた。

 アイラ姉もこいつのヤバさを感じているようだ。


「見ての通りだ。この地に発生した特異点を集めている。我が神が必要としているものだ」


 特異点、つまり邪気を集めていると。

 我が神というのは冥界の神とやらのことか?


「何故わざわざ人の住む領域で行う? 自分達の領域で集めればいいだろう」


 アイラ姉の言う通りだ。

 なんでわざわざ王都の学園の地下に迷宮を作ってそんなことをしているんだ?


「この地にはかつてない程に特異点が発生している。我が地においてもこれ程の特異点は見られない」


 原因はわからないけどこの地に邪気が大量に発生していて、それが欲しいから集めていると······。

 確かに滅多に現れない魔物の変異種がしょっちゅう現れたりしていたし、冥王でも注目するくらい異常なことなのかな。


「お前達にとっても悪い話ではあるまい? 特異点は我らには有益な物だが生ある者には有害な物のはず」


 なるほど、冥王が邪気を集めればこの地の異常は収まるかもしれない。

 だがそんな簡単にいくのか?


「それほどの特異点とやらを集めて何事もなく済むのか?」


 アイラ姉がさらに問う。

 冥王の後ろにある容器には邪気が大量に集められている。

 オレでもやばいと感じるくらいに。

 何事も起きないとは思えない。


「この地の特異点は我の予想以上に膨大だ。すべてを集め、変換する際にお前達が王都と呼んでいる人の住処は跡形もなく消滅するだろう」


 何事も起きないとかじゃない。

 王都が跡形もなく消滅って······とんでもない事態じゃないかよ。


「やはり放っておくわけにはいかぬな。自分達に必要な物を集めたらこの地は用無しというわけか。特異点を集めるだけなら何故迷宮の外でアンデッド達に人を襲わせる?」


 そういやそうだな。

 邪気が欲しいだけなら魔物を外に出す必要はないだろう。


「我が眷属達にはこの地から人族を追い出すよう命じたが、予想以上に人族の抵抗は激しいようだな。生ある身で我が眷属と渡り合うことが出来るとは思わなかったぞ」


 この地から人族を追い出す?

 もしかしてこの地の消滅に巻き込まないように?

 コイツなりに人に配慮しているのかな?



 だが邪気を何に使うつもりかは知らないが、王都が消滅するなら黙っているわけにはいかない。


「特異点を何に使うかは知らぬが、この地を消滅させるわけにはいかない。その儀式とやらを止めさせてもらうぞ」

「この地が消滅するだけでお前達に有害な特異点がなくなるのだぞ? 人の住処などまた作り直せばいいだけであろう」


 アイラ姉の言葉に冥王は理解出来ないといった反応をした。

 作り直せばいいって簡単に言ってくれるな······。

 王都にどれだけの人間が住んでいると思ってるんだよ。

 価値観の違いというやつだろうか?


 アイラ姉も話し合いは難しいと判断したようだ。

 というかこうしている今も邪気がどんどん溜まっていっている。

 悠長にしてはいられない。



 だが実際問題、戦って勝てるだろうか?

 ステータスはオレ達を上回っている上にスキルも色々と多い。



(不滅)

たとえ肉体と魂が滅びても条件が揃えば復活することができる。



 最悪のスキルだな。

 肉体と魂が滅びても復活できるって実質無敵じゃないか?

 どんな条件なのかは詳細が見れない。

 簡単な条件じゃないことを祈るばかりだな。



(黒の魔導書)

「闇」系統の魔法をすべて使用可能になる。



 「闇」()()?「闇」属性とは違うのか?

 こんなスキルなくても冥王ならあらゆる「闇」属性魔法を使えそうだが。


 (冥界の神の加護)の方はクリックしても詳細が表示されないから効果がわからない。

 一番肝心なのが見えないか。



――――――――――!!!!!



 冥王から凄まじい魔力の波動が放たれた。


「お前達と敵対するつもりはないが、我の邪魔立てするのならば容赦はせぬぞ」


 肌がピリピリするような感覚に襲われる。

 オレ達はその程度で済んだが、ルナシェア達は今にも倒れそうな様子で緊張している。


「いでよ、我が眷属!」


 冥王が両腕を前に出すと二つの魔法陣が浮かび上がり魔物が召喚された。



[グールレブィディシュタ] レベル280

〈体力〉228900/228900

〈力〉9500〈敏捷〉7950〈魔力〉6300


〈スキル〉

(冥王の加護〈小〉)(腐蝕)(無限再生)

(眷属生成)(邪気吸収)




[デュラハングール] レベル285

〈体力〉302200/302200

〈力〉10960〈敏捷〉8500〈魔力〉3300


〈スキル〉

(冥王の加護〈小〉)(無限再生)

(身体強化〈大〉)(限界突破)

(邪気吸収)



 以前戦った巨大グールと40階層にいたと言っていた首無しグールだ。

 以前よりもレベルが上がっている上に

(冥王の加護)のスキルまで増えている。


 パワーアップして復活したのか?

 それとも別個体か?

 そんなのどっちでもいいか。



 冥王に加えてボス級のゾンビ2体か············。

 かなりハードな戦いになりそうだ。





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