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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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171 冥王アジュカンダス

「アイラ姉、肩の傷は大丈夫?」


 門番は倒したがアイラ姉の肩の出血は結構派手に見えた。


「ああ、問題ないようだ」


 アイラ姉の肩の傷はすぐに治っていった。

 そうか、前にシノブに付与してもらったスキル(強化再生)の効果か。

 異世界に来てから傷を負うことなんて一度もなかったから死にスキルと化していたが初めて役に立ったな。


「魔物が再生するのは何度も見たが、こうして自分の身体が一瞬で治るのを見ると妙な気分だな」


 アイラ姉が苦笑いしながら自分の肩を動かした。


「見事だったぞ、アイラ」

「かっこよかったわ~、さすがアイラね~」


 リイネさんとキリシェさんがアイラ姉を称賛した。


「あの魔物の破片の中に何かあったでござるよ」

「············ついでにこれももらう」


 シノブとスミレが門番の残骸から何か拾ってきた。

 スミレが持っているのは門番の持っていた武器の(奈落の剣(アビスブレード))だ。

 どうやら気に入ったようだ。

 スミレの武器の(大地の精霊剣)よりも強いからな。

 呪われているとかじゃなさそうだし問題ないか。


 シノブの持ってきたのは············何かの鍵か?



(深淵の鍵〈アイテムランク10〉)

冥界のとある扉を開けるための鍵。



 アイテムランク10ってことはかなり貴重な物だよな。

 門番の守っていた迷宮の最奧の扉を開けるための物じゃないみたいだ。

 目の前にある扉は鍵はかかってなさそうだし。


 冥界のとある扉ってなんだ?

 そもそも冥界ってどこにあるんだよ。



「フム、今は使い道はなさそうだな。レイ、持っていてくれないか?」


 アイラ姉がそう言ったのでオレはシノブから鍵を受け取りアイテムボックスに入れた。

 ま、いらないけど持ってても邪魔にはならないし別にいいか。


「この先が迷宮の最深部か······」


 ロディンが扉を見上げて言う。

 改めて見るといかにも最後だと言わんばかりの扉だ。

 迷宮の守護者は冥王の可能性が高い。

 最低でもさっきの門番より強いだろう。


 アイラ姉ですら傷を負うことになった相手よりもさらに上の奴がいるのか············。



「皆、先に進む覚悟は出来ているか?」


 アイラ姉が全員に確認を取る。

 この中に怖じ気づいている様子の人はいない。


「あたしは大丈夫ですよー!」

「ぼくだってここまで来たんですから最後までついて行きますよ!」


 ミウとユーリが元気良く答えた。


「わ、わたしも大丈夫だよっ」

「アイラさん、今更ですよ」


 エイミとミールも問題ないようだ。

 ちょっとエイミは不安そうだが。


「小生も聞かれるまでもないであります!」


 ルナシェアも剣を掲げながら言った。

 全員やる気充分だ。

 オレだって聞かれるまでもない。


「フム、そうだったな。では先に進むとしよう」


 アイラ姉自身も表情を引き締めた。

 オレとロディンの二人がかりで扉を開ける。

 巨大な禍々しい扉がゆっくりと開かれた。





 扉の先は螺旋状に下に進む道が続いていた。

 魔物の気配はない。

 その代わりとんでもなく濃い邪気が身体に突き刺さるように感じた。



 周りを警戒しながら道を進んでいく。

 かなり長い道を下りていき、ようやく最深部までたどり着いた。


 今までのボス部屋よりもさらに広い大部屋のフロアだ。

 部屋の奧に何かがいる。


 ゾンビの皇帝が纏っていたような衣装を身につけた大柄な人物だ。

 大柄といってもオレ達よりも一回り大きいくらいで今まで見てきた巨大グールとかに比べたら寧ろ小柄に見えるな。



「まさか生ある者がこの最深部までたどり着くとはな」


 オレ達の存在に気付き声を出した。

 こいつが冥王なのか?

 見た目はグールっぽくもあるが人間に見えなくもない。


「こ、これが守護者でありますか······」

「なんという威圧感だ······」


 ルナシェアとリイネさんがその姿を見るなり気圧されたような声を漏らした。

 アイラ姉とシノブは平気そうだが他のみんなはルナシェア達と同じような反応だ。



[アジュカンダス] レベル745(状態:弱体化)

〈体力〉745500/1385000

〈力〉49200〈敏捷〉46500〈魔力〉72600


〈スキル〉

(冥界の神の加護〈大〉)(無限再生)

(眷属召喚)(眷属生成)(眷属大強化)

(生命力吸収)(不滅)(黒の魔導書)

(邪気吸収)



 強い············どころじゃない。

 レベルもステータスもアイラ姉を上回っている。

 〈魔力〉もオレよりも上だ。

 ここまでやばい奴だったとは············。

 名前からしてやはりこいつが冥王か。


 だがステータス表示に(状態:弱体化)と出てる。

 どういうことだ?

 クリックしたら詳細が見れた。



(弱体化)

儀式に力の大半を割いているため一時的に

レベルおよび全ステータス大幅ダウン。



 儀式って何の儀式だ?

 今見えてるステータスは()()()()()()()()()()()()ということだ。

 つまり実際はもっとやばい強さだということかよ。



[アジュカンダス]

冥界の神を崇める六冥王の一柱。〈腐〉の冥王。



 簡単な説明文しか出なかった。

 ()冥王············冥王って1体じゃないのかよ。

 よく考えたら魔王も1体とは限らないよな。

 複数の魔王が出てくる話なんてよくあるし。

 まあ魔王のことは今はいい。



 それよりも()()()()とかいうこいつ以上の存在もいるようだ。

 ゲームとかでも魔王を倒したらさらに強い大魔王が現れることはあるが······現実にそういうのは勘弁だな。




レイ達にとって異世界に来てから初めての格上の相手の登場です。

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