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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
201/735

168 迷宮の外での攻防

(セーラside)


 学園の迷宮よりアンデッドの魔物が次々と湧いてきています。

 王国騎士団、神殿騎士団、そして学園の関係者達が協力して撃退していっています。


 アイラさん達が学園の生徒や教師を鍛えていたようでほとんどの人がレベル50を超えています。

 中にはレベル100に迫っている人もいますね。


「フェニア! お前は後ろに下がっていろ」

「いいえ、フェルお兄様! アタクシも戦えますわよ!」


 特にあのエルフの生徒達が強いですね。

 確かリンと同じクラスだと聞いた覚えがあります。


「フェルケン君、フェニアさん、無茶をしては駄目ですからね!」


 あの人は確か、リンのクラス担任教師のカトリアさんでしたか。

 他の生徒を守りながら魔物と戦っています。

 レベルも77と高く、魔物相手に遅れを取っていません。



 ですが魔物の数が多いですね············。

 魔物は迷宮の入口からだけでなく、学園のグラウンドの下からも湧き出るように次々と現れます。



「セーラ様っ!」


 リンが私のすぐ後ろに現れた魔物を倒してくれました。

 リンもアイラさん達に鍛えられて以前よりレベルが上がっています。


「助かりました、リン」

「セーラ様、油断なさらないようにお願いします」


 リンが油断なく構え、私も気を引き締めました。

 魔物のレベルは50~80くらいですがリンの話によると迷宮内ではレベル200を超えたアンデッドもいたそうです。

 この場に現れないとも限りません。


「ディヴァイン·ジャッジメント!!」


 少し離れたところでアルケミアさんが「聖」魔法で魔物を倒しています。

 私も頑張らなくては······!



―――――――ズズズッ


 グラウンドの中心から一際大きな魔物が湧き出てきました。

 他の魔物よりも強そうです。



[ジャイアントグール] レベル220

ステータスの鑑定に失敗しました。



 現れないで欲しいと思っていたのですが············。

 レベル200超えの魔物です。

 私の現在のレベルを遥かに上回っています。


「お下がりください、セーラ様!」


 リンが大剣を構えて私の前に立ちます。

 レベルはリンよりもあの魔物の方が上です。

 ですがリンはレイさんから正式な加護を受けているのでレベル以上のステータスを持っています。


「うおおーっ!!」


 さらに(雄叫び)スキルで力を上げました。

 リンの大剣が魔物を真っ二つにしました。

 さすがはリンですね。


 ですが相手はアンデッドの魔物。

 簡単には死にません。


「不浄なる気をあるべき姿へ戻せ······!」


 私のスキル(浄化の息吹)の効果で魔物から邪気が完全に消えました。

 邪気を失ったアンデッドの身体は崩れ、土に還りました。



(浄化の息吹)

「聖」属性の効果を最大まで高める。

邪気を無害なものに変換する。



 聖女専用のスキルの為、効果は絶大です。



―――――ズズッ、ズズズッ············


 魔物が次々と現れてきます。

 さすがにレベル200の魔物は何体もいないようですが、レベル100超えは複数確認できました。


 ············キリがありませんね。

 このままではこちらの体力が持つかどうか。


「聖女殿、ここは我々に任せてお下がりください」


 王国騎士団の方々が現れた魔物を倒していきます。

 今、声をかけてくれたのは王国騎士団第三隊隊長のグレンダさんですね。

 ミウネーレさんとユーリ君のお兄さんでもあります。


 第一隊、第二隊隊長さんの姿も見えます。

 みなさん頼もしいですね。


「グオオーッ!!」

「うわあっ!?」


 討ち漏らした魔物が一般生徒に襲いかかっています!?

 ここからでは間に合いません。


「させません!」

「グアアーッ!!?」


 メイド服を着た女性が魔物を倒し、一般生徒を助けました。

 持っている武器はオリハルコン製のナイフでしょうか。


「あ、ありがとう······」

「彼を安全な場所までお連れしなさい」


 彼女の指示で別のメイド服の方が一般生徒を避難させています。


「マスターからのご命令です。一人の犠牲者も出すことなく敵を排除せよと。皆、心して実行しなさい!」

「「「はっ!!」」」


 何人ものメイドさん達が魔物を倒していっています。

 一人一人がとても強いです。


「くかかっ、グラムの奴め······張り切っておるのう」


 いつの間にか私の横にヒラヒラの衣装を着たエンジェさんがいました。


「今代の聖女候補よ、ここはワシらに任せて下がるが良い。聖女は場にいるだけでアンデッド共を弱体化できる。逆に言えばお主がやられれば形勢は一気に傾くことになるのだぞ」


 エンジェさんの言葉にリンやグレンダさん達も同意しています。

 アルケミアさんも他の方々に下がるように言われています。


 皆が戦っている中、安全圏にいるのは、と思いましたがエンジェさんの言うことはもっともです。

 魔力も大分消耗していましたし少し休ませてもらうことにしましょう。




「······しかしアンデッドは腐蝕系ばかりじゃのう。

アジュカンダスが関わっているのは間違いなさそうじゃな。だが奴が何故こんなことを······? 奴は人族の領域を侵略するような考えを持つ輩ではなかったはずだが······」


 エンジェさんが何か考え込むように言っています。

 アジュカンダス?

 一体何のことでしょうか。




「迷宮の最奧に奴がいるのならば、我がマスター達といえど勝つのは難しいやもしれぬな······」




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