167 ゾンビ軍団との大決戦②
ジェネラルゾンビをすべて倒し、あと厄介なのはゾンビの皇帝だけだ。
無数のエリートグールは他のみんなだけでも何とかなりそうだ。
「············」
ゾンビの皇帝が両腕を前に出して魔法を放ってきた。
「闇」属性のダークフレイム············いや、もっと強いやつか?
とにかくとんでもない熱量の「闇」の炎を撃ってきた。
「くらえっ、ディプソード·プリズン!」
オレは「氷」の最上級魔法で反撃した。
炎ごとゾンビの皇帝を凍り付けにしてやった。
―――――――ビシッ
並の魔物ならそれで終わりだっただろうけどさすがはゾンビの皇帝だ。
氷を砕き無理矢理出てきた。
「スキありでござる!」
出てきたタイミングでシノブが小太刀で切り裂いた。「聖」属性を纏わせた小太刀だからかなり効いている。
「これで終わりだ。成仏するがよい!」
アイラ姉が刀で斬り、トドメを刺した。
ゾンビの皇帝の身体が崩れていく。
――――――――!!!!!
それで終わったかと思ったら奴の身体が黒い霧に包まれ、一瞬で再生し元通りになってしまった。
「··················!!!」
復活したゾンビの皇帝からとんでもない魔力を感じる。明らかに復活前よりもパワーアップしているぞ。
(冥王の加護〈大〉)
冥王に認められ、力の一部を与えられた証。
全ステータスアップ。
状態異常耐性大幅アップ。
全属性耐性大幅アップ。
闇属性効果増大。
命が尽きても一度だけ全ステータス大幅アップした状態で復活できる。
このスキルの効果か············。
めちゃくちゃな効果だな。
全体的にステータスや耐性が上がるのに加えて命が尽きても一度だけ復活できる効果があるらしい。
しかも全ステータスが大幅アップした状態で············。
「フム、ならばもう一度倒すまでだ!」
アイラ姉が慌てることなく再び構えた。
シノブも落ち着いているな。
まあ大幅アップしたといってもまだステータス的にはオレ達よりも下だ。
驚きはしたが慌てる程じゃない。
「··················!!」
ゾンビの皇帝が魔法を放ってきた。
無数の魔力の塊が次々と降りそそいでくる。
一つ一つが鉄球のような衝撃を受ける塊だ。
「ホーリーリュオーラ!!」
オレは「聖」属性の最上級魔法を放った。
「聖」なる光の波動が魔力の塊もろともゾンビの皇帝を滅していく。
「············!? ············っ······」
断末魔の叫びをあげそうな表情でゾンビの皇帝は消滅した。
(レベルが上がりました。各種ステータスが上がります)
おっ、レベルが上がった。
復活する様子もない。完全に倒せたようだ。
「ふう············」
さすがに最上級クラスの「聖」魔法は魔力消費が大きいな。
まあオレの魔力量を考えたら少し疲れた程度だが。
「師匠、大丈夫でござるか?」
「ああ、ほんの少し疲れただけだよ」
シノブの言葉にオレは軽く答えた。
オレは魔力の自動回復がかなり早いようでもうほとんど全快している。
ほぼ無制限に撃てるようなものだな。
今更だが改めてチートだよな。
「レイ、シノブ。気を抜くな、まだ皆が戦っているのだぞ」
アイラ姉が言う。
そうだった。一番厄介なのは倒したがまだ無数のエリートグールが残っている。
「聖魔退斬剣!!」
「烈風牙突塵!!」
ルナシェアとリイネさんの剣技でエリートグールを滅していた。
特に加護スキルによってステータスが大幅に上がっていたルナシェアは圧倒的だな。
「アルティメット·スコ~ル~!!」
「衝波斬っ!!」
キリシェさんは相変わらず口調と動きが合っていない。強力の矢を次々と放ち魔物を倒していた。
ロディンはキリシェさんが討ち漏らした魔物を倒している。
「グランドテンペストー!!」
「バーニングコメット!!」
向こうではミウとユーリが魔法を放ち魔物を倒している。
「姉さん、いきますよ!」
「うん、任せてミール!」
ミールとエイミも問題なさそうだ。
「············終わり」
スミレは心配する必要ないな。
エリートグールを淡々と斬り倒していっている。
だがまだ結構な数のエリートグールが残っているな。
オレ達も残りの魔物を倒して回った。
しばらくしてゾンビ軍団は全滅した。
念の為、周囲を「聖」魔法で浄化しておいた。
今の戦闘でルナシェア達のレベルが全員200を超えた。
魔物のレベルが高い上に今はオレとアイラ姉とシノブのスキルで獲得経験値2000倍状態だからな。
ちなみにオレのレベルは493。
アイラ姉は577。シノブは461になっていた。
迷宮の最奧までもう少しだ。
このまま一気に突き進もう。