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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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158 仮面男との闘い②(※)

※(注)引き続き変態男が登場し、お見苦しい表現があります。

(ミールside)


 レイさ······いえ、仮面の男との闘いが始まりました。

 シノブさんにアイラさんを連れてくるように連絡を取ったので五人がかりで足止めをすることになりました。



 ワタシは状況を見ながらリンさん達をサポートするという形を取ります。

 たとえ本気を出しても()()()()なら大丈夫でしょう。


 ミウネーレさんと姉さんがリンさんにサポート魔法をかけたので、ワタシは「氷」魔法で仮面男を足止めします。


 仮面男はリンさんの攻撃を簡単に防ぎました。

 ルナシェアさんも加勢しますが二人がかりでも結果は同じでしょう。


 仮面男がリンさんのスキを突いて攻撃しました。

 ()()()を使ってリンさんの顔面を塞ぎ、完全に押さえ込みました。


「リンさんー!!?」

「ひぃやあーーっ! リ、リンさん!?」


 その光景を見てミウネーレさんと姉さんが悲鳴のような声をあげます。

 まあ············普通は絶句ものの光景ですよね。

 ルナシェアさんも同じようなリアクションです。


 ワタシは············ちょっとリンさんが羨ましいだなんて思っていませんよ?



「リ、リン殿を放すであります!」


 ルナシェアさんの攻撃で仮面男が離れてリンさんが拘束から解放されました。

 リンさんは平気だとは言っていますが、顔がテンパっている姉さんのように真っ赤です。

 手や足も小刻みに震えていますし、しばらくはまともに動けないのではないでしょうか?


「正義の仮面殿! い、今の攻撃はあんまりだと思うでありますが············」


 ルナシェアさんが言います。


「これが私の奥義です。相手を傷つけることなく無力化する最適の手段です」

「た、確かに怪我はしていないでありますが············」


 仮面男が堂々と言い、ルナシェアさんが口ごもります。

 しかしこうして見ると正体を知っているのにレイさんだとはとても思えませんね。


「さあルナシェア殿、どうしますか?今ので怖じ気づいたのなら勝負はここまでです」


 挑発するように仮面男が言います。

 ルナシェアさんは一瞬ビクッとしていましたがすぐに表情を引き締めました。


「お、怖じ気づいてなどいないであります! 小生は闘えるでありますよ!」


 腰が引けているように見えますが············?


「ル、ルナシェア様············ここは退いてください······」

「いえ、リン殿······この程度のことで背中を見せるわけにはいかないであります!」


 ルナシェアさんはまだ闘うつもりのようですね。

 リンさんは身体が麻痺しているようにまるで動けそうにありません。

 ショックのためかそれとも何らかの魔法を受けたのかはわかりませんが。


「姉さん、ミウネーレさん。ワタシ達もルナシェアさんに加勢しますよ」


 このまま黙って見ているわけにもいきませんからね。呆けている姉さんとミウネーレさんの意識を戻します。


「う、うん············わかったよミール!」

「あ······あたし達だって逃げませんよー!」


 二人とも表情を引き締めました。


「その意気や良し! さあ、かかって来なさい!」


 仮面男が構えました。

 アイラさん達が駆けつけるのももうすぐでしょう。







(ルナシェアside)


 気を取り直して小生は剣を構えたであります。

 リン殿は闘うどころか動くことも難しそうであります。特に怪我はなさそうなので精神的な問題でありましょうか?


 正直この仮面の男を甘く見ていたであります。

 その強さもそうでありますが、たとえこちらが敗れても失う物は何もないと思っていたであります。


 先程のリン殿に対する仕打ちを考えたら小生の負けとはすなわち············。

 男性経験など無い小生には厳しすぎる代償であります!


「手加減しませんよー! グランドテンペストー!!」

「わ、わたしも······クリムゾンフレイム!!」


 ミウ殿とエイミ殿が「風」と「炎」の上級魔法を放ったであります。

 もはや手加減無用でありますな。


反転(リフレクト)


 仮面の男はお二人の魔法をそのままはね返したであります。

 上級魔法をいとも簡単に············。


「きゃああー!?」

「ひぃやあーーっ!?」


 ミウ殿とエイミ殿がはね返された魔法を浴びて吹き飛ばされたであります。

 そのままはね返した············ではなくお二人が怪我をしないように威力を抑えて返したようであります。

 お二人とも気を失っているでありますが怪我らしい怪我はないであります。


 相手を傷つけることなく無力化するとは············。

 それほどまでに小生達と仮面の男は実力がかけ離れているということでありますな。


「ディプソード·プリズン!!」


 ミール殿が魔法を放ったであります。

 これは「氷」の最上級魔法でありますか?

 とてつもない冷気がここまで感じられるであります。


「はあっ!」

「うぐ············っ」


 しかしそんな魔法すら簡単に防ぎ、ミール殿を当て身で沈めたであります。


「さあ残るは貴女だけです。素直に負けを認めるのならばもう終わりにしますが?」


 リン殿は動けず、ミウ殿とエイミ殿、ミール殿も立てそうにないであります。

 残るは小生ただ一人············。

 とても勝ち目はないであります。



 でも············だからといって引く気はないであります!

 強大な敵を前にしても一歩も引かないことこそ騎士道であります!


「小生はまだ闘えるであります!」


 震える身体に渇を入れて小生は構えたであります!

 小生にはまだ奥の手があるであります。

 魔物以外に使うのは初めてでありますが(聖剣術)最強の奥義を見せるであります!


 小生はすべての魔力を剣に集中させたであります。


「スウェーゲル流剣術と聖なる力が合わさった

秘奥義··················蒼牙閻彗翔(そうがえんすいしょう)っ!!!」


 最大最強の奥義であります!

 小生の全魔力を剣に込めて仮面の男に振りかざしたであります!

 この剣術は相当な格上相手にも通用する秘奥義であります。

 まともに受ければ到底無傷では済まな············。


「なかなかの剣技です。ですが············はあっ!」

「なっ············ひゃあああっ!!?」


 なんと仮面の男は両手を使い白刃取りで小生の剣を受け止めたであります。

 そのまま勢い余って小生は地に転がされたであります。


 小生の最強奥義ですらまったく通用しないとは······。

 しかしすべてを出し切っての敗北故に悔いはないでありま············。



「見事な奥義でした。その奥義に敬意を評して私も()()()()()で応えましょう」


 忘れていたであります!?

 仮面の男は倒れた小生の真上に立ち、自身の()()()()()と称した男性のある部分を小生に向けてゆっくり近付けてきたであります!?


 ちょっと待ってほしいであります!?

 小生、まだ心の準備が············。


「ひゃあああーーーっ!!!???」


 そんな想いも虚しく、その日小生は生まれて初めての衝撃を味わったであります············。





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