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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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148 休憩中の雑談②

「い、いきなり何を言い出しているのですか

リイネ様!?」


 リイネさんのキスしてみないか発言にリンが慌てて言う。


「リンとレイは付き合っているわけではないのだろう? なら問題ないのではないか?」


 確かにオレとリンは付き合っているわけではないが、王女のリイネさんとキスって別の問題がありそうだが。


「大丈夫だレイ、ここは迷宮内だ。この場にいるメンバーが言い触らさない限り知られることはない」


 それはそうかもしれないけど······。


「いや、でもさすがにそれは······」

「むう、わたしはそんなに魅力がないのか?」


 リイネさんが少し頬を膨らませた。

 魅力がないなんてことはない。

 リイネさんは美人だし大抵の人はそう迫られたら抗えないと思う。


「ならシノブはどうだ? わたしと軽くキスをしてみないか?」

「え······!?」


 矛先がシノブの方に向いた。

 突然のことでシノブも動揺しているようだ。


「せ、拙者はその············遠慮させでもらうでござる······」

「むう、シノブにまで振られたか······さすがにショックだぞ」


 本当にショックを受けているのかわからないがリイネさんが口を尖らせて言った。


「ではレイの本命は誰なんだ? ミールに告白されたとは聞いたが返事はしていないのだろ?」

「ええっ!? そ、そうなんですかレイさん!?」


 また矛先がオレに戻ってきた。

 リンがその話題に強く反応している。

 話したのはアイラ姉かな?

 ミールに告白されたことを知っているのはあの場にいたエイミとアイラ姉くらいだ。


「誰と言われても············まだいないとしか······」


 そもそもミールに告白されるまで本命だとかそういうことを考えたことなかった。

 多分オレは今まで誰かを本気で好きになったことがないんだと思う。



 もちろんミールが嫌いなわけではない。

 あそこまでストレートに告白された以上答えを出さないわけにはいかない。


 だが今のオレには答えが出せない。

 優柔不断だと言われても否定できないがこんな中途半端な気持ちでミールに返事はできない。


「なるほど、ならわたしにもチャンスがあるわけだな」

「リイネ様!?」

「ほ、本気でありますか!?」


 リイネさんの発言にリンとルナシェアが驚きの声をあげた。


「そんなに驚くことでもないだろう? レイを狙っている者は結構いるぞ? ミールだけでなくエイミも怪しい、それにミウネーレ嬢、クラス外の女子もレイに注目していると聞いているぞ」


 エイミやミウはともかくクラス外の女子とはそんなに接点はないはずだ。

 オレに注目しているというのは単に成長促進スキルでレベルを上げて欲しいだけじゃないかな?


「私もそうよ~?」


 キリシェさんは本気なのかわからない。

 その後もリイネさんの本気なのか冗談なのかわからない発言が何回か続いた。





 他愛ない(?)雑談が続く。

 結界を張っているとはいえここは魔物がいる迷宮内なんだけどな············。


「そういえば学園内で正義の仮面とかいう人物が現れているそうだな? 町中でも噂を聞くがどんな人物なんだ?」


 リイネさんからイヤな話題が出てしまった。


「魔法の実験棟が火事になった時に取り残された人を助けたと聞いたわよ~」


 キリシェさんは噂程度には知っているようだ。

 何度かあの姿になっていたからな············。


「セーラ殿やアルケミア殿も何度か助けられたようであります。なかなか立派な行いをする方でありますよ。············少々珍妙な姿でありましたが」

「いえ、あの男はただの変質者ですよルナシェア様」


 ルナシェアとリンがそう付け加えた。

 変質者············まったく否定できないのがツラいな。

 正体がオレだと知っているシノブは何も言わずに苦笑いをうかべていた。


「わたしはまだお目にかかったことがないからな。この目でどういう人物なのか見てみたいものだ」


 いや、見ない方がいいと思う。

 本人が目の前にいるとはさすがに思わないだろう。

 ミールにカマかけられて嵌められた例もある。

 下手なことは言わないようにしよう。


「リイネさん、聞いておきたいんだけど······この迷宮を管理できるかの調査はどうなってるの?」


 オレは話題を変えてリイネさんに問いかけた。

 この学園に来てそろそろ2ヶ月近くになる。

 最初の予定では調査期間は3ヶ月という話だったはずだが。


「まだ調査中だが、元迷宮の守護者のエンジェ殿にも意見を聞いてな。やはり管理するにはリスクが高すぎるということだ」


 リスクが高いか············まあそうだろうな。

 レベル100前後の魔物が普通に現れるような場所だ。この魔物達が迷宮の外に出ないという保証はない。

 迷宮から利益も出ているようだが危険性を考えたらそういう結論になるだろう。


「その内、本格的な攻略を依頼する話が出るかもしれないな」


 リイネさんがそう言った。

 オレも攻略してしまうのが一番だと思う。


 この迷宮は全50階層だ。

 今オレ達は35階層にいる。

 アイラ姉は40階層まで攻略したらしいし行こうと思えば最奥まで一気に行けそうだ。






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