表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
174/735

147 休憩中の雑談

 学園の地下迷宮35階層でオレ達は一旦休憩を取っていた。


「そういえばシノブちゃんってレイ君の妹じゃないんでしょう~? どういう関係なの~?」


 キリシェさんがそんなことを聞いてきた。

 別に隠すようなことでも特別なことでもない。

 ただ親戚同士の関係だ。


 元の世界では一緒に暮らしているわけではなく夏休みでシノブがオレ達の地元に遊びに来ていたんだよな。


 今では違和感がなくなってきているが久しぶりに会ったシノブが忍者口調をしていた時は驚いた。

 何のアニメか漫画の影響を受けたのやら。


「なるほど、そういう関係か。ついでにもう一つ聞くがシノブは何故レイを師匠と呼ぶんだ? 戦いの師ならアイラの方が適任だと思うのだが?」


 ああ、そのことか。

 元の世界ではオレは格闘技経験があり、シノブに少し指導をしていた。


 まあそれだけじゃないんだけど。

 シノブがオレを師匠と呼ぶのは主に漫画やアニメなどを一緒に見ていて············。

 なんて説明すればいいんだ?


「もちろんアイラ殿にも色々教えを受けているでござるが·········二人とも師匠と呼んだら紛らわしいでござるから」

「そういうことか。まあ細かいことだったな」


 リイネさんはそれで納得したようだ。


「リイネさんはアイラ姉が来る前は寮ではキリシェさんと二人だけだったんだよね?」


 エイミとミールのように三人部屋に二人だけだった所をオレが入ったようにアイラ姉もそんな感じだったのだろう。

 リイネさんは王女。キリシェさんは平民。

 なんかアンバランスな気がするが。


 学生寮に住んでいるのはほとんどが平民の生徒だが貴族も何人かいる。

 貴族の生徒と一緒になる方が自然だと思うのだが。


「さすがのキリシェも王族相手には自重して手を出さないからな」


 リイネさんの話によるとキリシェさんのルームメイトは何回か入れ代わっているらしい。

 ············アイラ姉の様子を見れば大体想像がつくな。


「私の愛が深すぎてみんな離れて行っちゃうのよね~」


 キリシェさんが言う。

 なるほど、色々あったようだ。

 そう納得しておこう。



「そういえばシノブは学園生活はどんな感じ? 上手く馴染めてるの?」


 自分のことでいっぱいいっぱいでシノブやスミレの学園生活を気にしていなかった。

 まあシノブは人見知りしない性格だからそんなに心配いらないと思ってたが。


「親しい友人が何人も出来たでござるよ。寮のルームメイトとも上手くやれているでござる」


 シノブは同じクラスの女の子と寮で同室になったらしい。

 心配はいらないみたいだな。


「スミレは学園ではどう?」


 スミレも口数は少ないが人見知りする性格ではない。

 シノブとスミレは寮では別々だったはずだがクラスは同じ············上手くやれているのかな。


「············上手くやれているというか············上手く行き過ぎているというか······」


 シノブの言い方はなんか不安を感じるな。

 どういうことだ?


「スミレ殿が絡んできたクラスの男子を全員叩きのめしたのでござる············その後、色々あって今では女王のような状態でござる」


 ············どういう状況だ、それは?

 シノブの話によるとクラスの男子はスミレに頭が上がらないらしい。

 ············気になるから今度様子を見に行こうかな。

 エンジェも特に問題なくクラスに馴染んでいるらしい。





「リンはレイから正式な加護を受けているのだったな。二人はそこまで進んだ仲だったのか?」


 ある程度雑談を交わしていたら加護の話になった。

 リイネさんがリンに問いかける。


「小生も気になっていたであります。確かリン殿は男性嫌いだと聞いていたでありますが······レイ殿とどんな出会いを?」


 ルナシェアもリイネさんに便乗してきた。

 リンは困り顔でオレに助けを求めてきた。


「リンとはオレ達がこっちの世界に来てすぐに出会ったんだよ」


 オレはリンと聖女セーラとの出会いを簡単に話した。

 そしてアルネージュの町に滞在している内に交流を深め、仲良くなったと。


「サイクロプスか············今のわたしなら倒すことは可能だが強力な魔物には違いない。そんなことがあったのか······」


 確かに今のリイネさんなら充分倒せる魔物だな。


「なるほど~、リンちゃんやセーラ様にとってレイ君達は命の恩人だったのね~」


 正確にはサイクロプスを倒したのはアイラ姉とシノブでオレは何もしていなかったのだが······余計なことは言わないでおくかな。


「しかし加護を受ける程の何かがあったのではありませぬか? 普通の交流では加護を得るには弱い気がするであります」


 ······ルナシェアが鋭い突っ込みをしてきた。

 どう誤魔化そうか。


「確かにリンの加護は〈中〉とキリシェよりも上だな。·········ということはアイラとキリシェがやった以上のことをしたのか」


 リイネさんが興味深そうに言う。

 ······そもそもアイラ姉とキリシェさんは()()()()やったんだ?


「もしかしてリンちゃん~、レイ君に身体を~?」

「ち、違います! わたしはまだ純潔です。身体は捧げてません!」


 リンが慌ててキリシェさんの言葉を否定する。

 アルネージュの町にも学園にあるような入浴施設がありリンが間違えて男湯に入ってきてしまった············ということにしておいた。



 獣人特有の発情期と重なってしまい身体を捧げる

 一歩手前まで事に及びアイラ姉に寸前で止められたと。

 ·········これはウソじゃないんだよな。


「そうか、そういえばリンは獣人だったな。

確かコンコ族·········狐の獣人だったか」

「······はい。気付いている方もいますが出来ればあまり言い触らさないでください」


 この国では人と獣人は普通に接しているけど差別の酷い国もあるとかいう話だったな。

 だからリンは聖女セーラやルナシェアの迷惑にならないように周りに獣人であることを隠している。

 まあでも特別クラスにも獣人は何人かいるしそこまで気にする必要はないと思うのだが。


「言い触らす気などないから安心してくれ。それよりもリンは別にレイと付き合っているというわけではないのだな?」


 リンとは色々しているが確かに付き合っているということはない。


「は、はい············そう、ですけど······?」


 リイネさんの質問の意図がわからずリンは困惑したように頷いた。


「だったらレイ、わたしとキスしてみないか?」


 ··················!?

 何を言われたかわからず一瞬思考が停止した。

 いきなり何を言い出すんだリイネさんは!?

 リンやルナシェア、シノブも今の発言に驚いている。

 キリシェさんは興味深そうに見てるだけだが。


「リイネさん············何をいきなり······?」

「いや、わたしはアイラから加護を受けているが、レイとキスをしたら加護がどうなるのかと思ってな。二人分の加護を得られるのか、どちらか片方だけなのか」


 それは確かに気になるけど············。

 だからと言って王女のリイネさんとキスってまずいのではないだろうか?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ