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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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144 学園地下迷宮探索再び

 ルナシェアとリンが学園に来てから一週間ほど経った。

 聖女ルナシェアとその護衛騎士ということで初めはクラスのみんなも戸惑っていたが今ではそれなりに馴染んでいた。(ちなみにルナシェアは身分を隠しているつもりでいる)

 特別クラスの生徒だから順応力が高いのかな?


 ルナシェア達もアイラ姉の訓練を受けてそれなりにレベルアップしていた。

 普段の授業も真面目に受けているし、特に問題はなさそうだ。





 ある日の放課後。

 今日はリイネさん達の提案で学園地下迷宮に潜ることにした。

 すでにアイラ姉と何度も潜っているらしくリイネさんのレベルはとっくに100を超えていた。


 今この場にはオレ達が異世界人だと知っている者だけが集まっている。

 人数が多いので二手に別れて迷宮に入ることにした。



 そしてアイラ姉の提案でいつもとは違うメンバーで行動することになった。

 普段とは違うメンバーと交流を深めるためだとか。

 エイミ、ミール、ミウ、ユーリ、スミレも今日はアイラ姉と行動するようだ。

 ちなみにロディンは王子の仕事のためだとか言って王城に行ってしまいこの場にはいない。



 オレとシノブと学園迷宮に潜るのはリイネさん、それにルナシェアとリン、そしてキリシェさんだ。

 このメンバーでアイラ姉達とは別の階層を探索することにした。


「今日はよろしくね~、レイ君~、シノブちゃん~」


 キリシェさんがおっとりした笑顔で言う。

 キリシェさんはオレと同じ特別クラスの生徒で、アイラ姉とリイネさんと学生寮で同じ部屋らしい。

 年は18でアイラ姉と同じだ。

 ちなみに貴族ではなく平民だそうだ。


 同じクラスだから何度か挨拶などは交わしているが、まだまともに会話をしたことはなかったんだよな。



[キリシェ] レベル122

〈体力〉5880/5880

〈力〉1770〈敏捷〉2490〈魔力〉4120


〈スキル〉

(詠唱破棄)(同時詠唱)(風の恵み)

(魔力回復速度上昇〈大〉)

(異世界人の加護〈小〉)



 これがキリシェさんのステータスだ。

 スキルに加護〈小〉がある。

 オレが与えたわけではない。

 前にアイラ姉と何かしたと聞いた覚えがあるが詳しくは知らない。


 ······ちょっと興味があるし聞いてみるかな。



「私とアイラは寮で同じ部屋なのよ~。それでめくるめく夜を~······」


 めくるめく夜······まさか女性同士で!?


「そんなやましいことは断じてしていないっ!! キリシェの加護は特訓の後、汗を流すために一緒に風呂に入った時に······」

「ええ~、アイラとっても激しかったわ~」

「あれはキリシェが一方的に抱きついて来たのだろう! 同性愛に偏見はないが私自身にその気はない!」


 アイラ姉とキリシェさんのやりとりで何となくだが状況がわかった。

 そして加護を受けたのだから当然キリシェさんはアイラ姉やオレ達が異世界人だと知っている。


「もうアイラったらいけず~、もっと素直になっていいのよ~?」

「ええいっ、離せ! 私は最初から素直だ!」


 抱きつくキリシェさんを強引に剥がすが、まったく堪えている様子はないな。


「······あの時は本当に一線を越えるかと思ったぞ」


 どうやらリイネさんはその時の場面を目撃していたらしい。一体()()()()やったのやら······。

 それ以上聞くのはやめておこう。


「それじゃあ改めてよろしく、リイネさん、

キリシェさん」

「よろしくでござる」


 オレとシノブは改めて二人に挨拶した。


「レイ君~、アイラを呼んでいるみたいに私を

キリシェ姉って呼んでもいいのよ~?」


 それはちょっと············。

 オレがアイラ姉と呼ぶのはもう昔からだし今更直せないってだけなんだが。


「······普通にキリシェさんって呼ばせてもらうよ」

「もう~、アイラと同じで手強いわね~。でもそこがいいかも~♡」


 ············キリシェさんの基準がよくわからない。

 というかさっきのアイラ姉とのやりとりを見る限りキリシェさんって同性愛者、女性好きじゃないのかな?


「アイラはああ言っていたけど、私は男の子もちゃんといけるわよ~?」


 オレが考えてることを見透かされた!?

 ていうかこの人、ただ見境ないだけじゃないか?


「キリシェ、レイに手を出したら本気で怒るぞ? もちろんシノブにもだ」


 アイラ姉がキリシェさんの後ろから言う。


「もう~、わかってるわよ~? 一番はアイラだから~」

「そういう問題ではない!」


 少々問題ありそうだが仲は良さそうだな。

 しかしこんな調子でよく寮で同じ部屋に············。

 ああ、ひょっとしてリイネさんがストッパーになってるのかな。


「これが学生同士の会話でありますか············小生なかなか入り込めないであります······」

「いえ、ルナシェア様······あの会話には入らない方が······」


 ルナシェアとリンが少し空気になっていた。






「レイ、シノブ。キリシェが襲いかかってきたら本気で抵抗して構わない。それくらいじゃないと堪えないからな。ルナシェア殿とリン殿も気を付けた方がいい」


 そう忠告(?)を残してアイラ姉達は迷宮に潜って行った。


「もうアイラったら心配性ね~。そんなことするわけないじゃない~」


 いや、今の会話を聞いていると不安になってきたのだが。

 ············まあそんなことよりも迷宮探索に集中しよう。


 アイラ姉達は地下1~30階層を探索するようだが、オレ達はリイネさんの提案で地下31階層以降を探索することにした。

 あの巨大グールを倒したさらに先だ。


 アイラ姉達はすでに地下40階層まで探索済みらしい。

 ············いつの間に。

 学園長の許可も出てるらしいし行くのは問題ない。



 ちょっとメンバー(主にキリシェさん)に不安があるけど。




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