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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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143 特別クラスの新たな仲間

「聖女ルナシェア様とロディンさんに加護を············そんなことがあったんですか」


 その日の夜、寮の部屋でミールにそう言われた。

 風呂から上がった後はミウやリイネさん達に色々と聞かれて大変だった。


 そしてミウを通じてエイミとミールにもその話が耳に入ってしまい事情を説明させられたのだ。

 ············おそらくだがリイネさんを通じてアイラ姉の耳にも入るだろうな。


「············レ、レイ君とロディン様が······そ、それともロディン様がレイ君を············なのかな?」


 エイミはあわあわとなにやら意味不明なことを口走っていた。


「しかし、ルナシェア様はともかくロディンさんにまで加護を与えるなんて············男性にまで手を出すとはそこまで欲求不満なんですかレイさん?」

「······いや、今説明したよね? 不可抗力だったって」

「冗談です」


 ミールの冗談は相変わらずよくわからない。

 ロディンに手を出したとか人聞きが悪すぎる。

 ······オレにBLの趣味はない。


 しかし、なんだかんだでずいぶん加護を与えているな。

 リンにセーラ、アルケミアにスミレ、エイミにミール、それにミウ。

 そして今回はルナシェアとロディン。


 まあ正式な加護はリンとスミレとミールの三人だけだが。

 五人以上と絆を深めると特別ボーナススキルが解放されるんだったな。

 初めは五人以上なんて無理だと思っていたが············この調子だとその内達成してしまうかもしれない。



「特別ボーナススキルとはなんですか?」


 考え込んでいたらミールがそう聞いてきた。

 声に出していたようだ。

 オレは素直にスキルについて話した。


「なるほど五人以上と絆を深める、ですか。つまりあと誰か二人に正式な加護を与える必要があるわけですね」

「まあ、そういうことになるのかな」


 とはいえ簡単ではないけど。

 つまりはミール達にしてもらったような()()()()()()をするわけだからな。


「ならあとの二人は姉さんとミウネーレさんに決まりですね。なんだかんだで姉さんは興味津々ですし、ミウネーレさんも正式な加護を欲しがっていましたよ」

「ふぇっ!?」


 ミールの言葉にエイミが変な声をあげた。

 いやいやミール、簡単に言うことじゃないだろ。


 ············そもそもミールはオレが他の人と()()()()()をして何も思わないのだろうか?


「見ず知らずの女性とレイさんがそういうことになったらイヤですけど姉さんとミウネーレさんなら許せます。リンさんとスミレさんも············まあ許容範囲ですね」


 どういう基準だろうか?

 そういえばこっちの世界は元の世界と違って一夫多妻制だったと聞いた覚えがある。

 複数の女性と関係を持つのが普通なのだろうか?


「なんなら今すぐ姉さんに()()もらいますか?姉さん、ワタシも手伝いますよ?」


 手伝うって、どうやってだ?

 ミールの言葉にエイミは茹で蛸のように顔を真っ赤にした。


「む······無理! 無理無理!! わ、わたしに()()()()()できないよっ!」

「つまり()()()()()は汚くて嫌だと?」

「そ、そういうことじゃない······けど······」


 エイミがオレとミールを交互に見る。

 目がぐるぐる回って今にも倒れそうだ。



 結局この日、エイミが折れることはなかった。

 ホッとしたような少し残念なような······。






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 それから数日後。

 朝のホームルームの時間に担任のカトリア先生から重大な発表があった。

 前日から何かあるとは聞いていたが詳しい内容はわからない。


「今日からこのクラスに新たに二人生徒が入ります。皆さん仲良くするようにね。············そして騒がないように」


 新たに二人?

 つまりオレとアイラ姉のように途中入学する生徒がいるのか。

 ············このパターンってまさか。


 カトリア先生がその二人を教室に招き入れる。


「今日からこの学園に通うルナシェア············ではなくルナであります! 皆さんよろしくであります!」

「わたしはリンと言います。よろしくお願いします」


 思わず椅子からずり落ちそうになった。

 入ってきたのはルナシェアとリンだった。

 二人とも学生服を着ている。

 リンは狐耳を隠すために帽子をかぶっていた。


「えっと、訳あってしばらく学園に通うことになったルナ様とリンさんです。質問は本人達にするように······」


 カトリア先生が説明しづらそうに言う。

 学園に通いたいとは言っていたがまさか本当に入学するとは············。


「先生殿! 小生のことはルナと呼び捨てで構わないであります!」


 ルナシェアはそう言うが聖女である人物を呼び捨てはまずいと妥協の末にルナさんと呼ぶことになった。

 どうやら一応身分は隠している············という設定らしい。

 どう見てもバレバレだが。


 クラスのみんなもザワザワと騒いでいる。

 まあこのクラスには王子のロディンや王女のリイネさんもいるし聖女が加わってもたいしたことない·········かな?



―――――リン、これはどういうこと?


 オレは念話でリンに問いかけた。


―――――ルナシェア様の希望です。どうしても学園に通いたいとのことでしたので一時的に通うことになりました。

―――――どうしてリンまで?

―――――いくら学園内とはいえ聖女様に護衛は必要だということでしたので······。


 なるほど、それでルナシェアだけでなくリンも一緒に来たのか。


―――――けどリンってセーラの専属護衛じゃなかったの?

―――――仕方なかったんです。ともに学園に通えて護衛を出来る適任者がわたししかいなかったんですから。もちろん休日や緊急時はセーラ様の護衛を優先しますが。


 どうやらルナシェアの専属護衛は学生として通える年じゃないらしい。

 リンもルナシェアも年は同じ17だし護衛としては確かに適任かな。



 こうして特別クラスに新たな仲間が加わった。







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