142 ルナシェアの混乱
風呂場でルナシェアが転びそうになりロディンが咄嗟に支えたが共にバランスを崩しオレの方に向かってきた。
そのためオレ達は裸で抱き合う形で倒れたのだが、それがきっかけで二人に加護がついた。
[ルナシェア] レベル45
〈体力〉2550/2550
〈力〉920〈敏捷〉850〈魔力〉2950
〈スキル〉
(聖女の資格〈4/9〉)(聖なる守り)
(浄化の息吹)(聖剣術〈レベル8〉)
(身体強化〈中〉)
(異世界人の加護〈仮〉〈NEW〉)
[ロディン] レベル98
〈体力〉4350/4350
〈力〉1730〈敏捷〉1660〈魔力〉1300
〈スキル〉
(騎士の剣術〈レベル7〉)(身体強化〈中〉)
(指揮)(詠唱破棄)(同時詠唱)
(異世界人の加護〈仮〉〈NEW〉)
二人ともステータスが大幅に上がっている。
ルナシェアはともかくロディンにまで加護がつくとは······。
キスじゃなくてもいいのか。
「し、小生のスキルが············これは何事でありますか!?」
ルナシェアが驚きの声をあげた。
どうやらセーラ達にオレが異世界人だということは聞いていたが加護については知らなかったらしい。
「これが加護か············全身から力が溢れてくるようだ」
ロディンも同じように驚いている。
まさか男のロディンに加護が付くとは思わなかった。
まあでもそんなことよりも············。
「ルナシェア············怪我がないなら早く出ていった方がいいよ」
オレはルナシェアを見ないように声をかけた。
ルナシェアは転んだ拍子にバスタオルが取れてしまっていた。
「そ、そうでありました! し、失礼するであります!」
ルナシェアが慌てて男湯から出ていった。
今度は転ばなかったようだ。
「くかかっ、加護を与えるか。先代勇者も仲間達に加護を与えて戦力増強をしていたのう」
そんなオレ達を見ていたエンジェが言う。
やはり先代勇者も加護を与えることが出来たのか。
「ワシは先代勇者の加護は受けなかったが我がマスターの加護なら受けてみたいのう。裸で抱き合えば良いのか?」
冗談なのか本気なのかエンジェがそのまま迫ってきそうだったので全力で阻止した。
けど見た目は金髪少女だけどエンジェって魔物のスライムなんだよな。
魔物にも加護を与えられるのだろうか?
(ルナシェアside)
男湯から脱出した小生は改めてミウ殿達がいる女湯に戻ったであります。
男湯は霊獣の子供の魔法で凍りついていて寒かったはずなのに小生の全身は茹で上がったように熱いであります。
レイ殿とロディン様と裸であんなことになるとは······。
思い出しただけで頭が爆発しそうであります!
「大丈夫だったのかルナシェア殿? エンジェ殿も向かったはずだが······」
「だ、大丈夫であります! 問題ないであります!」
リイネ殿の問いに小生は咄嗟にそう答えたであります。
「あーー!? ルナ様に加護が付いてますー!」
小生を見てミウ殿が大声をあげたであります。
先程突然手に入った加護というスキル······。
ミウ殿は知ってるのでありますか?
詳しく聞くとレイ殿達異世界の人と絆を深めると加護のスキルが得られるという話でありました。
ミウ殿とリイネ殿も加護を受けているらしいであります。
「ミウ殿はレイ殿と············リイネ殿はアイラという方とキスをしたでありますか」
アイラという方にはまだ会ったことないでありますがレイ殿と同じ異世界の人でありましたな。
それにしてもミウ殿とレイ殿がそこまで進んだ仲だったとは············。
「ルナ様は男湯で何をしたんですかー? ······まさかレイさんとキスを······」
「ち、違うであります! 小生は······」
ミウ殿の言葉に咄嗟に弁解しようとしたでありますが······なんて言えばいいでありますか?
とはいえ誤解されてもまずいのでありのままに話したであります。
「は、裸でレイさんとロディン様とー······!?」
「何をやっているんだロディンは······」
改めて言うとかなり恥ずかしいであります。
レイ殿とロディン様と一糸纏わぬ姿であんなことになったでありますから············。
お二人ともとてもたくましい身体でありました············。
うあああっっ!!?
思い出してはいけないであります!!
忘れるであります······!!
その後もお二人から色々質問を受けて大変だったであります。
湯浴みから上がった後、レイ殿達としばらくまともに顔を合わせられなかったであります。
ちなみに霊獣の子供はエンジェ殿が世話をすることになったであります。
小生も懐いてもらうように毎日顔を出すつもりであります。