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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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139 学園の入浴施設

 ルナシェアの試練を無事に終え、オレ達は王都まで戻ってきた。

 まず向かったのはリヴィア教会の本殿············ではなくオレ達の通う学園だ。


 何故学園かというとルナシェアの全身に付いたあのカエルの粘液を洗い流すためだ。

 学園にはアイラ姉達と協力して作った入浴施設がある。

 アルネージュの町に作ったものと同じ建物を学園の空いていた場所に建てたのだ。

 もちろん学園長の許可はもらってある。



 建てた当初はいきなりのことで他の生徒や教師達は驚いていたが今では大好評だ。

 当然だが男女別々に分けてある。


 ルナシェアとミウは女性用の方に向かい、オレは男性用に入った。

 やっぱり疲れを癒すなら風呂が一番だよな。

 今日は学園は休みの日だし誰も利用してないはず············と思って入ったら先客が一人いた。



「なんだ、レイも入りに来たのか」


 オレと同じクラスで王子でもあるロディンだった。

 休みの日まで入るなんてそんなに風呂が気に入ったのかな?


「さっきまでエンジェ殿に姉上と一緒に稽古をつけてもらっていたんだ。さすがは迷宮の守護者だけあって色々参考になったぞ」


 ああ、そういうことか。

 今、女性用の方にはエンジェとリイネさんが入っているらしい。

 ということはミウとルナシェアと鉢合わせたかな。

 アルネージュに建てたものと違い風呂は男女同じ建物の中にある。

 仕切りで区切っているだけだ。

 もちろん防音には気を遣っているが。

 つまりこの仕切りの向こうにはルナシェア達がいるわけだ。


「まあ風呂を気に入ったというのもあるがな。疲れを癒すには最高だ。是非城にも造ってほしいな」


 気に入ってもらえたならオレとしてもうれしい。

 それにしてもロディンのレベルがいつの間にか100近くにまでなっている。

 オレの知らないところでアイラ姉達と稽古をしたり学園の地下迷宮に潜っていたみたいだ。

 王子という身分なのにかなりの努力家だ。

 リイネさんも同じ感じらしい。


「レイは今日は何をしていたんだ?」


 ロディンから質問がきたので今日の出来事を話す。

 別に隠すようなことでもないしな。


「聖女ルナシェア殿の試練の手伝いか。そういえば聖女様の姿が見えないと少し騒ぎになっていたな」


 しまった············リンに念話で連絡するのを忘れていた。

 オレは再び忘れないうちにリンに連絡した。







(リイネside)


 ふう、稽古の後の湯浴びは実に気持ち良い。

 こんな施設を簡単に作ってしまうとは改めてアイラ達が異世界人だと実感してしまうな。


 ちょっと前まではわたしのレベルは30くらいだったのに今では100に迫ろうとしている。

 この短期間であり得ないレベルアップをしたものだ。


「くかかっ、風呂というのは存外気分が良いものじゃな」


 わたしの横ではエンジェ殿が湯に浸かっていた。

 人の姿ではなくスライムの姿だ。

 もともとは迷宮の守護者だったが今はレイの従僕としてこの学園にいる。

 まあもっともレイはエンジェ殿を従僕として見てはいないだろうが。


 迷宮の守護者だっただけあってその実力は凄まじく、エンジェ殿の指導は色々と勉強になる。



―――――――ガラッ


 おや、誰か入ってきたようだ。

 今日は学園は休みだから誰も来ないと思ってたが。まあこの風呂は気持ちいいから休みの日でも来たくはなるか。


「学園にはこのような施設があるでありますか」

「ここはもともとはなかったんですけどレイさん達が建ててくれたんですよー」


 聞き覚えのある声だと思ったらフェルクライト家のミウネーレ嬢と············ルナシェア殿?

 何故聖女ルナシェア殿がここに?


「あ、リイネ様ですかー?」

「これはリイネ殿でありますか。お久しぶりであります!」


 二人もわたしに気付き挨拶してきた。

 ルナシェア殿とは以前に顔を合わせたことがあるので初対面ではない。

 ルナシェア殿がわたしに挨拶した直後、隣のエンジェ殿を見て顔色を変えた。


「スライム!? 何故ここに魔物がいるでありますか!? リイネ殿、下がるであります!」


 ルナシェア殿が慌てたように魔力を集中させる。


「待ってくださいルナ様ー!? その人(?)は悪い魔物じゃありませんー!」


 ミウネーレ嬢がルナシェア殿を止める。


「くかかっ、その魔力は「聖」属性のものじゃな? ということはお主が今代の聖女······いや、まだ候補のようじゃのう」

「スライムが喋ったであります!?」


 ルナシェア殿が驚きの声をあげる。

 まあわたしも初めは驚いたからな。

 気持ちはわかる。



 ミウネーレ嬢がエンジェ殿のことを説明した。


「め、迷宮の守護者でありますか!?」

「くかかっ、元······じゃがな。今は我がマスターの従僕じゃ」


 エンジェ殿がスキルの力で姿を変えた。

 普段の金髪少女の姿になった。


「この姿の方が話しやすかろう?」

「ひ、人の姿にもなれるでありますか······」


 ルナシェア殿は驚きの連続のようだ。

 何故聖女であるルナシェア殿がここにいるか問うと試練を終えた帰りらしい。

 魔物の粘液だかをまともに受けたらしくそれを洗い流すためにここに来たようだ。



 普通なら関係者以外は入れないところだが、まあルナシェア殿なら問題ないだろう。

 男湯の方にはレイも来ているようだ。






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