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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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136 聖女ルナシェアの試練

 そして次の日。

 今日の昼過ぎあたりに聖女ルナシェアの魔物退治に付き合うことになったのだが。


 オレは今学園の寮のベッドの上にいる。

 早い話が目覚めたばかりだ。

 すでに昼になる時間帯だった。寝過ごしたな······。

 いや、まだ約束の時間を過ぎたわけじゃない。



 エイミとミールの姿はない。

 今日は学園は休みだからどこかに出掛けたのかな?

 オレも早い所準備をしないとな。

 寝間着を素早く脱ぎ捨て出掛ける準備に取り掛かる。



――――――――コンコン


 そんな時に入り口の扉がノックされた。

 誰か来たのかな?

 オレが返事をする前に扉が開かれた。


「レイ殿! 待ち切れなかったので迎えに来たでありま―――――」

「レイさんー、起きてますかー············」


 入ってきたのはルナシェアだった。

 後ろからミウも一緒に入ってくる。

 エイミとミールはカギをかけなかったのかな?

 まあそれはいい。


 それよりも問題なのはオレは今出掛ける準備のために着替え中だったということだ。

 しかもよりによって寝間着を脱いだばかりで············。


「「きゃあああっ!!??」」


 ルナシェアとミウの声が響いた。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「た、大変失礼したであります······」

「ごめんなさいですー······」


 二人が素直に頭を下げた。

 かなり気まずいんだけど······。

 ちなみにオレはもう服は着ている。


「次からは気を付けてね······」


 まあ、オレも似たような失敗を何度かしているので強くは言えないんだが。

 ミウに見られたのは二度目だな······。

 まあ前の時と違って下は履いていたから全部見られたわけじゃないけど。(詳しくは本編35話ミウネーレのお騒がせ事件をご覧ください)


 ちなみに、オレの下着はトランクスタイプの物で正義の仮面の姿の時のようなふんどしではない。

 ············念の為。



「ところで、どうして二人が寮に?」


 昨日の予定ではオレとミウが第一地区の本殿にルナシェアを迎えに行くことになってたはずだが。

 話を聞くとルナシェアが待ち切れずにミウの住む屋敷まで朝早くに行っていたらしい。

 そしてオレがなかなか来ないから寮まで迎えに来たと。



 ············はい、すみませんでした。

 昼近くまで寝ていたオレが悪かったです。


「あれ? そういえばルナシェアに護衛騎士はいないの?」


 昨日もそれらしい人は見かけなかったが。


「こっそり抜け出して来たでありま············じゃなく、小生に護衛は無用なのであります!」


 今、何を言いかけたのかな?

 ······まあいいや。

 後でリンに念話で連絡しておこう。







 二人は準備万端のようだし、オレも準備が出来たのでさっそく魔物討伐に向かうことにした。


 向かう場所は王都を出て少し進んだ所にある沼地だ。問題のカエルの魔物はそこにいるようだ。

 他に出てくる魔物はレベル10~20くらいの弱いやつなので問題はない。


 沼地だけあってルナシェアとミウは足下がぬかるんでいて歩きづらそうだ。

 オレは何故か普通に歩ける。

 何かスキルの影響でもあるのかな?


「ギュアアッ!」


 さっそく魔物が現れた。

 マッドサバキンとかいう半魚人のような魔物だ。

 大体10匹くらい。レベルは10~15だ。


 オレは試練の迷宮で手に入れた聖剣エルセヴィオを、ミウは以前渡したヒヒイロカネとオリハルコンの合金杖を、そしてルナシェアはオレが貸したオリハルコンの剣をそれぞれ構えた。


「ゲアアッ!!」


 魔物が襲いかかってくるがはっきり言って大したことない。

 ミウはもちろん、ルナシェアも危なげなく倒している。


聖魔退斬剣(せいまたいざんけん)!!」


 ルナシェアの持つオリハルコンの剣から光が放たれ、魔物を完全に滅した。

 あれが(聖剣術)ってやつか。

 グレンダさんやアイラ姉の使う(騎士の剣術)に「聖」属性が上乗せされた感じかな。


 今のでルナシェアのレベルが1つ上がり33になった。

 アイラ姉とシノブがいないからスキルの効果はオレの(獲得経験値10倍)だけなので上がるのが遅いな。


「おおっ!? 小生のレベルが上がったであります! 話しに聞いていた通りレベルアップが早いでありますな!」


 ルナシェアがうれしそうに言う。

 よく考えたら10倍でも充分すごいんだよな。

 その辺の感覚がマヒしていたな。


「このオリハルコンの剣は素晴らしいでありますな! 魔力が通しやすく思い通りに力が出せるであります!」


 ルナシェアはオリハルコンの剣を相当に気に入ったようだ。

 その後も出てくる魔物を倒しながら進んでいく。

 ここまででルナシェアのレベルは38まで上がっていた。


「しかしレイ殿はもちろん、ミウ殿もとんでもなく強いでありますな。ミウ殿は以前お会いした時はレベル20くらいだと思ったでありますがやはりレイ殿のスキルで上げたのでありますか?」


 オレ達の戦いぶりを見てルナシェアが言う。


「学園に通っている人のほとんどがレイさん達にレベルを上げてもらってるんですよー」


 ミウはその中でも特にレベルが高いけどね。

 成り行きで加護も与えているしステータスもかなり高いんだよ。


「なんと!? ······それならば小生も学園に通いたいでありますな」


 ルナシェアがそんなことを言い出した。

 確かにルナシェアはオレ達と同じ年だから学園に通っていても別に不思議じゃない。

 聖女としてのスキルを手にしたために学園に通っているヒマはないだけで、ルナシェアも通いたいみたいだ。


「ゲゴォオーーッ!!」


 沼の表面が盛り上がり魔物が現れた。

 全身が鋼鉄のような皮膚に覆われた巨大なカエルだ。


「現れたであります! コイツが(くだん)の魔物であります!」


 ルナシェアが剣を構える。

 コイツが目的のカエルの魔物か。

 思っていた以上にでかいカエルの魔物だ。



[アーマードアシッドフロッグ] レベル58

〈体力〉2200/2200

〈力〉480〈敏捷〉790〈魔力〉0


〈スキル〉

(硬質化)(激強酸)(粘液生成)



 確かにそこそこ強力な魔物だ。

 (激強酸)なんてスキルを持っている。

 おそらくこれで前回ルナシェアは武器を溶かされたんだな。


 とはいえレベル的にはルナシェアには厳しいかもしれないがオレやミウなら楽に倒せる相手だ。

 問題なのはこれは聖女の試練だということだ。

 オレが倒してもいいんだろうか?



 やはりルナシェアにトドメを任せた方がいいだろう。オレとミウはルナシェアのサポートに専念するかな。






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