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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
151/736

128 ミールVS正義の仮面 (※)

※引き続きお見苦しい表現があります。

読まれる方はご注意ください。

(ミールside)


 マスク男を追いかけていたら学園までたどり着き、手合わせする流れになりました。

 この男、本当に何者なのでしょうか?


 まさか(神眼)のスキルを使っても鑑定できないとは思いませんでした。

 やはりレイさんではないのでしょうか?



 まあ、この男の正体を見極めるための手合わせです。全力でいきましょう。

 ワタシは収納魔法で仕舞っていた杖を取り出して構えます。


 ワタシの前にマスク男が立ちます。

 姉さんは少し離れて見物です。




 しかし、リンさんに()()()()を聞いた後ですから余計にこの男の············ある部分に視線が行ってしまいます。

 マスク男は武器も防具も身につけていません。


 こんなことではいけませんね。

 今はこの男との手合わせに集中しましょう。


「さあ、いつでもかかって来なさい」

「では遠慮なく············フリーズバレット!」


 ワタシは杖の先から無数の「氷」の礫を撃ち出しました。マスク男は避けたり相殺したりで防ぎます。

 この程度の攻撃が通用しないのは想定内です。


「フリーズミスト!」


 ワタシはさらに魔法で冷気の霧を放ちました。

 視界が悪くなり、この修練場内の気温が大幅に下がりました。


「ほう、なかなかの魔法ですな」


 マスク男は平然としています。

 そんな格好で寒くないのですか?


「あなたは攻撃して来ないのですか?」

「まずは貴女の攻撃をすべて受けましょう。全力で来なさい」


 ワタシを甘く見ている?

 いえ、そんな感じではありませんね。

 この男もワタシのことを見極めようとしてるのでしょうか?


 まあいいです。

 ならば遠慮なく全力で撃ちましょう。


「ワタシの全力の魔法です!

ディプソード·プリズン!!」


 ワタシはありったけの魔力を込めて「氷」の最上級魔法を放ちました。

 絶対零度の(ディプソード·)牢獄(プリズン)


 凍てつく氷の牢獄でマスク男を拘束し、体温と体力を奪っていきます。

 マスク男の身体は完全に凍りつき――――――。



「ふんっ!」


 完全に凍りついたと思ったマスク男でしたが、氷を砕き出てきました。

 あの氷の牢獄は簡単には砕けないはずなのですが。


「見事な魔法でした。では今度はこちらがいきましょう」


 マスク男が一瞬で間合いを詰めて来ました。

 は、速い!?

 ワタシは慌てて男から距離を取ります。


「バーンフリーズ」


 マスク男が魔法を唱えました。

 マスク男を中心に部屋全体が凍りついていきます。

 これは遺跡の迷宮の守護者も使っていた「氷」の上級魔法ですね。


 わざわざ「氷」魔法を使ってくるとは、ワタシに合わせているようですね。



「「氷」魔法なら負けませんよ。アイシクルエッジ!」


 ワタシが「氷」魔法を放つとマスク男も「氷」魔法で対抗してきます。

 「氷」と「氷」のぶつかり合いで室温がかなり下がっていました。


 ······姉さんがかなり寒そうにしていますね。

 ワタシは寒いのは割と平気なのですが。


「とうっ」

「············!?」


 ワタシの隙を突いてマスク男が足払いをしてきました。

 ワタシは咄嗟に回避します。

 寒いのは平気ですが床も壁も凍りついてツルツルです。気を付けなければ足をとられてしまいます。


 マスク男はツルツルの床も滑らずに普通に動けています。

 裸足だからでしょうか?



「······っ!?」


 言ってるそばから足を滑らし転んでしまいました。

 思い切り尻もち付いてしまったので痛いです······。


「さあ、これで終わりです」


 マスク男に「氷」の剣(氷柱ですね)を突きつけられました。

 くっ、やられましたね。ですが······!!



「まだです! クリムゾンフレイム!」


 ワタシは「炎」の魔法をマスク男に向けて放ちました。

 ワタシの得意属性は「氷」ですけど別に他の属性が使えないわけじゃないんですよ。

 マスク男の持つ氷の剣を溶かし、顔面に直撃しました。


 マスクが燃えて素顔が晒され――――――。



「残念、その攻撃は効きません」

「!!?」


 マスク男が平然と言います。

 あんな至近距離から直撃したのにまったく効いていません。

 黒いマスクもまったく燃えていませんでした。


「ではこれで終わりにするとしましょう。とうっ!」


 戸惑うワタシの隙を突いてマスク男がこちらに向かって跳んできました。


 ············え、ちょっと待ってください。

 これは以前サラーナにした攻撃の時と同じ状況では?

 顔を上げるとそこにはマスク男の――――――




「うぶっ······!?」


 ワタシの顔面に生温かい()()()がぶつかりました。

 心の準備なしに、この攻撃は衝撃的です。



 ············そこでワタシの意識は途切れました。








(エイミside)


 ミールと仮面の人の魔法がぶつかり合う。

 どっちも「氷」属性魔法を使ってるから室温がどんどん下がってる。

 さ、寒い~!


 互角に見えたけど仮面の人の方が上だったみたい。

 ミールが足を滑らして転んだ隙に手に持った氷柱を突きつけた。


「さあ、これで終わりです」


 や、やっぱりミール負けちゃった······。

 そう思ったんだけどミールはまだあきらめてなかったみたい。

 仮面の人に向けて至近距離から「炎」の魔法を撃った。


 さすがに今のは効いたと思ったら仮面の人は平然としていた。

 どれだけ強いのこの人······!?

 もうミールに反撃の手段はないと思う。



「ではこれで終わりにするとしましょう。とうっ!」


 仮面の人がミールに向かって跳んだ。

 思い切りミールと激突する。



 え············今、どうなってるの!?

 か、仮面の人の下半身にミールが下敷きになってるように見えたんだけど!?


 仮面の人が立ち上がる。

 仮面の人の足元でミールは気を失っていた。



「さて、お嬢さん」

「ひゃいっ!?」


 いきなり声をかけられたから変な声が出ちゃったよ。


「私はこれで失礼します。彼女の介抱を頼みます」


 そう言って仮面の人は結界を消して周囲の氷も溶かして元に戻した後、去っていった。


 結局、仮面の人の正体はわからなかった。

 一体何者なんだろう、あの人。

 ってそんなことよりもミール!?


「············っ············」

「ミール、しっかりして! ミール!?」


 ミールは虚ろな目をしていて、意識があるのかないのかわからない状態だった。






◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 それからしばらくしてミールの意識が戻った。

 特に怪我はしていないみたいだし、それはいいんだけど······。


「······もう大丈夫です、姉さん」


 まだ顔がほんのり赤いけどなんとかいつもの調子に戻ったみたい。


「······あれが男の方の············正直ここまで衝撃的だとは······」

「ミール?」

「······なんでもありません、姉さん」


 やっぱりさっきミール、あの仮面の人の······。

 ミ、ミールが何も言わないんならわたしも聞かないようにしよう!!


「け、結局あの仮面の人の正体······わからなかったね」

「そう······ですね。ですがおかげで決心がつきました」


 決心? なんの話だろ。

 ミールの言葉にわたしは首を傾げることしか出来なかった。






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