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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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124 迷宮攻略後の事情説明

 気がつくと迷宮の上層の大部屋に移動していた。

 MAPを見ると中層より下は消滅していた。

 地上にある上層のみが残ったらしい。


「うおっ!?」


 横を見ると宝箱やらアイテム類やら宝石類が山積みになっていた。

 もしかしてコレ、地下にあったすべての宝がオレ達と一緒に上層に移動したのか?

 攻略優先で進んでいたので回収し損ねた宝もあったはずだが············とんでもない量だな。



 ん? 探知魔法で調べると魔物ではない人の反応がたくさんあるぞ。

 しかも反応のいくつかがこちらに向かってきている。


「レイ、無事か!?」

「アイラ姉······?」


 やってきたのはアイラ姉だった。


「ミウ!」

「お、お兄様っ!?」


 後ろからミウのお兄さんのグレンダさんも来た。

 シノブとスミレ、そしてユーリの姿もある。


「お兄様······どうしてここに?」

「この数日、お前達が行方不明だったからずっと捜していたんだぞ。······無事でよかった」


 話を聞くとどうやらオレ達が地下の迷宮攻略をしている内に数日が経っていたようだ。

 迷宮内は時間の感覚がわからなかったからな。


 行方知れずのオレ達を捜すためにあちこち聞き回り、冒険者ギルドで依頼を受けたことを知り、ここに来たと。

 たくさんあった人の反応はグレンダさん率いる騎士達だったようだ。

 ずいぶん大事(おおごと)になっていたみたいだ。



「何があったのか説明してもらうぞ、レイ」


 アイラ姉が有無を言わさぬ口調で言った。







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 とりあえずは王都まで戻ることにした。

 あの大量の宝はグレンダさん達騎士が回収していった。

 ミウは事情説明のため、グレンダさんに連れられていった。



 冒険者ギルドへの報告は後回しにしてオレ達は学園長の部屋に来ている。

 今この場にいるのはオレとアイラ姉、シノブ、スミレ、そしてエイミにミール、学園長だ。

 あの迷宮の出来事をすべて話した。


「まさかあの遺跡が迷宮だったとはね······」


 学園長が言う。かなりの驚きだったようだ。

 まあオレ達が攻略してしまったので迷宮は消滅したが。


「フム······それでエイミにミール、そしてミウネーレ殿に加護を与えた············と」


 アイラ姉の視線が痛い。

 非常時だったとはいえ女の子三人とキスしたのだからな。


「······まあ非常事態だったようだし······仕方無いか······」


 なんとか納得してくれたようだ。

 迷宮攻略の報告はミウとグレンダさんを通じて国王の耳にも入るだろうし、そっちは任せよう。


 あ、聖剣はオレが持ったままだった。

 まあ今度渡せばいいか。


「エイミ、ミール、この水晶に手を当ててくれる?」


 学園長が二人に言う。

 この水晶はレベルやステータスを鑑定するための物だ。

 冒険者ギルドにあるステータスレンズよりも性能が高く、高レベルで普通では鑑定できない人に使う。

 ちなみにオレとアイラ姉とシノブは王宮であの水晶を試したことがあるが、それでも測定不能と出てしまった。


 エイミとミールがそれぞれ水晶に手を当てる。


「······二人ともレベル150を超えているわ······」


 二人の鑑定に成功したようだ。

 守護者やその眷属のスライムを倒したことでかなりのレベルアップをしていたからな。


「学園長、今回の迷宮攻略したことを二人は評価されるんですか?」


 エイミとミールは学園に通っている内は奴隷から解放される。

 しかし完全に解放されるには何か大きな功績が必要という話だった。

 今回の迷宮攻略は大きな功績にならないのかな?


「それは王宮からの発表しだいね。あの遺跡が迷宮だったことがそもそもイレギュラーだし発表には時間がかかると思うけど。でもあなた達が手に入れたアーティファクトや財宝はかなりの量だということだし評価は確実のはずよ」


 それはうれしい話だ。

 もともと理不尽に奴隷にされていたが、これで完全解放の可能性が出てきた。

 だがミールの反応はあまりうれしそうではなかった。


「今回の迷宮攻略はレイさんの功績です。ワタシ達はほとんど足手まといでした。その功績を横取りするようなマネをしたくありません」


 足手まといなんてことはなかったが。

 あれはオレ一人の功績ではなく全員の功績だと思うぞ。

 そう言ってもミールは首を横に振った。


「ワタシ達はエルフの里の人達には相当嫌われてますからね。偶然の功績などでは文句が出てもおかしくありません」


 ミールが淡々と言う。

 エイミは少し困り顔だ。


「ですからもっと力をつけて自力で功績を立てます。今のワタシではまだ力不足ですが······」

「レベル100を超えるエルフなんて数えるくらいしかいないのよ? もうあなた達は充分すぎるくらい強いわよ」

「いえ、まだ足りません学園長。強いと言っても迷宮の守護者にはとても敵わなかったのですから」


 あの守護者が強すぎるだけだと思うが······。

 だがミールの言うことにも一理あるか。

 偶然の功績では文句が出てもおかしくない。


「ですからレイさん、アイラさん、どうかワタシをもっと鍛えて下さい。ワタシはもっと強くなりたいんです············どんな理不尽も乗り越えられるくらいに」

「わ、わたしも······ミールと一緒に強くなりたい!」


 ミールだけでなくエイミもそう言い出した。

 まあ鍛えることはオレから異論はない。



 功績うんぬんも王宮からの発表次第だな。






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