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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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123 VSエンシェントジェリー決着

 守護者の身体が再び変化していき、今度は巨大な狼の姿になった。

 全身が黄金に輝く神秘的な姿だ。



「霊獣フェンリル······!?」


 ミウ達がそう言うのが聞こえた。

 フェンリルってゲームとかでもよく聞く名前だな。


「くかかっ! ゆくぞっ!!」


 守護者が一瞬で間合いを詰めてきた。

 速いっ!?

 姿が変わったことで〈敏捷〉も上がったのか!?

 守護者は大きく口を開けて襲いかかってきた。


「はあっ!!」


 オレは聖剣で守護者の牙を受け止めた。

 まあ速いと言っても充分目で追えるレベルだ。

 守護者は後ろに下がり距離を取った。


「バーンフリーズ!!!」


 守護者が「氷」魔法を唱えた。

 守護者の身体を中心に部屋全体が凍っていく。


「さ、寒いですー!?」

「た、大変······すぐに温めるよ!」


 オレは寒さをほとんど感じないが室温がかなり下がっているようだ。

 エイミが「炎」魔法でみんなの身体を温める。


「よそ見していてよいのかのっ!」


 守護者が再び向かってきた。

 床も凍りついてツルツルになっているが、コイツには何の障害にもなっていないようだ。


「くらえっ! ファイア!!」


 オレは連続で「炎」の下級魔法を放つ。

 守護者はそれをすべて回避した。

 しかしそれは想定内だ。


「フレアサークル!!」


 さらに「炎」魔法を放ち守護者の周囲を取り囲んだ。

 これで逃げ道はないぞ。


「なんという熱量じゃ············だがこの程度!」


 守護者は「炎」を飛び越えて脱出した。

 少し火の勢いが甘かったか。


「アイシクルエッジ!!」


 後方からミールが「氷」魔法を放った。

 守護者が「炎」から脱出したタイミングを見極めて放ったらしく直撃した。


「ワタシ達のことも忘れてもらっては困りますね」


 ミールが(無表情だけど)得意気に言う。

 かなりの魔力を込めていたらしく守護者の魔法耐性を貫いてダメージを与えていた。


「「バーニングトルネード!!」」


 さらに追い打ちでエイミとミウの協力魔法が放たれる。

 「炎」を帯びた竜巻が守護者を襲う。

 守護者は身体中から「風」魔法を放ち、相殺した。


「さすがは勇者の従者じゃのう、よもやここまでやるとは思わなんだぞ! 今代の勇者パーティーは実に見所があるようじゃ」


 だからオレは勇者じゃないんだが。

 しかし今の攻撃でも倒せなかったか······。

 コイツの耐性スキルが厄介すぎるな。

 だがさっきのオレの「炎」と今の攻撃で周囲の氷は溶けていた。

 足場はまともになったかな。



 長期戦は危険だな。一気に決めよう。

 オレは手に持った聖剣に魔力を送った。

 それに応じるように聖剣が力強い光を放った。


「おおっ············そこまで聖剣を使いこなせるとは」


 守護者は驚いているのかそんな声を漏らす。

 感心しているところ悪いがこれで終わらせてもらう。オレは守護者に向けて聖剣を思い切り振るった。


「はああっ!!!」


 一刀両断、守護者の身体を斬り裂いた。

 守護者は聖剣から漏れ出た魔力に包まれて消滅していく。



「············見事······じゃ······」


 そう言い残して守護者は完全に消滅した。



〈レベルが上がりました。各種ステータスが上がります〉



 お、レベルが上がった。どうやら倒せたようだ。


「た、倒したんだねっ、レイ君!」

「すごかったですよ、レイさん」

「格好良かったですー、本当に勇者様みたいでしたよー」


 みんながそれぞれ称賛してくれた。

 正直ちょっと気恥ずかしいけどたまにはこういうのもいいかな。



〈解放条件を満たしました。新たなスキルを手に入れました〉



 メニュー画面にそう表示された。

 そういえばシノブとユーリも迷宮の守護者を倒した時に新たなスキルとして(スキルスティール)を手に入れたんだったな。

 オレもそのスキルを手に入れたのか?



神眼(ゴッドアイ)

あらゆる物事を見極めることができる。



 (スキルスティール)じゃなかった。

 ちょっと残念。

 しかし(神眼)のスキルか············。

 凄そうな名前のスキルだけど説明文がザックリしすぎでよくわからないな。


「新たなスキル?」


 どうやらオレだけでなくミウ達三人にも同じスキルが手に入ったようだ。

 そして三人はオレを見るなり目を見開いた。


「レ、レイ君のステータスが見えるよっ!?」

「レベル433······すべてのステータスが一万を超えています。魔力に至っては三万超えですか············」

「すごいですー! これがレイさんのステータスなんですねー」


 どうやら三人はオレのステータスが見えるようになったらしい。

 これが(神眼)の効果か。

 ひょっとしたら以前エイダスティアで戦った悪魔のようにバグったようなステータスでも普通に見えるようになるのかもな。


 それに説明文ではわからないだけで何かすごい効果があるのかも。

 まあそれは後で調べよう。


 それよりも守護者が消滅した所が何やら光っている。

 調べてみると光の中から金色に輝く石が出てきた。

 見覚えのある石だ。



〈ダンジョンコア(アイテムランク8)〉

五人以下の少数パーティーで迷宮の守護者を倒した証。

魔力を込めることで迷宮の守護者、およびその眷属を召喚し、使役することができる。



 やはりグラム達を召喚できる物と同じダンジョンコアか。

 グラム達を召喚できるダンジョンコアは黒色で今手に入れたのは金色だが。

 ということは今倒した守護者を召喚できるようになったのか。

 (アイテムランク8)とかいう表示も気になるが············。



 そう考えていたら周囲が光に包まれていった。




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