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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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122 VSエンシェントジェリー

 迷宮の守護者であるスライムの身体が、竜の姿へと変化していく。

 金の鱗に覆われた身体に尻尾や翼まで生やし、文句無しの定番の竜の姿になった。

 大きさも見上げなければ顔が見えない程の巨体になっている。


 スライムと呼ぶのは違和感があるな。

 守護者と呼ぶことにしよう。



「ゆくぞっ! 勇者と従者達よ!」


 守護者が大きく口を開き、炎を吐いてきた。

 見た目だけじゃなくマジで竜そのものだな。



「タイダルウェーブ!!」


 ミールが「水」の上級魔法で相殺した。

 ほぼ同等の威力だったようだ。


「フンッ!!」


 守護者は今度は巨大な尻尾を振るってきた。

 オレは聖剣で尻尾を受け止める。


「やるのう、ならばこれはどうじゃ!」


 鋭い爪を立ててオレに攻撃してきた。

 聖剣を使っているがコイツのステータスが下がっている気配はないな。

 あくまでも試練として戦っているから敵意はないってことか?

 だが、オレやミウ達のステータスはアップしている。


「アースクエイクですー!!」

「ぬうっ!?」


 ミウの「土」魔法で守護者の足下が大きく揺れた。

 それによりバランスを崩している。


「い、いくよっ! レイ君離れてっ!

エンドレスフレイム!!!」


 エイミが魔法を撃とうとしているのでオレは守護者から距離を取った。

 エイミは「炎」の最上級魔法を守護者に放った。


「ウ~······ム、ここまでやるとはのう」


 魔法は直撃したが守護者は倒れない。

 それなりにダメージは受けてはいるようだが。



(魔法耐性〈大〉)

魔法ダメージを大幅に軽減する。



 このスキルのせいで魔法攻撃の効き目が薄い。

 かといって物理攻撃にも耐性があるからな。


「ならばその魔力、吸収してくれよう! 魔力吸収(マジックドレイン)!!!」


 守護者がスキルを使ってきた。

 これは結界の町エイダスティアで戦った悪魔が持っていたスキルと同じものかな?


〈(魔力吸収)の効果を抵抗(レジスト)しました〉


 メニュー画面にそう表示された。

 どうやら無効化できたようだ。

 だが、ミウ達は無効化できずに魔力を吸収されていた。これはまずいな·········。



「喰らうが良い! シャインスコール!!」


 吸収した魔力を利用して守護者が魔法を放ってきた。

 天井部分から「光」のレーザーが激しく降ってくる。


「エイミ、ミール、ミウ! こっちに集まれ!」


 オレの言葉に三人が素早く動く。

 そしてオレはシールドを張り守護者の攻撃を防いだ。

 三人の様子を見る限り魔力を吸われたといっても大した量じゃないようだ。

 加護によって耐性が上がっていたからかな。


 だがこの守護者、かなり強い。

 今の三人では厳しいだろう。


「オレが前に出て戦うからみんなは援護を頼む!」


 オレのレベルは430。ステータス的には守護者を上回っているが油断できない。


「はいです、レイさんー!」

「き、気をつけてね、レイ君っ······!」

「すみません、力不足なばかりに······」


 オレは聖剣を構え守護者と対峙する。


「くかかっ! 面白い、今代の勇者の力······見せてみよ!」


 だからオレは勇者じゃない、なる気もない!

 オレは力を込めて聖剣を振るった。


「なぬっ!!?」


 オレの一撃で守護者を大きく斬り裂いた。

 元がスライムのためか血が出ないな。


「············信じられぬ、聖剣を使っているとはいえ、ワシの身体をたやすく斬るとは」


 耐性を持っているからと油断していたな。



(物理耐性〈極〉)

物理ダメージを99%カットする。



 普通に考えて反則的なスキルだ。

 (自己再生)も持っているから本来なら物理攻撃ではダメージを期待できないだろう。

 だがオレのステータスと聖剣の力を合わせれば1%のダメージでもバカにはできないはずだ。


 オレはさらに連続で斬りつけた。

 血は出ないが効いているようだ。

 守護者の〈体力〉が減っている。


「サンダーブレード!!」

「なっ············ばばばばばっ!!?」


 さらに「雷」魔法で追い打ちをかけた。

 よし、かなり効いているな。

 これで決めるかな。


「フレアバースト!!」


 「炎」と「水」の複合魔法だ。

 凄まじい熱量の「炎」の球を放ち守護者に命中した瞬間、水蒸気爆発を起こした。



――――――――――!!!!!



 守護者の身体はバラバラに吹き飛んだ。

 ······少しやりすぎたかな?

 そう思ったがバラバラになった守護者の身体は元通りくっついていった。

 そういえばスライムだったな。

 しかし、あれだけバラバラになっても再生できるのか。



「······カッ······カカカッ! 面白い、面白いぞっ!! 先代の勇者もここまでの力はなかった! ワシも全力で応えようぞ!」


 守護者の身体が再び変化していく。

 どうやらまだ終わりじゃないらしい。







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