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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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112 ファーストキス×3

 危なかった············。

 あれから二人を追いかけて地下に入ったオレとミウだが、入口が違ったため同じ地下でもかなり離れた場所に出てしまった。


 ミールは血だらけでうずくまっていたし、あと数秒遅れていたらエイミはあの巨大な蛇の魔物に喰われていたかもしれない。


 安全には配慮してたつもりだったけど甘かった。

 もう二度とこんな事態にさせないようにしないと。



 ミールはミウに持たせていた特級ポーションのおかげですっかり治った。

 エイミも大きな怪我はしてないみたいだしとりあえず危機は脱したか。


「············見苦しい所をお見せしました」


 ひとしきり泣いた後いつもの調子でミールが言う。

 あんな目に合ったばかりなのによく普通に振る舞えるものだな。


「······っ、レイ君、ミウさん、こんな所まで助けに来てくれてありがとう」


 エイミはまだ涙声だが大丈夫そうだな。

 さて、二人と無事に合流できたはよかったがどうやって上まで戻るか······。

 降りてきた入口は閉まってしまい開かないようだし。転移魔法で脱出しようとしたが使えなかった。

 ピンポイントで転移魔法だけを封じられたような感覚だった。

 他の魔法は普通に使える。



 MAPで詳しく調べるとどうやら地下空間は迷宮の一種らしい。

 だからダンジョンコアからグラム達を召喚できない。

 グラムがいた迷宮や学園の地下迷宮は転移魔法を使えたのだが、この迷宮は何かタイプが違うようだ。



 遺跡の地上部分が上層。

 オレ達が今いるのが中層。

 さらに下には下層、最下層と続いている。

 全4階層だと思えば狭く感じるが構造が複雑で広大だ。攻略するならかなり時間をかけることになりそうだ。



 おそらく魔物だって下に行く程に強くなるだろう。

 中層の魔物もレベル50~90くらいありエイミ達には厳しい。

 三人を守りながら攻略を目指すのはなかなか厳しそうだ。

 せめて三人のステータスをもう少し上げられたら······。



 ん、待てよ? そういえば方法が一つあったな。

 こんな状況だし躊躇してる場合じゃないか。

 今は周囲に魔物の気配はないけどいつまた現れるかわからない。

 オレは三人にここが迷宮の一種だと説明した。


「というわけで出口らしい場所が見つからない以上、攻略を目指すことになりそうなんだ」


 オレの言葉に三人は難しい表情をする。

 かなり危険な魔物もいるからな。

 この反応は仕方ないだろう。


「だから三人とも、一度オレとキスしてほしい」


「「!!?」」 「!!」


 今の言葉でエイミとミールは戸惑いの反応。

 ミウは納得したような反応をした。


 ············しまった、変な言い方になってしまった。

 もうこうなったら三人に加護を与えてステータスを底上げするのがいいと思ったんだが。

 だからっていきなりキスしてくれなんて頭おかしいよな。

 加護を知らないエイミとミールは少し引き気味だ。


「えっと······レイさん、それは告白でしょうか?」

「き、気持ちはうれしいけど············この状況で

そんなこと言われても困るよ~······」


 ま、まずいな······完全に変人扱いだ。

 どう説明しよう。


「違いますよミルさん、エミさん! レイさんはあたし達に加護を与えてくれるんですよー!」

「「加護?」」


 事情を知ってるミウがいてくれて助かった。

 オレの代わりに二人に説明してくれた。

 オレとキスをすると加護スキルが手に入り、ステータスが大幅に上がるということを。


「ほ、本当なの······レイ君?」

「正直信じられませんが············」


 二人は半信半疑といった様子だ。


「はいはーい! だったらあたしが、あたしがキスして証明しますよー!」


 ミウが元気良くそう言った。

 加護を知っているとはいえ男のオレとキスすることに抵抗はないのかな?



 オレとミウが向かい合う。

 ······なんか緊張してきた。

 ミウもいざとなったら顔を赤くしている。


「ミウさん······ほ、本当に······するの?」

「ミウネーレさん······大胆です」


 エイミとミールまで顔を赤くしながら見てる。

 ミウは目を閉じて待っている。

 オレは意を決してミウとキスした。

 お互いの唇が重なり合う。


「んんーっ♡♡」



〈解放条件を満たしました。パーティーメンバー(ミウネーレ)が新たなスキルを獲得しました〉


 よし、ミウに加護スキルが付いた。

 ステータスも大幅に上がっている。

 お互いの唇を離す。

 ミウは顔を赤くしたままボーっとしている。


「ミ、ミウさんのステータスが!?」

「いきなりミウネーレさんのステータスが見えなくなりました······」


 どうやら加護の効果で二人はミウを鑑定できなくなったらしい。

 でもこれで証明にはなったかな?


「はあ~······これが大人のキスなんですねー······全身がシビれたみたいですー」


 ······そこまでディープなキスはしていないんだが。

 まあオレもかなりドキドキしたけど。

 ミウの唇······やわらかかったし。


 よく考えたらアルケミアの時は事故だったし、セーラの時は突然唇を奪われた感じだったしでこうして改めて面と向かってキスをしたのは初めてかも······。


 ミウはまだ夢の世界に半分浸っているみたいだ。


「······二人ともいいかな? どうしてもイヤなら無理にとは言わないけど」


 いくら強くなるためとはいえ、いきなり男とキスするのは嫌だろうから強制はしたくない。


「いえ············お願いしますレイさん」


 ミールが顔を赤らめながら言った。


「あ、あの······その、わたしも············ふ、ふちゅちゅかものでしゅけどっ······お願いしましゅっ!」


 エイミはテンパりながらカミカミで言った。

 ミウとしたばかりで今度は二人と······。

 ミウも、そしてエイミとミールも美少女の部類に入ると思う。

 そんな三人と立て続けにキスすることになるとは。



 最初にミールと。

 そして次にエイミとキスをした。

 こうして三人とも加護スキルを手に入れた。







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