表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
120/736

108 新たな騒動?

(ミールside)


 その後、ワタシはすっかり忘れるところだった頼まれていた買い物をするために商業区に向かい、ワタシの帰りが遅く心配して様子を見に来てくれたレイさんと合流し、買い出しを済ませて教会へと戻りました。



「ミール、遅かったじゃない! 心配したんだよっ」


 そんな第一声を姉さんからいただきました。


「でも事件に巻き込まれたとかではなくよかったです。何かあったんですか?」


 リンさんが問いかけてきます。

 サボってたと思われても困るので正直に話しますか。隠すようなことではありませんし。

 ············非常に説明しにくいことですが。




 ワタシは同じ学園の生徒達の決闘に出くわしたこと。魔物が現れたこと。

 そして謎のマスク男が現れてすべてを解決したことを話しました。


「ええっ!? あ、あの仮面の人がまた出たの!? レ、レイ君も見た!?」

「いや············オレがミールと合流した時はもう終わってたみたいだったけど······」


 姉さんが驚いて顔を赤らめています。

 あのマスク男の姿を思い出したのでしょう。

 レイさんとはマスク男が去った後に合流したので見ていないはずです。


 そして姉さん以上に強い反応をする人がいました。


「あの男············今王都にいるんですかっ!!?」


 リンさんです。

 背後に炎が見えそうなくらい怒っています。


「リンさんはあのマスク男を知っているんですか?」

「よ~く知っていますよ······あの男はアルネージュの町でも色々とやらかしてくれましたからね。今度目にしたらボッコボコにして引っ捕らえてやりますよ!」


 どうやらあのマスク男は王都以外でも現れていたみたいです。

 何をやらかしたのか気になるのですが。


「あのマスク男、何をやらかしたのですか?

リンさん」

「それは······その············い、色々です!」


 気になって聞いてみたのですがリンさんは詳しくは教えてくれません。

 その色々が気になるんですが。



「と、とにかく! あの男は女の敵です! 絶対に許しません! 必ずわたしが天誅を下しますから!」


 リンさんが力強く言います。

 ここまであのマスク男を敵視しているのはもしかしてリンさんもあの男に············?

 リンさんはそこで強引に話を終わらせてしまったのでそれ以上は聞けませんでした。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ワタシ達は一通りの仕事を終え、依頼は完了となりました。

 今は教会の休憩室で一息ついています。

 休憩室にいるのはワタシと姉さん、レイさんにスミレさん、そしてリンさんの五人だけです。

 シスター長や他の方々は別の部屋で後片付けなどをしています。


「これで依頼は完了ですね。本日は本当に助かりました」


 教会の代表としてリンさんからお礼の言葉を受けました。

 依頼の報酬は冒険者ギルドを通して支払われます。


「リンはしばらくこの教会に?」

「はい、セーラ様はしばらくは本殿内で活動しますから。ここはいつでも人手不足の状況ですからみなさんよかったらまたお願いしますね」


 レイさんの言葉にリンさんがそう言います。

 恋人関係ではないということでしたがこの二人、本当に仲が良さそうです。

 テーブルの上に置かれた果実ジュースを飲みながら雑談しています。


「······ご主人様······」

「ん? どうしたんだ、スミレ?」

「············言われた通りがんばった······ボクごほうび欲しい」


 スミレさんがレイさんに言います。

 確かにスミレさんは子供達相手にたくさん動いていました。

 子供達にもずいぶん好かれていましたし言葉通りがんばったのでしょう。


「ご褒美か。いいけど何か欲しいのがあるのかな?」


 レイさんがスミレさんに聞きます。

 リンさんはそんな二人を微笑ましく見ています。


「······○○○させて」

「「っっっ!!?」」


 スミレさんの言葉にレイさんとリンさんは口に含んでいた飲み物を盛大に吹き出しました。

 ······なんですか○○○って?


「ス、スススミレさん!? 意味わかって言っていますか!?」

「············もちろん。前に一度だけご主人様の朝のご奉仕した」


 しばらくむせていたリンさんが気を取り直してスミレさんに問います。

 スミレさんは冷静に頷きました。


「よ、よく見たらスミレさんのステータスに加護が············レイさん!! こんな小さな子になんてことさせてるんですかっ!?」

「い、いや······オレがさせたわけじゃなくて······」


 リンさんが顔を真っ赤にして怒っています。

 そんなリンさんにレイさんはたじたじです。

 それにしても加護?

 一体何のことでしょうか?


「······させて、ご主人様······ボクあれ好き······」

「だ、駄目です! スミレさんにはまだ早いです!!」

「むう······リンもアイラと同じこと言う······」


 基本ワタシのように無表情なスミレさんが不満そうな顔をしました。

 ここまでリンさんが止める○○○って何なんでしょうか?

 聞いたことのない単語です。


「······リンも加護を持ってる······リンもご主人様のをしたことあるはず······」

「うっ······そ、それはその············ありますけど······」

「ボクがダメならリンももうしない······?」

「え、いや······その、わ、わたしも好きでやったわけじゃないんですよ!? ただ加護についてはまだわかってないことが色々ありますし······もうしないってわけには」

「ならボクもする······リンだけズルい」

「だ、だからズルいとかそういう問題じゃなくてですね······」

「じゃあリンも一緒にする············それでおあいこ······」

「え、えええーーっ!!!??」


 リンさんがあまり口数の多くないはずのスミレさんに口で負けています。

 しかし何のことなのでしょうか?

 話がよくわかりません。


「リン······少し落ち着いた方が······」

「レイさんは黙ってて下さいっ!!」


 リンさん、レイさんの言う通り落ち着いた方がいいと思いますよ?


「······わかりましたっ、奥に祈りのための部屋がありますので二人とも来て下さいっ!!」


 よくわかりませんがリンさんの方が折れたようです。


「エイミさんっ、ミールさんっ! しばらく祈りの部屋は立ち入り禁止です! 誰も近付けないで下さいねっ」

「「は、はいっ!?」」


 リンさん、すごい迫力です。

 ワタシと姉さんは反射的に頷いていました。

 そしてそのままレイさんとスミレさんを連れて祈りの部屋に行ってしまいました。

 休憩室にはワタシと姉さんだけが残されます。


「······ねえミール、○○○ってなに?」

「············さあ?」


 そんなのワタシが聞きたいです。

 一体部屋で何をしているのでしょうか?



 三人は30分くらい経ったら部屋から出てきました。

 レイさんは少し疲れた表情で。

 スミレさんは満足そうな様子。

 リンさんは顔を赤らめ口元をハンカチで拭いながら出てきました。




 結局何をしていたのか教えてもらえませんでした。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ