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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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107 一件落着?(※)

※(注)引き続き変態男が登場しています。

お見苦しい表現がありますので苦手な方はご注意ください。



(ミールside)


 大型ゴブリンを倒したことで、フェニアさん達が大幅にレベルアップしました。

 あのマスク男、フェニアさん達を強くするためにわざわざトドメを譲ったのですか?



「ア、アタクシの魔法であんな強大な魔物を倒せるなんて······」


 フェニアさんは自分の力の変化に戸惑っています。

 他の三人娘達も同様です。



「さて、まだ後始末が残っていますな」


 そんなフェニアさん達を置いてマスク男が動きます。すっかり存在を忘れるところだったサラーナに向かっていきます。


「お嬢さん、自分のしたことがわかっているのですか?」

「ひぃっ!!?」


 マスク男が目の前まで来てサラーナが悲鳴をあげます。


「な、な、なんですの貴方は!? そ、そんなはしたない格好をして······」

「私のことはいいでしょう。それよりも自分の仕出かした事の重大さ、理解しているのですかな?」


 マスク男の格好はこの際置いておくとして、確かにこの男の言う通りです。

 もしこの男が現れなければあの大型ゴブリンはワタシ達を殺し、さらには町中で暴れていたかもしれません。

 王国騎士団でも簡単には倒せないであろう高レベルの魔物。

 どれだけの被害が出たかわかりません。



 一歩間違っていたらサラーナはそんな魔物を町に呼び出した重犯罪者です。

 貴族といえど弁明は出来なかったでしょう。


「わ、私のせいではありませんわ! あれは魔道具が暴走しただけで······私は悪くありませんわよ!」


 サラーナは見苦しくもそんなことを言います。

 これにはワタシだけでなくフェニアさん達も怒りを覚えているようです。


「自分の罪を認めず責任逃れをするとは。やはり貴女にはお仕置きが必要のようですな」


 マスク男がそう言うとサラーナに近付いていきます。



「ひっ!? な、なにをするつもりですの!?」

「貴女には特別なお仕置きで反省してもらいます」

「ひぃぃっ!!? ち、近寄らないでくださいませっ!?」


 サラーナは腰が抜けているようで立ち上がることも逃げることもできないようです。

 マスク男はサラーナをどうするつもりなんでしょうか?


「いやああーーっ!! だ、誰か助けてっ」


 サラーナが叫びますがここにはワタシ達しかいません。

 フェニアさんや三人娘達も息を飲むように様子を見ていますがサラーナを助ける気はないようです。

 まあワタシもありませんが。


 サラーナは腰が抜けていたはずですが懸命に立ち上がり、大通りに出る道まで走ろうとします。

 といっても足はおぼつかず、まともに前に進めていませんが。



「さあ覚悟しなさい! とうっ!!」

「············え?」


 マスク男が地面を蹴り高く跳び上がりました。

 サラーナは不穏な気配を感じたのか振り返ります。しかし、それが大きな間違いでした。


 マスク男はそのままサラーナ目掛けて落ちていきます。大きく両足を拡げた格好です。


「ひ······い、いやですわぁぁーーっ!!!???」


 サラーナが叫びますがマスク男は止まりません。


「きゃぶっ······ふぷ!!??」


 マスク男の下半身の()()()()がサラーナの顔面にぶつかり、倒れ込みました。

 男はさらに両足でサラーナの身体を固定して、動けないように抑えつけました。


 サラーナはしばらくもがいていましたが、やがて力尽きたように動きが止まりました。

 そうしてマスク男が立ち上がりました。



「これでお仕置き完了です」


 ············サラーナはマスク男の下半身で哀れなことになっていました。

 何故かマスク男はサラーナの頭を下着の中に収め············具体的に言いたくありません。


 ともかく、あれはムゴイです············。

 先程までは怒りしか感じなかったサラーナに同情してしまいそうになりました。



「ああ、さすがは正義の仮面様ですわ! 見事、サラーナさんに報いを与えてくださいましたわ」


 ワタシの横でフェニアさんがマスク男を称賛しています。()()を見て、よくそんな言葉が出ますね。


 フェニアさんは完全にマスク男に心酔しているようです。あなた、初めてマスク男を見た時は変態だ変質者だ言ってたじゃないですか?

 それが今では············。

 あなた、サラーナと同じ目に合わされたんじゃなかったんですか?



「さあお嬢さん方、彼女はこの通りお仕置きしておきました。これで今回の件は反省するでしょう」


 マスク男がこちらに来ました。

 その格好のまま、サラーナをズルズル引きずるように来るのはやめてほしいのですが。

 ············生きていますかね、サラーナは?



「彼女のこと、後はお任せしてよろしいですかな?」

「はい、任せてくださいませ、正義の仮面様♡」


 フェニアさんが心底うれしそうに言います。

 引き渡されたサラーナは三人娘達に身体を支えられます。


「お、男の方の······男性の······シンボルが······ウフ······フフフ······ウフフッ」


 サラーナは生きてはいますが、意識があるのかないのかよくわからない状態です。

 まあ、()()()()()()なっていたんですから当然かもしれませんが。

 廃人になっていないことを祈っておいてあげましょう。


 こんなサラーナの姿を見せられるとさっきまでの怒りは吹き飛んでしまいました。

 ············このマスク男、それを計算してあのようなことを?



「それでは私はこれで失礼します」

「あ、あのっ、正義の仮面様······この杖は」


 フェニアさんがマスク男に杖を返そうとします。


「その杖はあなたに差し上げます。これからも清く正しい行いをお願いします」


 その国宝級の杖を······本気ですか?

 本当に何者なんですかこのマスク男は?

 変態にしか見えない格好なのに正義の行いをする。

 国宝級の杖すらもあっさり与える。

 まったくわけがわかりません。


「では私はこれで······さらば!」


 マスク男はそのままどこかに走り去って行きました。


「ああ······やはり器が大きく素敵な方ですわ」


 フェニアさんはもう駄目っぽいです。

 確かに器が大きいのは認めますが············普通の格好はできないのでしょうか?



 ですが、格好さえ気にしないならあのマスク男のしたことは強力な魔物からワタシ達を助け、フェニアさん達を大きくレベルアップさせて、元凶のサラーナに報いを与えた。

 さらには国宝級の杖までフェニアさんに渡した。


 ············あれ? 結構立派なことをしています······。

 おかしいのはワタシの方なのですか?

 なにがなんだかわからなくなってきました。




 その後フェニアさんはすぐに兄のフェルケンさんに連絡を取り、共に連れてきた巡回兵にサラーナと大型ゴブリンの死体を引き渡しました。


 フェルケンさんは大型ゴブリンとそれを倒しレベルアップしたフェニアさん、そして国宝級の杖を見て大層驚いていました。

 詳しい説明はフェニアさん達に任せましょう。



 大型ゴブリンの素材を売った報酬の一部は後日ワタシにもくれるそうです。

 そのことは素直にうれしいのですが、あのマスク男がフェニアさんに与えた国宝級の杖······正直ワタシも欲しかったです。








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