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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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106 大型ゴブリン討伐(※)

※(注)変態男が登場します。


(ミールside)


 サラーナの魔道具が不具合を起こし砕けた散ったと思ったら大型のゴブリンが召喚されました。

 レベルは92。ワタシよりも高いです。


「お、おほほほっ! どうですか!? 私の力を持ってすればこのような強力な魔物も······」

「ゴオァーーッ!!」


 気を取り直して高笑いするサラーナですが、そんな魔物を操れるはずありません。

 案の定魔物はサラーナを襲います。


「キャッ!?」


 大型ゴブリンの持つ巨大な棍棒がサラーナに振るわれました。

 直撃こそしませんでしたが、その風圧だけでサラーナは吹っ飛びました。


 運がいいですね。大した怪我はしていないみたいです。しかし目の前の大型ゴブリンに完全に怯えきっています。腰が抜けて立てないようです。


「ゴブブ······」


 大型ゴブリンはこちらに目を向けました。


「フェニアさん、取り巻き三人を連れて逃げてください。ワタシが魔物の注意を惹き付けますから」

「な、何を言っていますの!? あんな化物相手にしたらアナタでも殺されますわよ!?」

「············悪いですがあなた方は足手まといです。ワタシは死ぬつもりはありませんからご心配なく」


 戸惑うフェニアさん達を置いてワタシは大型ゴブリンに向かいます。


「アースグレイブ!!」


 先程ホブゴブリンを倒した「土」魔法で大型ゴブリンに攻撃しました。

 しかし大型ゴブリンの皮膚を貫けず土の方が砕けてしまいました。



 ······もう10分以上は経っていますよね。

 ワタシは自身に魔力を集中できることを確認しました。


「ハイブリザード!!」


 「氷」と「風」の複合魔法を放ちます。

 かなり強めに魔力を込めました。

 これならば············。


「グオオーーッ!!」

「なっ······!?」


 まるで気にせずに大型ゴブリンがこちらに向かってきます。

 この大型ゴブリン、魔法耐性がかなり高いようです。


「ミールさん、どきなさい! エアブレイド!!」


 ワタシの後ろからフェニアさんが魔法を放ちました。


「フェニアさんっ、何故逃げないんですかっ」

「アナタだけ置いて逃げられるわけないでしょう!? ほら、来ますわよ!」


 大型ゴブリンがフェニアさんの魔法を弾いてこちらに向かってきます。



「ファイア!」「アクアボール!」「エアカッター!」


 三人娘達も後方から魔法でワタシとフェニアさんを援護していました。

 しかし大型ゴブリンにダメージはなく、怒らせただけのようです。


「ゴブアッ!!」


 大型ゴブリンが足下の石ころを拾い投げつけてきました。



―――――――ゴウウッ!!!!!


 投げられた石ころは三人娘達の足元で砕けました。今のが当たっていたらただでは済まなかったはずですよ。

 大型ゴブリンの足下にはまだいくつもの石ころがあります。


「ワタシはこっちですよ!」


 ワタシは前に出て大型ゴブリンの注意を引きます。

 奴の注意がワタシに向きました。


「フレアトルネード!!」


 「炎」と「風」の複合魔法です。

 大型ゴブリンの魔法耐性は高いようですがこれを至近距離からくらえばさすがに······。


「ゴブオオアァッ!!」


 なっ!? 効いていないです!

 大型ゴブリンはそのままワタシに棍棒を振り下ろしました。

 この距離でこの体勢では避けられません。




 ワタシは死を覚悟して目を閉じました。

 すると急に身体がフワッと浮き上がった感覚を感じました。


 これは············誰かに抱えられたのでしょうか?

 大型ゴブリンの攻撃を避け、距離をとった気配がしました。

 誰かがワタシを助けてくれたようです。

 一体誰が······?

 ワタシはおそるおそる目を開きます。


 目に映ったのは盛り上がった白いナニか······なんですかコレは?

 ワタシのすぐ横にそんなモノがありました。


「大丈夫でしたか? お嬢さん」

「············え?」


 男性の声がしたので目線を上に向けます。



「!!!!!???」



 ワタシを助けてくれた人は、あの正義の仮面と名乗っていた黒いマスク男でした。

 ワタシはこの男の腰あたりに片手で抱えられていました。


 そしてワタシの目に最初に映っていた白いナニかは············この男の下半身の()()()()でした。

 至近距離からそんなモノを見て、我ながらよく悲鳴をあげなかったものです。



「さあお嬢さんは安全な所へ。後は私に任せなさい」


 マスク男がワタシをそっと降ろしてくれました。

 本当に何者ですか? この男······。

 相変わらずの下着一枚の姿です。

 ほとんど裸に等しいですよ。

 いくらワタシでも目のやり場に困るのですが。


「ゴブブ!!」


 大型ゴブリンは今度はフェニアさんに襲いかかろうとしていました。

 マスク男は素早く大型ゴブリンの前に立ちました。

 武器も持たず丸腰で正気ですか!?


「とう!」

「グボアアッ!!?」


 マスク男が勢いよく大型ゴブリンに蹴りを入れました。

 大型ゴブリンの巨体が吹き飛びました。

 な、なんという力······。


「ああっ、またアタクシの前に現れてくださったのですわね!」


 フェニアさんが頬を赤く染めて言います。

 まるで恋する乙女のようです。

 裸同然の男を見て恥ずかしがっているだけですよね?

 他の三人娘達も同じような反応です。


「さあもう安心です。あなた方は私が守ります」

「は、はい!」

「「「ああ、素敵なお方······」」」


 おかしくないですか、みなさん?

 みんなあのマスク男に心酔してしまっています。


「ゴブオオアァッ!!」


 大型ゴブリンが立ち上がり怒りのままマスク男に向かっていきます。


「あぶないですわ! 正義の仮面様······!?」


 フェニアさんが叫ぶように言いますが大型ゴブリンはすでにマスク男に向けて棍棒を振り下ろしています。


「ふん!」


 なんとマスク男は大型ゴブリンの棍棒を素手で受け止めました。

 しかも片手で············信じられないです。

 マスク男はカウンターで大型ゴブリンを殴り付けました。

 強い······強すぎます、この男。

 大型ゴブリンはもう瀕死状態です。


「さあフェニア嬢。あなたの魔法でトドメを刺すのです!」

「ア、アタクシがですか!? ですが恥ずかしながらアタクシの魔法ではあの魔物にダメージを与えることが······」


 確かにフェニアさんのレベルは22で大型ゴブリンとのレベル差が大きすぎます。

 いくら相手が瀕死でもトドメを刺せるかどうか。


「ならばこれを使うといいでしょう」


 そう言ってマスク男はどこからか杖を取り出しました。

 ······男の下着の中から出したように見えましたがきっと気のせいでしょう。


 それよりも見るからに力を感じる豪華な杖です。



(ミスリルとオリハルコンの合金杖)

詳細不明。



 鑑定魔法で見たらそう出ました。

 ミスリルと············オリハルコン!?

 伝説の金属で作られた国宝級の杖じゃないですか!?

 アイテムランクが高すぎるため能力が見えません。


「こ、この杖は!?」


 フェニアさんも三人娘達も杖を見て目を丸くしています。


「ゴブアッ······」


 そうこうしている内に大型ゴブリンが立ち上がりました。まだ動けるのですか。


「今ですフェニア嬢、そちらのお嬢さん方は魔力で援護を」


 マスク男の言葉にフェニアさん達はすぐに表情を引き締めます。

 貴族の名門だけあってフェニアさんはすぐに平静になりました。

 フェニアさんはマスク男から受け取った杖を構えます。


「フィレ、セレミ、レミーネ! アタクシに魔力を送りなさい!」

「「「はい、フェニア様!」」」


 フェニアさんが魔力を集中します。

 三人娘達もフェニアさんに自身の魔力を送ります。あとどうやらフェニアさんオリジナルの魔道具の魔力球(マジックチャージ)も使っているようです。

 とてつもない魔力がフェニアさんに集まります。


「タイダルウェーブ!!」


 フェニアさんが「水」の上級魔法を放ちました。

 杖から凄まじい勢いで水が吹き出し、大型ゴブリンを押し潰していきます。

 しかも周囲に被害を出さないように威力を一点集中させているようで大型ゴブリンは身動き一つできないようです。



〈レベルが上がりました。各種ステータスが上がります〉


 ワタシのレベルが上がりました。

 どうやら倒せたようです。

 今のでワタシのレベルは一気に64まで上がっていました。


 トドメを刺したフェニアさんはレベル22から50まで上がっています。

 他の三人娘達もレベル30前後になっていました。

 それだけ強力な魔物だったということですね。



 後はそんな魔物を召喚したサラーナをどうするかですね。






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