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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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98 階層ショートカット

 学園長が魔物にトドメを刺したことで、レベル98まで上がっていた。

 ロディンとリイネさんもそれなりにレベルアップしている。


 オレやアイラ姉達もレベルアップしたが1つだけだ。

 これだけレベルが高いと、なかなか上がらなくなってきている。

 まあ、それはいいや。

 それよりも魔物を倒したことで宝箱が現れた。

 部屋の奥の方には何か魔法陣のようなものもある。まずは宝箱から開けてみようか。



「レイ君、慎重にね。迷宮の宝箱には罠が仕掛けられていることもあるから」


 学園長が言う。

 今までの宝箱には罠はなかったけど、魔物が守っていたような特殊な宝箱なら可能性はあるか。

 宝箱の罠といえば、定番なのは開けた瞬間に毒ガスが噴き出すとか串刺しになるような刃物が飛び出すとか、そんな感じかな?

 宝箱に擬態したミミックとかもいるかな?


 とりあえず他のみんなを下がらせて、オレは宝箱を開けた。



―――――――プシュウウウッ


 開けたら緑色の煙が噴き出した。

 どうやら毒ガスみたいだな。

 けどオレには(全状態異常無効)スキルがあるから問題ない。

 すぐに毒ガスは消えた。

 宝箱の中に何か入っているな。



〈破邪のペンダント〉

身に付けると様々な状態異常に耐性を持つ。



 アクセサリー系の装備品みたいだな。

 ゲームとかでも状態異常に耐性を持つ装備品は終盤で手に入るような物だし、結構レアなんじゃないか?

 まあオレには必要ない物だけど。ちょっと残念。


「破邪のペンダント············かなりのレア物ね。すごい効果だわ」


 学園長達も鑑定したようだ。

 やはりレアアイテムだったか。


「学園長が持っていてください。オレには必要ない効果なんで。アイラ姉もそれでいいよね?」


 オレの判断にアイラ姉達も異論はないようだ。

 そのままペンダントを学園長に渡した。


「必要ないって············まさか、あなた達······」

「オレ達には状態異常を無効化するスキルがありますから」


 オレとアイラ姉とシノブは、それぞれ(全状態異常無効)スキルを持っている。

 スミレは(異世界人の加護)スキルに状態異常耐性効果がある。


「······わかったわ、私が責任持って預かっておくわ。ロディン様、リイネ様、このアイテムは後程国王陛下に献上いたします」


 学園長の言葉に二人が頷いた。

 まあ、そういうことでいいだろう。


 さて、次はあの魔法陣だ。一体何だ、あれ?

 かなり大きい魔法陣だが······まさか魔物を召喚するような物じゃないよな?

 魔法陣の上に乗ると作動するタイプらしい。


「試しにオレが乗ってみるよ」

「気を付けるのだぞ、レイ」


 躊躇していても進まないので、オレが乗ってみることにした。



――――――――ガゴンッ


 魔法陣の中心に立った瞬間に床が、いや部屋全体が動き出した。

 ······これは下に向かって動いている?

 この魔法陣、もしかして昇降機か?



―――――――――ガシャアアンッ



 しばらくすると動きが止まった。

 どこに着いたんだ?

 MAPで確認してみると、ここは迷宮の30階層だった。この部屋を出た隣も大部屋になっている。

 どうやら10階層の隠し部屋は、迷宮のショートカット用のものだったみたいだな。


「なんだ、何が起きたんだ?」

「部屋全体が揺れたようだが······」


 ロディンとリイネさんが周囲を見回して言う。

 学園長も同様に事態を掴めていないみたいだ。

 アイラ姉とシノブはオレと同じようにMAPで確認したようだ。

 スミレはあまり関心なさそうな様子だ。


 オレは学園長達に今の状況を説明した。


「············つまり、ここは迷宮の30階層なのね。そんな仕掛けがあったなんて······」


 学園長達は驚いているが、ゲームなんかでは迷宮のショートカットなんてあまり珍しいものじゃない気がする。

 まあ、ここはゲームじゃないけど············。


 転移魔法でも問題なく、入り口からこの階層まで来れるようになっていた。

 ただ11~29階層はまだ行っていないため、転移できなかった。まあ、それは仕方ないか。


「ということは、この部屋を出れば学園長殿が言っていた巨大ゾンビがいるのでござるな」


 シノブが言う。

 そうか、そういえばそんな話だったな。


「············ついでに、そいつも倒そう」


 スミレはさっきの魔物じゃ物足りなかったみたいだ。

 あまりお目にかかりたくはないが、迷宮を攻略することになれば、そいつとも戦うことになるだろう。

 見るだけなら見てみるべきかな?

 ヤバかったら転移魔法で逃げればいいしな。

 とりあえずは学園長に判断を任せよう。


「······わかったわ。あなた達なら大丈夫かもしれないしね。行ってみましょう。でも騎士達が歯が立たなかった相手よ。まず間違いなく、さっきのケルベロスの変異種より強いはず······。危ないと判断したらすぐに逃げるわよ。絶対に無茶はしないで」


 学園長も一応は進むことに賛成した。

 アイラ姉も異論はないようだし、ロディンとリイネさんからも反対意見はない。


 今度はオレが先頭になり、部屋の入り口の扉を開け、先に進んだ。


 進んだ先はケルベロスの魔物と戦った部屋よりも、さらに広い大部屋だった。



―――――――······ズズズッ



 魔物の姿がないと思ったら、地面から這い出るように巨大な人型のゾンビが姿を現した。

 でかい、でかすぎる。

 多分だけど、全長20メートルくらいあるんじゃないか?

 この部屋の天井は迷宮内とは思えないくらい高いが、コイツの頭はギリギリ天井に届かないくらいだ。

 この階層、コイツの大きさに合わせているのか?


 見た目はケルベロス・イロードと同じく全身が溶けたような感じだ。

 はっきり言って気持ち悪い。



 逃げるか、戦うか。

 まずはコイツのステータスを確かめて見るかな。










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